Micha クラシック&リュートの楽しみ

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イ・ムジチ:ヴィヴァルディ「四季」最新盤  

時代は移り変わる、バロック合奏団の老舗イ・ムジチといえど、ただ伝統を守るだけにはいかない、アントニオ・アンセルミがコンマスに就任した後、2012年録音の最新盤を聴いてみました。1995年録音のシルブ盤とはまるで別世界、イ・ムジチがついに大きく舵をきった。

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Epic 2012年

"春"の始まりから高域倍音の強い、切り立ったような響き、ピュアトーンで従来の穏やかな合奏音ではない、これは録音の特性にもよるが、新生イ・ムジチのイメージを表してもいるでしょう。ふくよかなレガートよりも切れ味が目立つ、第二楽章で彼らとしては初めて?装飾音を聴かせる、しかし一流の古楽奏者のそれには及ばない感覚的なものに留まる。"夏"は特に描写性の強い曲で聴きどころだが、アンセルミは思い切り溜めを置き、一気に発散するような鋭さ、これはすでに古楽奏者達がやってきたことで珍しくはないが、一段とテンションは高い、弓を強く素早く擦りつける激しさ、けっして綺麗な音とは言えない、これを聴くと熟年のファン層からは不評の嵐のようで、まあ傍観するのも楽しい^^;適宜ヴィヴラートも使うがソロも合奏もピュアトーン基調のサウンド。もはやロック感覚ともいえるエキサイトぶりは若い世代の求める新流かもしれない。"秋"も快調なテンポとリズム感、やはり、溜めと一気の発散感覚が眠気をさます。和声進行の第二楽章はクールな心地よさ。"冬"も氷の上を滑る描写感覚など特に実感的で面白い。新メンバーには古楽アンサンブルで活躍した人もいるそうで、演奏方針は民主的に決めるイ・ムジチ、各メンバーの経験も反映しているでしょう。最新の演奏の評価には時間を要するでしょうが、ようやく古い殻を打ち破ったイ・ムジチ、今後メンバーが替わっても昔に戻ることはないでしょう。
シルブ盤のほうもちょっと聴いてみた、フィリップスらしい落ち着いたサウンドだが、穏やかすぎてパっとしない、もっと古いLP盤のほうが目の覚めるような明瞭サウンドが聴けるのだが?

i musici01
PHILIPS 1995年

始まりから昔ながらのイ・ムジチ、という印象、もちろんアーヨ、ミケルッチ時代とはだいぶ変容はしているが、従来の伝統が根付いた感覚、私には少々退屈です。
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category: ヴィヴァルディ

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コメント

アーヨ

イ・ムジチの四季ならどうしてもフェリックス・アーヨ盤を思い浮かべてしまいます。
一番最初買ったバロックレコードでしたからね。
スコアが付属していました。

MK #- | URL
2014/05/09 06:30 | edit

こんばんは。

四季も含めて、ヴィヴァルディの演奏は奏者の匙加減が難しいように思います。
昔はイル・ジャルディーノ・アルモニコやエウロパ・ガランテとかの演奏をよく聴いていましたが、今ではもうとても聴けたものではありません。

どうにも、リュートを弾くようになってから、汚い音が耐えられないのです。

私はトリオ・ソナタで素晴らしい演奏をしていた、エンリコ・ガッティの演奏や、
キアラッパ時代のアカデミア・ビザンティナが好みです。

黒羊 #FynsjLCE | URL
2014/05/09 18:36 | edit

MKさん こんばんは

アーヨ盤ならモノラル期のものを以前持っていました、兼価盤でしたが;
スコアはN.マリナー盤にも付いていました、あとレオンハルトのブランデンブルクconも自筆譜のファクシミリが付いていました。初版ならではの充実ぶりですね。

michael #xNtCea2Y | URL
2014/05/09 18:37 | edit

黒羊さん こんばんは

確かにピリオド系にも、聴くに耐えないものがありますね;あくまで音楽的で味わい深い演奏を求めたいです。ヴィヴァルディなど取り上げない奏者もいますが;お馴染み過ぎる曲だけに「四季」はある意味、奏者や団体の音楽性を知る試金石のようでもあります。これから「四季」をいくつかレビューしますが、この点に注目して聴きたいです。

michael #xNtCea2Y | URL
2014/05/09 18:48 | edit

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