Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

リュセル弦楽四重奏団:J.M.クラウス 弦楽四重奏集  

コンチェルト・ケルンゆかりの古楽奏者達によるクラウス室内楽に親しんだあと、今度はスウェーデンの新鋭四重奏団、リュセルSQによる演奏ですが、MUSICA SVECIEレーベルはさすが、期待を裏切らない、一時代前の演奏とは違い、作品に誠実なもので、クラウスの素の魅力をよく聴かせ、古楽に耳慣れないクラシック・ファン全般にも親しみやすい演奏でしょう。

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さて、興味深いのは彼らも両刀使いなのか、1曲目のNo.5のみ、ピリオド楽器を使っているところです。No.5ハ長調は爽やかな親しみやすい曲、ピリオド奏法とまではいかないが、ヴィヴラートを控え、古楽器の魅力を見事活かしている、第一楽章はわりとはっきりしたソナタ形式、規模はそこそこながら展開部は深みがある、再現部も展開的要素が多く聴かれる、終結はさらりと終わる、第二楽章アダージョも旋律美で彩るが後半は深みへと誘う。終楽章はスケルツォ、軽妙で心地よい楽章。
2曲目、No2変ロ長調からモダン楽器となり、演奏会場も少し広さを感じるが、透明感のある美音は変らず好ましい。No.2はハイドン風な健康美も感じさせる快活な第一楽章、展開部はクラウスらしい凝った魅力も聴かせ、結構たっぷりした構成、再現部以後は簡潔にまとめる。
3曲目、No.4ニ長調は傑作、第一楽章からクラウスならではの流麗な美しさで4パートが綾を成す、特長的なのは1stヴァイオリンとチェロがダブル・コンチェルトのようにしばしばソロを掛け合うところで、リュセルSQは一際魅力的に聴かせる。(クラウスにはこんな感じでvlとvcの協奏交響曲など書いてほしかったと思える;ヴィオラとチェロの二重協奏曲は存在するが、傑作だったかどうか、また聴いてみるとする)第二楽章ラルゲットでも、やはり第一vlとvcのソロを魅力的に聴かせる。圧巻の終楽章、アレグロ・モルト、単独にこの楽章だけ聴いたら、古典派と思えないかもしれない?リズムの切れ味や表現のインパクトの強さは前に聴いたJ.M.クラウスSQシュパンツィヒSQより穏やかな演奏だが、この楽章のクラウスの非凡な発想は十分味わえる。しかしこの飛び抜けた音楽はどこからの影響だろう。
最後のNo.6ト長調はふたたび、親しみやすい、しかもSQの魅力を十分備えた作品、第一楽章提示部から充実した内容、形式上の次のステップへきっぱりと移らず、接続的な部分が魅力、展開部の深い内容も特筆もの、再現部に普通に入るがその後最後まで、展開的内容を聴かせ、さらりと終結する。第二楽章、スコッツェーゼ、バグパイプの音楽も模したものだろう、リュセルSQはその雰囲気を強調して演奏するがこれが圧巻。終楽章、ラルゴとアレグロ・アッサイが続くが二つの楽章に分けて捉えることも出来そう。ラルゴの悲哀と明るさ交互の優美な音楽のあと、畳み込む切れ味のアレグロ・アッサイで圧倒して終わる。
リュセル四重奏団、きっとハイドンの演奏も素晴らしいでしょう。
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