Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

A.フィッシャー:ハイドン交響曲第76、77、78番  

BOXセットはいくつか揃えながら、まだ部分的にしか聴いていません、聴き終える前に次のBOXセットが溜る一方・・;久しぶりにA.フィッシャーのハイドン交響曲全集から第76~78番を聴きます。ホグウッドの全集録音計画が第75番で終わっていて、第76~81番あたりは単独の録音も少ないところなのでフィッシャー盤などは貴重です、幸い演奏も快調な頃です。

fis hay 76 77 78

アダム・フィッシャー指揮、オーストリア・ハンガリー・ハイドンO
1998年録音


これらが書かれた1782年、実現はしなかったが、ハイドンはロンドンに招かれる予定だった、これら3曲はそのために準備され「イギリス交響曲」と呼ばれるそうで、エステルハーザの特定された聴き手の為の作品とは一味違い、一般に親しまれやすいことが考慮された作品。フリーランスで人気の高かったJ.B.ヴァンハルの交響曲をふと連想する趣きもある。しかしハイドンらしい聴かせどころもちゃんと備わっている。各曲、20分程度で長大にしない収め方。パリ交響曲を書く前段階の作品としても興味深い。

第76番 変ホ長調
第一楽章、主題の流麗な旋律や快調に流れる感覚は楽しく、所々切れ味を付けながら聴き手を引き付ける、展開部は調を変え、さほど深い内容にならないが再現部と一体で聴きどころを作っていく、あっさり終結するのでこの楽章は後半も反復が良いと思う。
第二楽章、オペラの幸福な場面のような美しいテーマによる変奏、vlソロがしなやかな変奏を弾いた後、総奏による短調の切迫感に満ちた変奏がバロック風でもあり印象強い、再びvlのソロがリードしてカデンツァを聴かせて終わる。
メヌエット、楽しく華やかな主題、まさに親しみやすい、トリオも同様だが、ハイドンらしい特質を聴きたい向きには普通すぎるかも。
終楽章、典型的なロンド楽章、第一vlとフルートがダブった響きでテーマを開始、対位法的な聴きどころも設けるがさほど大がかりな楽章にはせず、すっきりと最後を閉じる。曲が長くならない設定のようだ。
参考:Joseph Haydn - Symphony No. 76 in E flat major, Hoboken I/76

第77番 変ロ長調
第一楽章、この楽章もすんなりと聴きやすい、第一、第二主題ともやや温和すぎる感じでもあるが、こういう曲もあっていいでしょう。しかし展開部はさすが、転調や対位法的な充実感を聴かせる。再現部もさほど凝らず、すっきりまとめて終わる。
第二楽章、情感豊かな美しい主題で開始、各パートを絡ませた複雑な変奏も聴かせ、短いながら聴き応えのある楽章。
メヌエット、主題は愛らしものだが、リズムの取り方が特長的で面白い、トリオは簡潔で短く終わる。
終楽章、ごく馴染み感のあるロンド主題で始まり、力強い推進力も聴かせる、全体はソナタ形式で展開部はフガートの手法でぐっと引き込む、再現部のあとさらりと終わるので、反復があって良さそう。
参考:Joseph Haydn - Symphony No. 77 in B flat major, Hoboken I/77

第78番 ハ短調
疾風怒涛期の短調作品とも、後期の少ない短調作品とも違った味わいを感じる、第一楽章の開始は52番にちょっと似るが、短調で始まるメロディックな主題はヴァンハルを連想する。しかし第一楽章は流麗さと切れ味、ダイナミズムが心地よく申し分ない魅力、展開部は期待に十分答え、凄味さえあって素晴らしい。
第二楽章、ソナタ形式のようで、第一楽章の熱気を冷ますような穏やかさで始まる、しかしすぐに総奏による小刻みな音形でシンフォニックな楽しみも聴かせる。
メヌエット、ハ長調でこれもごく親しみやすい主題、トリオはobとvlがダブり清涼な音色を聴かせる。
終楽章、ハ短調に戻り、弦がロンド主題を始めるが間奏ではobやflが明るいテーマを奏で、展開部でひとしきり聴きどころを置き、簡潔に終わる。
4つの楽章合わせた充実度ではやや物足りないかもしれないが、この曲の演奏される機会が少ないとしたらもったいないことだ。
参考:Joseph Haydn - Symphony No. 78 in C minor, Hoboken I/78
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category: F.J.ハイドン

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