Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

N.マギーガン:J.M.クラウス 交響曲集&ヴァイオリン協奏曲  

久しぶりのヨゼフ・マルティン・クラウスの新盤、冴え渡った名演が聴けます。
演奏者について詳しくはわかりませんが東欧の優れた団体のようです。レーベルはHUNGAROTON、ケース・デザインのセンスの良さも期待してしまう。扱っているのはTOWER RECORDSだけのようで他からは手に入りません、入荷まで1カ月かかりました。特に交響曲 嬰ハ短調 VB140の録音はスンドクヴィストとエールハルト以来なのでうれしい。録音も最上と言えます。

j m kraus sym con
j m kraus sym con2
ヨゼフ・マルティン・クラウス
・交響曲 ハ長調 VB138
・ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 VB151
・交響曲 嬰ハ短調 VB140
ジョルト・カッロー:vl
ニコラス・マギーガン:指揮
カペラ・サヴァリア(オリジナル楽器)
2013年9月21-23日
バルトーク・コンサート・ホール、ソンバトヘイ、ハンガリー


一曲目に爽やかな交響曲 ハ長調 VB138を置き、二曲目がヴァイオリン協奏曲 ハ長調 VB151、これ以前に2例しか知らなかったが当演奏は最高。作品としては古典派協奏曲の典型的様式で、立派なもの、ベートーヴェンのvl協奏曲に通じるようなじっくり味わえるもの、あとは演奏しだいとなる、Z.カッローのvlは綻び一つない端正な美しさ、第一楽章は適度に快活感のあるテンポを取り、カペラ・サヴァリアのバックが曲の表情と様式感をしっかり支える。表情的な第二主題が印象的で、展開部では短調に転じ、vlが重音奏法で感傷的な部分が魅力。第二楽章はぐっと静けさの中に引き込み、あまり甘ったるくないのがクラウスの良さ。終楽章はテクニカルな楽しみも聴かせる、主題はゆったりとしたものだが、ソロvlの切れ味のあるパッセージが痛快、それに伴いバックも少々白熱する、ソロvlのみが終結音を弾いて終わるのも洒落ている。

最期は交響曲 嬰ハ短調 VB140、この曲を改作したハ短調 VB142のほうが演奏されることが多いが、私は原曲のVB140が気に入っている。第一楽章の対位法的な序奏が冷涼に張りつめたようでまず素晴らしい、主部の動機が鋭い弦のトレモロで始まるというのも斬新で、いきなり緊迫して入る、ハイドンもベートーヴェンもこんな開始は書いていない、マギーガンはここをくっきりと切って一段と緊張感をつける、言いかえればごく自然な表現。バス旋律に力があり同様に切迫感で押してくる、この提示部に対し、展開部は第二主題の穏やかさで包み、終り部分でようやく盛り上がる、心理的に上手い構成。第二楽章は涼やか、あまり表情的な旋律を使わず対位法的に聴かせ、味わい深い。極めてあっさりした短いメヌエットはどこまで簡潔に書けるか挑戦したかのような曲、ぷっつり終り、終楽章へ入る、マギーガンは第一楽章同様、きりっと引き締め申し分ない、怒涛の楽章だが切れ味の中にほんのりと響くflトラヴェルソの安らぎがまたいい。
期待に十分応えてくれた一枚である。
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category: J.M.クラウス

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コメント

こ、こんな録音が最近出ていたとは

PCも無事戻ってこられたようでなによりです!

この記事呼んで自分も慌ててポチってきました。
マッキガン&カペラ・サヴァリアの組み合わせはかなり昔にヴィヴァルディやヘンデルの作品を録音してましたが、最近になってメンデルスゾーンの録音を出したりと活発みたいですね。
そろそろ本家スウェーデンの団体にも本気を出してもらいたいものです。
BISレーベルにドロットニングホルム・アンサンブルあたりが録音してくれると嬉しいんですが・・・。

クラウスといえば最近発売された「The Musical Life of Joseph Martin Kraus: Letters of an Eighteenth-century Swedish Composer」という本を購入してみました。
まとまった内容の新書が出てくれるのは有難いです。
邦訳本も出無さそうですし、しばらくは拙い語学力でガリガリ読もうかと思ってます。

bux #OARS9n6I | URL
2014/10/05 22:05 | edit

buxさん こんばんは

>ドロットニングホルム・アンサンブルあたりが録音してくれると

ほんとうに、本腰入れてやってくれると、素晴らしいこと間違いないでしょうね。少しずつでもよいから優れた演奏が出てほしいです。
クラウスについての詳しい資料は本当に欲しいです。

michael #xNtCea2Y | URL
2014/10/06 00:57 | edit

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