Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

R.グッドマン:ハイドン交響曲第90、91、92番  

ロイ・グッドマンのハイドン交響曲90番については過去に少し触れたことがありますが、この盤も全部じっくり聴いていませんでした。新盤ばかり気にしていて、久しぶりに当盤を聴くと思いのほか素晴らしく、録音も克明で好ましいのに気付きます。弦はまさに古楽器らしく厚みはないが清涼でくっきり、木管やホルンの響きが美しく、聴き入ってしまう。

goodman haydn sym 90 91 92a
ロイ・グッドマン指揮、ハノーヴァー・バンド

90番
グッドマンはtpとtimpの入らない版で演奏している。序奏の弦楽の弱奏が透明でしなやか、気体のように清々しい響き、主部は非常に爽やか、快活に進めながら弦のレガートな表現も使い、一つのフレーズが美しく整う、fl.トラベルソのスーっと安定的な響きが涼しげ、ホルンはポストホルンに相当する高域の演奏が上手く、このtpなしの版ならではの魅力を聴かせる。このホルンの魅力はメヌエットと終楽章でも存分に味わえる。

91番
この曲はちょっと地味な存在と錯覚していたが、ハイドンのこの時期らしい傑作、グッドマンの爽やかな演奏でじっくり聴いた。均整がとれ、なかなか旋律美の曲でもある。
第一楽章、主部の第一主題は始め滑らかに歌い、続く活気の対比が一段と良い(モーツァルトで言えば39番の主題みたいな)、第二主題も優美である、演奏は各パートの仕組みを良く聴かせてくる、展開部もよく練られて聴き応えあり、グッドマンはかっちりした骨格感にレガートな美しさを絡めてまとめる。
第二楽章、スッキリと親しみやすいテーマによる変奏、vlが美しく変奏で助奏していき、ファゴットやフルートがテーマを演奏、さほど灰汁の強さのない良くできた楽章。
メヌエット、テーマはわりとメロディック、典雅な感覚にリズム的鋭さも持たせた魅力、トリオはレントラー風、テーマにフルートの美しい助奏が付く。
終楽章、始まりは90番に似た感じだが、畳み込むようながっちり感で引き付ける、展開部も期待に応えるかのような内容、流麗な推移もよい。グッドマンは後半も反復する。

92番「オックスフォード」
C.デイヴィスの名演を聴いたところだが、なんだが聴き慣れたようにグッドマンも素晴らしい。
第一楽章、序奏はぐっと弱奏で開始、デリケートに味わいをつける、主部は快速だが、それがツボを突いたように心地よい、スピードの中に緻密なコントロールが成され自然に感じてくる。トゥッティのガツンとくる力感も痛快。
譜例は展開部の終わりの部分(弦パートのみ)、バス部が117小節から整然とした8分音符になり、転調しながらvl部が小刻みな16分音符の快活さで満たしていく、ここは引き込まれる。
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第二楽章、美しいテーマだが、あまり情感たっぷりに演奏するとクドくて嫌気がさす、バーンスタインなどちょっと鼻につくが、C.デイヴィスはスッキリ、心得ていた、グッドマンも涼やかで良い、短調部分の思い切った鋭さがまた良い。
メヌエット、速めで大きくリズムを捉え、切れ味と力感も十分加えた演奏は申し分なし。トリオでのホルンがナチュラルホルンらしく朗々と輝く。
終楽章はちょうどよい快速、ぐっと弱音でテーマを開始、緻密な表現を繰り広げ、トゥッティの強奏の鋭さで圧倒する。
鋭いが聴き辛さのない古楽オケのサウンドを活かした最高の「オックスフォード」かも。
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category: F.J.ハイドン

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コメント

譜例の数字と番号について

譜例の下のほうにある、赤い数字とシャープの記号について。何を意味しているのでしょうか。教えてください。

tenkichi995 #- | URL
2017/07/21 17:24 | edit

tenkichiさん こんばんは

数字はバロック作品によく書かれる、通奏低音で和音楽器が加わるときの和音記号
になります。(一部記入誤りがあったので差し替えました^^;)
バス音の上に何度の音が乗るかを表します、書き方の決まり事で、数字を省略する
部分もあります。

michael #xNtCea2Y | URL
2017/07/21 20:27 | edit

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