Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

スンドクヴィスト:J.M.クラウス 交響曲第4集  

歴史の陰に隠れていた実力派作曲家、ヨーゼフ・マルティン・クラウスを優れた演奏で知らしめてくれたのはNAXOSレーベル、P.スンドクヴィスト指揮、スウェーデン室内Oでしょう、第1集から魅了されました。最後の第4集はすでに傑作を録音してしまったので、落穂拾い的内容かと勘違いしていましたが、さにあらず、聴きごたえのある作品をとってあったんですね。第4集の交響曲はさらりと聴ける内容ではなく、彫が深い、対位法を駆使し、大きな構造の中に緻密な構造を組み込んだ味わいたっぷりな作品です。

1. 教会のためのシンフォニア
2. 交響曲 ヘ長調 VB145
3. 交響曲 ニ長調 VB143
4. 交響曲 変ホ長調 VB144~ラルゲット(第2のヴァージョン)
5. 議会行進曲
(録音: 2000年5月 スウェーデン、オーレブロー・コンサート・ホール)

kraus sym 4

1. 教会のためのシンフォニア
単一楽章ですが、序奏をもつソナタ形式、tp、timpを伴った祝祭的な序奏に始まる、主和音の間を上下するような動機で主部が始まり、いきなりフーガである、バッハの管弦楽組曲序曲とソナタ形式の交響曲が融合したみたいな、提示部から対位法で満たされ、展開部のような凝り様、本当の展開部はどうなるのか、やはりフーガは続く、転調で深みへ持っていく、一旦終息、休符を置いて再現部へ、複雑な作品をスマートに終結。

2. 交響曲 ヘ長調 VB145
第一楽章、味わいのある序奏を持つが結構長大な楽章でもある、しかし無駄な長さではない、すっきり素朴な動機、大きな動きの中に素早く切れ味のよいパッセージを内包するのが非常に聴きごたえあり、やはり対位法が多用され、展開部での複雑で手の込んだ充実ぶりはそう簡単に言い表せない、再現部、終結部まで気の抜けるところがない。ハイドン先生でもここまで徹底した曲はないかもしれない。
第二楽章、親しみやすい歌謡調の主題の変奏曲、美しいフルートのソロも入れば、短調でバロック風の弦楽を聴かせたり、ほかでも聴いたようなありふれた変奏は聴かせない。
終楽章、ハイドンを思わせる、ロンド風ソナタ形式か、小刻みな音形で快調に進む楽章で、彫の深い第一楽章と対照的。

3. 交響曲 ニ長調 VB143
序奏を持たず、主部の複雑な構成はVB145と同様だが、爽快な流れも持つ、対位法の部分を置き、流麗な部分で繋ぐような。展開部の入りからゾクゾクするような期待を抱かせ、応える、複雑な構成、キレキレの推進力、予測のつかない技が最後までくり出す。
第二楽章、ほっと一息つかせるような主題の変奏曲、が、なかなか優美に発展していく。この曲でも フルート・ソロが入るが、いかにもクラウスらしい旋律の冴えがあり、独特の趣を放つ。
終楽章、ロンド風だが、ここがまた対位法的でVB145とは違う充実ぶり、弦楽が延々とフガートを聴かせるが、適度なところで流れをかえて変化のある構成にする。終結がもったいぶらず、あっさり終わる。

4. 交響曲 変ホ長調 VB144~第二楽章ラルゲット(第2のヴァージョン)
シリーズの第1集に入っていた交響曲VB144の第二楽章は短調の美しい楽章だったが、当盤で第2ヴァージョンが紹介されている、こちらは長調でまた美しい、単独に聴いても良いほど。
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category: J.M.クラウス

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