Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

C.ホグウッド:ヴィヴァルディ「四季」  

「四季」の続きです。古楽演奏が本格化した80年代、最初に出たメジャー盤が当ホグウッド盤と続くピノック盤でしょう。合奏メンバーにもその後古楽を先導する顔ぶれがあります。ピノック盤でソロを弾くS.スタンデイジやR.グッドマンらがここではバックの合奏で弾いています、春夏秋冬でソリストを交替させるのも録音としては初の試み(ソリストの交替はこれが初めてではなく、N.マリナーの来日公演でも行われた)、各奏者の個性と精魂こめた演奏が聴ける、また通奏低音はホグウッドの鍵盤にリュート界の新鋭N.ノースのバロックギター、アーチluteが加わり、これも初の試み、このへんもホグウッドならではの快挙でしょう。描写音楽という特殊性もあるが、今も昔も美しいヴァイオリン音楽であることが第一でしょう。今聴くと、これが最も信頼して聴ける美しい演奏ではないかと思います。録音はキングス ウェイ ホールの美しい響きと弓の微かに触れる弱音まで明瞭に捉えています。何ら古いと感じるものはない。

ホグウッド四季
クリストファー・ハイロンズ(vl:春)
ジョン・ホロウェイ(vl:夏)
アリソン・バリー(vl:秋)
キャサリン・マッキントッシュ(vl:冬)
エンシェント室内管弦楽団
ナイジェル・ノース(バロックギター,アーチリュート)
クリストファー・ホグウッド(指揮:チェンバロ, オルガン)
録音:1980年 デジタル


、弾むような活気を帯びた始まり、バロックギターのラスゲアートの効果が早くも活きる、ソロvlは4人共通でバロックvlの味わいを聴かせるが、トップのハイロンズがそれを印象づける、緩叙部分での繊細な表情、柔軟なアゴーギグとそれにぴたり呼応する合奏と通奏低音、緩叙楽章の装飾演奏は過度にならず、バロックスタイルらしい洗練されたものを感じる。第三楽章はじつに清々しい。
、いかにも酷暑にうなだれる開始、アーチluteの終止和音の響きが気だるい気分にふさわしい^^;ホロウェイのvlも描写性と美しさを見事に聴かせる、弓使いの味わいが深い、嵐のトゥッティも十分激しさを表現、またソロに寄り添うノースのアーチluteのリアリゼーションがいい。中間楽章でのソロの装飾、これもセンス良い。トゥッティの雷鳴は遠雷だったり近かったり変化をつける、終楽章のダイナミズム、ソロの切れ味ともに痛快。
、後半からのソロは女性陣、明るい第一楽章、バリーのソロは思い切ったアゴーギグを行い、急速に詰めたパッセージを弾くがバック共々決まり痛快、中間楽章は和声進行のみ聴かせる楽章だが味わい深い、古楽器のキメ細かい響きは涼やかで有利、ホグウッドはチェンバロで最小限に和音を散りばめ、じっくり、眠りのシーンだが聴き手は引き付けられる。終楽章の狩の描写も闊達で見事、ここは全員がソリスト状態でしょう。
、第一楽章は快速でインテンポ、マッキントッシュのクールなソロもキリっと凍てつくような感覚、楽章が氷の結晶のようだ、一方第二楽章は暖かい部屋、緊張がほぐれ、ほんのりとした美音で奏でる、装飾は控え目だが気品よい、長いトリルを徐々に遅めぴたりと終止に合わせる。終楽章、氷の上で思い通りに動けない様をリアルに描写、最後の嵐はぐっと急速に緊迫感をもって閉じる。

もう30年以上経つこの段階でホグウッドやピノックが完成度の高い録音を残し、続く古楽奏者達が、どのようなアプローチを見せて行くか、たどってみるのも楽しみです。
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category: ヴィヴァルディ

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コメント

こんばんは。

ピノックやクイケンの四季も完成度が高いですね。
今はやりの過激な演奏ではありませんが、有名なイタリア古楽勢の演奏よりも完成度が高いです。

こういう丁寧な演奏は最近減ってしまい、とても残念です。

黒羊 #FynsjLCE | URL
2014/05/12 00:58 | edit

オランダ近辺や英国勢は早くから古楽器本来の美しさと音楽性で聴かせていましたね、イタリア古楽勢はやや出遅れた感もあり、ちょっと表現過剰で気品に欠ける演奏もありますね、イル・ジャルディーノ・アルモニコなど私もいただけません;最近ではアカデミア・ビザンチナは好きですけど。多国籍のムジカ・アムフォンも自然なアプローチの時代に戻してさらに洗練したようでいいですね。

michael #xNtCea2Y | URL
2014/05/12 13:04 | edit

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