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C.アバド:ハイドン交響曲第96番「奇跡」&協奏交響曲  

そのうちに、と思って買い伸ばしになっていたアバド指揮、ヨーロッパ室内Oの96番、105番が届き、シリーズ全て揃いました。当盤は1986年録音、これもまさに新時代の演奏で、なおかつ肩を並べる演奏はざらに無さそうに思います。
レパートリーの広い大指揮者アバドが、古典を得意とする指揮者達を凌ぐような"ハイドン指揮者"さながらの演奏を聴かせたときは意外に思ったものです。J.テイトは端正なハイドンを聴かせたが、ちょっと穏やかすぎる、J.L.コボスは同じく端正だがちょっと肩肘張った真面目さが目立った、いずれもオケは優れている。そこで二人より年長のアバドがヨーロッパ室内Oでとっておきのハイドンで打ってきた、という運び。天才指揮者の朝飯前の仕事ではなく、じっくり温めてきた演奏に思えます。あと94番、99番あたり聴きたかったですね;

ハイドン交響曲第96番「奇跡」、協奏交響曲(第105番)
クラウディオ・アバド指揮、ヨーロッパ室内O
1986年、ウィーン・コンツェルトハウス

アバド hay 96 105

96番「奇跡」、ハイドン好きが望むことはすっかり心得ているような、聴き始めから最後まで、不満なところなく、すんなりと聴ける。
第一楽章、序奏は清涼かつ味のある響きで開始、ぐっと弱奏にして次への起伏をつける、主部は程よい快速、しなやかな弱奏にドシっとインパクトのあるダイナミクスで引き付ける、かっちり構築美を示しながら常に耳心地良い響きで、細かく聴いても丹念な音楽性が詰まっている。展開部が終わり再現部に入る間(溜め)が長いが、ひじょうに効く^^
第二楽章にもtimpを伴ったダイナミクス、または弦だけによる強奏もあるが、そこを耳に重たい響きにしないのがいい。短調に入ってからの深み、美しさ満点の楽章を申し分なく仕上げる。
メヌエット、堂々たる主題は過度に重くせず、さわやかに聴かせる、オーボエ・ソロのトリオはリピートで弦楽伴奏をぐっと弱奏にして、それが引き込む。
メヌエットから間を置かず、快速に終楽章に入る、弱奏で美しくロンド主題を始め、短調の総奏に入ったインパクトが痛快、そしてまたぐっと弱奏の主題に戻り、涼やかさとエネルギーの交錯、これほどすっきり、きっぱりとした終楽章は他に聴いたことがなく圧巻。

105番、オーボエ、ヴァイオリン、ファゴット、チェロを独奏楽器とする協奏交響曲変ロ長調、ハイドンが書いた協奏交響曲はこれ1曲のみ、ある評論家がハイドンの弦楽四重奏曲と交響曲の技を組み合わせたような傑作だ、と言ったのを憶えています。確かに4つのソロパートの掛け合う充実感だけでも素晴らしい、そこにオケも重要パートとして関わってくる。この曲はなにか風変わりな要素を加えたり、新時代感覚を取り入れたり、といったところがなく、純粋に古典派らしい美質のみで見事に完成していて、2曲目を書く必要なさそうです。しかし終楽章では主部に入る前に、vlのレシタティーボを入れるなど、ハイドンらしい味なところもあります。アバドと4人のソリストの演奏の見事さを忘れて、曲そのものに聴き入ってしまいました^^
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category: F.J.ハイドン

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