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年周視差と距離梯子  

宇宙の距離梯子は先へ行くほど長く繋いだ釣り竿のように頼りない気がしますが、少なくとも最初の土台の年周視差測定は正確にしたいものです。
日常の器具であるマイクロメータは微小の寸法を測るために、ネジの回転数を利用して、人間の目で見やすい目盛に拡大するといった工夫ですが、天体の年周視差の角度を測るというのも普通の分度器じゃ無理でマイクロメータに似た手法の角度測定器が使われたと聞きました。

宇宙の距離を測るというのはとてつもないことで、一般人が夜空の星を見ても、遠すぎてわからないと諦めるのが普通でしょう、しかし紀元前には月までの距離をほぼ正確に測っていたとか。月は観測場所が遠く離れると見える方向がわずかに違うことを発見したからです。一方でアンドロメダ銀河が銀河系の外にあると確認できたのは20世紀に入ってから、というのにも驚く、遠くなるほど難しいんですね。月っていうと、どうにか手の届きそうな感じですが、アンドロメダなんて皆目、見当つきそうにないかな;
紀元前の学者が発見した、地上で行う三角測量と同じ方法の年周視差という天体までの距離の測定法が一番確実で、宇宙の測り方としては巻尺を伸ばして直接測ったに近い信頼度でしょう。地球が公転する直径の距離を三角形の底辺として半年後に見える天体の角度の差で計算するわけですが、地球の公転直径は約3億km、光でたかだか17分弱の距離、一方太陽系に最も近い恒星でも4.3光年、17分と4.3年じゃえらい違いですが、めげずに精密な測定器をもって測るしかない。このように得られた測定結果が宇宙の距離を測る土台となります。次の段階ではセファイド変光星が使われる、アメリカの天文台で観測写真の解析を務めていた女性が変光の周期と星の実際の大きさ(明るさ)には比例関係があることを発見、よって変光周期と見かけの明るさから距離が割り出せる、あとはこのセファイド変光星が年周視差の測定範囲に見つかれば梯子が繋がる、お馴染みの北極星もセファイド変光星なのですが、従来の年周視差測定では遠すぎて正確なところがわからなかったようです。
E.ハッブルがアンドロメダ銀河内にセファイド変光星を発見し、辛うじて、銀河系の外にあることがわかった、しかし誤差は大きかった、まだ距離梯子の土台が曖昧だったせいでしょう。でも一応、銀河系の外まで梯子は伸ばした。さらに遠い銀河の距離となると、今度は1a型超新星が使われる、超新星は極めて明るいので遥か遠くても観測できる、しかも1a型の爆発の規模はほぼ同じで、見かけの明るさで距離がわかるというもの、同じ銀河内にセファイド変光星と1a型超新星が見つかれば、ここで梯子が繋がる、というわけで、セファイドと1a型がどの程度信頼できるかはわからないが、宇宙の距離が皆目見当が付かない状況からは脱したでしょう。

gaia01.jpg
観測衛星ガイア

2013年12月に打ち上げられた観測衛星ガイアはほぼ銀河系中心までの距離を年周視差で正確に測定できる最高の観測機だそうですが、宇宙に浮かぶ超精密マイクロメータでしょう。これで、距離梯子の土台が正確になり、さらに第二段階のセファイド変光星の信頼度もわかってきて?宇宙のスケールが正しく修正されるかもしれません。銀河系円盤の直径は約10万光年とされていますが、ガイアは銀河系の半径くらいまで測定できるので、かなり正確にわかってくるでしょう。

天体の光は遠くなるほど、膨張しつつある宇宙を旅してきた過去の光なので、今現在、その天体はどこにいるのか逆算する必要がありますね。はたして可視宇宙の大きさは何億(何兆)光年になるのか。
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category: 科学・自然・雑学

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