Micha クラシック&リュートの楽しみ

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R.グッドマン:ハイドン 交響曲第76、77、78番  

1770年代後半、エステルハーザではオペラの上演が主流となり、その間は交響曲不毛の時期でもあり、ハイドンは他曲からの転用などあり合わせの曲くらいしか書いていない、それに比べ交響曲76~78番はフィッシャー盤でも書いたように、パリ・セットを書く前の力量でハイドンが英国の不特定の聴衆を意識した意欲作で、あまり録音数がないだけにR.グッドマンの演奏も貴重。グッドマンはハイドンの交響曲を初期から最後まで適度に抜粋して録音しているが、76~78番を外さないところ、さすがと思える。古楽器オケの引き締まった演奏でいやが上にもこれらの魅力が際立ってくる。オケのバランスも絶妙、木管の味わいも良い。

hay sym 76 77 78

76番、第一楽章、快活で切れ味のある第一主題と大らかな第二主題の交錯、提示部だけで魅力、短調の第一主題で展開部が始まり、やや瞑想する感覚、再現部もまだ展開部の内のように濃密に味わいを置く。
第二楽章はやはり親しみやすいテーマ、柔和な美しさの変奏の中に、突然短調で32分音符を力強く打つ変奏が登場して驚く、まさに意欲作の象徴、グッドマンはここの響きをハイドンが目論んだとおりに表現しているようだ。
メヌエットは軽やかで愛嬌のあるテーマ、トリオではフルートとホルンを重ねるなど、新しい響きを聴かせる、この曲では管楽器のミックスも特長で新感覚。
終楽章、弦とフルートが装飾的動きまでぴたり重なりロンド主題を始める、これは古楽器の弦とflトラヴェルソで出る味わい。フェルマータ付きの全休符が置かれたり表情たっぷりの楽章。

77番、ホルンの和音を伴った明るい第一主題、清らかな第二主題が提示部を構成、展開部は転調で始め、フガートの手法で聴かせるが、118小節あたりから95番の終楽章に似た部分がある、
hay sym 77
再現部も工夫が散りばめられる。
第二楽章、じーんとくるような良いテーマ、それが月並みじゃない変奏で木管やホルンの聴きどころも作りながら、、これは宝石のような変奏曲。
メヌエット、簡潔、活発なテーマ、ホルンの響きを効かせる、第二楽章の気分のあとに良い配置である。
終楽章、ハイドンらしさいっぱいの嬉しくなるようなロンド主題、提示のあと、さっそく凄味さえある対位法的な充実感を聴かせる、ふたたび出てくるロンド主題が飽きない魅力、もっと凄いのが目まぐるしい展開部、密度の高い音楽だ。最後までくまなく味わいを置く、グッドマンの切れ味とともに音符の全てを聴かせる緻密さで満足。

78番、第一楽章、短調のかっちり切れのある動機にメロディックな部分が続く第一主題、始まりからカノンの書法が入る、ハイドンの他の時期の短調交響曲とは一味違う気がする。グッドマンの切れ込み、力感が冴える展開部の対位法の充実感は半端じゃない、二つばかり大波が押し寄せ、短い中に凄さが詰まっている。これはロンドン・セットでも聴けないような素晴らしさ。
第二楽章、アダージョ、表情豊かな主題、弦も管も16分音符を刻むのが特長。
メヌエット、これもすっきりとしたテーマで良い、まわりくどいテーマではすぐ飽きてしまうのが不思議だ。
終楽章、短調に戻り、いかにもロンド主題的な軽快さで開始、obとflの軽妙な間奏が良い、溜めを置き、堰を切ったように展開部に突入、簡潔に切り上げて終わる。
ハノーヴァー・バンドの弦と木管のぴたり息の合った演奏も聴きどころ。
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category: F.J.ハイドン

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