Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

E.メルクス:G.タルティーニ vlソナタ《悪魔のトリル》ほか  

「ヴァイオリンの高等技法」と題されたこのアルバムは随分長く倉庫に眠っていたもの、バロックvl復興の先駆者、エドゥアルト・メルクスによる演奏です。最新の古楽演奏にはまだ遠いものと言えますが、メルクスの真面目で堅実な演奏は優れたスタート点になっていると思えます。バロックvlの透明感のある響きはLP盤から十分に再現されます。
4曲入っていますが、今日はジョゼッペ・タルティーニの2曲について。

悪魔のトリル メルクス
エドゥアルト・メルクス:バロック・ヴァイオリン
ライオネル・サルター:チェンバロ
ヴォルター・シュルツ:チェロ


主題と30の変奏
コレッリのvlソナタop.5-10の親しみやすいガヴォットの主題を使った30もの変奏曲、同じ和声進行で行くところからシャコンヌにも近いが、高度な変奏曲としての要素が強い。vlのあらゆるボゥイング技術を取り込んだ練習曲でもあるそうだが、左手技術も高度なもの、変奏曲というのは出来がよくないと退屈なものだが、この曲は次々と新鮮な変奏が立ち上がる、重音奏法による2声の掛け合いも多く、vlの超名人だからこそ書ける緊張感、よく30パターンも浮かぶものだと思う。メルクスは堅実で模範的演奏だが、練習曲のような味気無さはなく素晴らしい鑑賞対象。

vlソナタ ト短調《悪魔のトリル》
こちらは先日も話題にした、《悪魔のトリル》、エピソードは有名で、タルティーニが夢で悪魔から伝授された曲を、目覚めてから書きとめようとしたが、夢の何分の一にも至らなかったとのこと、しかし、夢の中から少しばかりは掴んで持ち帰ったようなオカルティックな雰囲気を持っている。第一楽章の重音奏法の突如立ち上がる響きはゾクっとくるし、2声の下の音が不安感を誘う、第二楽章テンポ・ジュスト・デッラ・スクオラ・タルティニスタ、と長ったらしいテンポ指定だが;アレグロのリズムとねばっこい装飾音が、小悪魔がいたずらして廻るような可愛らしい感じで、不思議なもの見たさの人間の本性を楽しませる感覚。第三楽章はアンダンテとアレグロ・アッサイが交互に3度繰り返えされる、このアレグロ・アッサイで弾かれるトリルが副題の由来だそうで、重音奏法で2声を弾きながらトリルが連続する難技巧の曲、難しすぎるから悪魔のトリルなのか?

現在は古楽奏者による凄みを利かせた演奏もあるが、最初に聴くにはこのメルクスの堅実で誇張の過ぎない演奏が、曲を知っておくのに絶好。
奏者は不明だが、古楽奏者によるよい動画がありました、演出たっぷり。
動画サイト: 《悪魔のトリル》 
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