Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

C.バンキーニ:コレッリ vlソナタop.5 No.1~6   

コレッリのvlソナタで古楽奏者以外で今出ているのはA.グリュミオー盤くらいですかね。これも貴重な名演かと思いますが、今となっては演奏史を振り返る資料と言わざるをえません。演奏は楽譜どおり重厚に弾く、チェンバロも型どおり用意された伴奏といった感じ。
バロックヴァイオリンの先駆者と言えば、エドゥアルト・メルクス、はじめてコレッリの時代の研究に基づく見事な装飾演奏を行っていて、大昔、アルヒーフ盤の取り寄せを頼んだところ、ついに届かなかったという経験があります;いずれ中古盤を見つけたいです。

今日は昨日と同じvlソナタ 作品5 No.1~5で、キアラ・バンキーニ:vlによる演奏、彼女もS.クイケン、G.レオンハルト、N.アーノンクールらと出会い、モダンvl奏者から転向、アンサンブル415を結成している。415というのはバロック・ピッチのことでしょう。まだ古楽が今ほど受け入れられていなかった頃らしいネーミング。
バンキーニおよび通奏低音の演奏は、ここまでやるか、といえる華々しいもの、録音は室内的な響きで各楽器は鮮明に聴ける。

core vl sonata02
vlソナタ 作品5
No.1ニ長調、No.2変ロ長調、No.3ハ長調、
No.4ヘ長調、No.5ト短調、No.6イ長調
キアラ・バンキーニ :vl
カティ・ゴール :vc
ルチアーノ・コンティーニ :アーチlute
イェスパー・クリステンセン :cemb


No.1ニ長調では全員参加、第一楽章、長く引くvlの開始音の間に、3人の通奏低音が目いっぱい和音を散りばめる、続いてバンキーニも音価の最後の瞬間まで装飾パッセージを込める、ここだけで原譜の音符の数十倍は音が出ているでしょう;長い溜め、速度の伸縮をしながら、全員が同じ組織体のようにうごめく、掴みはばっちり。次のアレグロはテヌートぎみに活気をつける、終止音はぐっと伸ばし、装飾を込める。第三楽章は駆け抜けるようにキビキビと、次のアダージョのじみじみとした味わいと対比となる。終楽章はリズムにエッジを立て、アーチluteもくっきりバスラインを弾き、強調する。
No.2変ロ長調はチェンバロのみが付く、すっきりした響き、第三楽章アダージョはvlは装飾控えぎみでその分cembのリアリゼーションが繊細な聴かせどころとなる。
No.3ハ長調はvcが抜け、通奏低音はcembとアーチluteの撥弦系の響きだけになり、バスラインは二人が重ねて弾くので明確で心地よく、和音は分離的に弾くところもあるが、合同で鳴らすところもあり、ギター合奏風の響きも思わせ面白い。
No.4ヘ長調、通奏低音は全員、第一楽章アダージョではかなりcembが活躍するが、少し過剰にも感じる、第二楽章フーガ的なアレグロは快調で魅力、テーマがチェロに来たところが良い。アダージョ楽章はつぶやくようなvlの表情、cemb、アーチluteもふさわしい響きで支える。終楽章、全楽器のキビキビ切れの良さが爽快。
No.5ト短調はvcとcembが入る、第一楽章アダージョのリピートに移る間をcembのパッセージが繋ぐ、第二楽章ヴィヴァーチェは3拍子でこれまでの曲よりリズムが切り立つ、スタッカート表現をcembとvcが補強する。
No.6イ長調、最後を飾るべく通奏低音は全員、アダージョ楽章のvl、vcの対話が味わい深く、他の二人が程よく飾る。
全曲通して、vlも終始見事だが、通奏低音も各々聴きどころを存分に加えてくれる、退屈に思った楽章は一つもない。
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