A.マンゼ:タルティーニvlソナタ《悪魔のトリル》ほか 
2014/03/24 Mon. 22:59 [edit]
バロックvlのアンドルー・マンゼによるG.タルティーニの悪魔のトリルは無伴奏で弾いているということで、興味が湧き聴いてみました。たぶんタルティーニの夢に現れた悪魔も一匹で、通奏低音奏者までいなかったと推測すると、こんな響きだったかもしれない^^;もちろん楽譜には低音パートはありますが、vlだけでも聴ける多声書法のようです。
マンゼは無伴奏で弾くことによって自由度を増し、通常は聴けないような装飾、挿入句を駆使して、バッハの無伴奏vlソナタにも引けを取らない内容を聴かせます。英国の奏者は何事も端正というイメージがありましたが、ここまで踏み込んでやるとは驚きです。

harmonia mundi 1997年
第一楽章は幽玄な面持ちで始まる、テンポの伸縮と運弓の細やかな味わい、微かに擦れる弱音から、ゾクっとくる不協和音の鋭い立ち上げ、反復での装飾やパッセージの追加が満載、シチリアーノ風の楽章を怪しの世界を覗く雰囲気で満たす。
第二楽章、軽やかに始め、休符を伸ばし、次に入る間が「まだまだ」と言わんばかり、リピートでの装飾のキレが快調、歌っているというより、表情たっぷりに台詞を語る演奏、後半での同ゼクエンツの繰り返しや半音進行など、悪魔めいたインパクトを存分に弾く。
第三楽章、アンダンテでは、しつこいようなポルタメントを使い、怪しさたっぷり、アレグロに入るにも徐々に加速して自然な繋がり(成り行き)、重音奏法の最中、常にトリルが入るところはやはり圧巻。熱気を込めた終結だが、最後はアルペッジョで洞窟の中のこだまが消え入るように終わる。
二曲目以後、変奏曲やソナタもvl一つで充実の演奏。
マンゼは無伴奏で弾くことによって自由度を増し、通常は聴けないような装飾、挿入句を駆使して、バッハの無伴奏vlソナタにも引けを取らない内容を聴かせます。英国の奏者は何事も端正というイメージがありましたが、ここまで踏み込んでやるとは驚きです。

harmonia mundi 1997年
第一楽章は幽玄な面持ちで始まる、テンポの伸縮と運弓の細やかな味わい、微かに擦れる弱音から、ゾクっとくる不協和音の鋭い立ち上げ、反復での装飾やパッセージの追加が満載、シチリアーノ風の楽章を怪しの世界を覗く雰囲気で満たす。
第二楽章、軽やかに始め、休符を伸ばし、次に入る間が「まだまだ」と言わんばかり、リピートでの装飾のキレが快調、歌っているというより、表情たっぷりに台詞を語る演奏、後半での同ゼクエンツの繰り返しや半音進行など、悪魔めいたインパクトを存分に弾く。
第三楽章、アンダンテでは、しつこいようなポルタメントを使い、怪しさたっぷり、アレグロに入るにも徐々に加速して自然な繋がり(成り行き)、重音奏法の最中、常にトリルが入るところはやはり圧巻。熱気を込めた終結だが、最後はアルペッジョで洞窟の中のこだまが消え入るように終わる。
二曲目以後、変奏曲やソナタもvl一つで充実の演奏。
category: その他・バロック
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