Micha クラシック&リュートの楽しみ

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C.デイヴィス:ハイドン交響曲第98、99番(新盤)  

7/19レビューの続きです、コリン・デイヴィス晩年の録音で今日はCD2の交響曲第98、99番。
92番以外はあえてニックネーム付きの有名曲を避けたような選曲ですが、C.デイヴィスなればこそ聴いてみたくなるというもの。

davis hay

ハイドンがロンドンで98番を書く頃、モーツァルトの死の知らせがあったというタイミングだそうで、ハイドンが親交を深めた天才への思いが98番には繁栄している、と全ては推測ですがいろんな話を聞きます。第二楽章の楽想や終楽章の造りなど、通常の作品とは異なった特別なものはあるようです。
第一楽章は憂いの変ロ短調で始まり、この主題が長調と変りそのまま主部の第一主題となって活気を帯びる、展開部が対位法でかなり入念に書かれているのが特徴、デイヴィスは手堅く造形美を打ち立てる。第二楽章は聴きどころ、静寂さと悲しみを描き、モーツァルト「ジュピター」の第二楽章にも近い雰囲気、デイヴィスは過度な表情は押さえ、素の美しさを満喫させる。対照的に活気を帯びたメヌエットがきて、終楽章はvlや最後にチェンバロのソロが入る、これはコンマスのザロモンと指揮のハイドンが弾いたとみるのが自然でしょう、チェンバロがちょっと聴かせるだけなのも、ハイドンの控えめな姿勢を思わせる。ただいつものロンド・ソナタ形式の終楽章のように引き付ける内容ではない。
続いて99番、過去のRCOとのフィリップス盤も素晴らしかったが、このLSOとの録音はさらに満足。99番は2回目のロンドン旅行の前、ウィーンで書かれたもの、充実しているので、魅力を漏らさずに演奏してほしいと願うだけだが、デイヴィスはさすがに一滴も漏らさない。
第一楽章の爽やかで快調な横の線と構造美の縦の線がかっちり組み合ったような演奏、珍しい要素は何もないが極めて彫が深い。第二楽章は珍しくソナタ形式、木管群が奏でるハーモニーのところが極めて魅力、デイヴィスはここでレガートな表現をとるが、入念なデュナーミクを味あわせる、ヴィヴラート控え目の奏法が透明度を増し、過去のRCOの演奏より一歩踏み出す。メヌエットの簡潔な主題は回りくどい主題よりはるかに良く、心地よい、お気に入りのメヌエットの一つ。終楽章はハイドンの手腕を満喫できる見事なもの、落ち着いたテンポでくまなく聴かせる。

以上デイヴィスの新録音2枚を聴いて、どれも流石と言うほかないが、特に印象深いのは93番の充実感でした。92番、99番も手持ちの音盤の中ではベストに位置します。
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category: F.J.ハイドン

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