Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

T.ファイ:ハイドン 交響曲第98、103番  

久々に第22集の出たトーマス・ファイのハイドンです、今回は98番と103番「太鼓連打」。
103番は古くから多くの録音があるだけに、いかにトップクラスの演奏をするか、ファンの期待に応えるためヘッドフォンを掛け頭を抱えている様子にも見えます?録音はいつもながら詳細、コントラバスの余韻が唸るように深々と響きます、大ホールの後ろの席じゃ聴けないサウンドでしょう。

T Fey hay98 103
トーマス・ファイ:指揮
ハイデルベルクSO
2013年9-10月録音


98番 変ロ長調
深淵とした序奏、ファイは休符を思いっきり引きのばして溜める、主部の明るさと快活さが引き立つ、提示部は鋭く痛快で押しては引く力感で圧倒、同じ変ロ長調の102番にも似た感覚で展開部は各パートが関係を持ちながらそれぞれの系で動く分離感も持ち、彫が深い。第二楽章は感傷的にならず、しかし涼やかなレガートで耳を満足させる。中間部の短調はぐっと力強く引き込み、その後の再現部をひそやかに始める対比がいい。メヌエットは速いテンポでサクサクと切れ味よく、金管とtimpの賑やかさが効く。終楽章、従来の演奏ではゆるめのテンポでいかにもザロモンとハイドンがソロを弾く余興的な雰囲気だったが、ファイは速めできりっと引き締め、つまらない楽章にしない。

103番変ホ長調「太鼓連打」
さて、期待の「太鼓連打」、入りのtimpソロは意外に簡潔におさめる、軍師ファイの最終的作戦なのでしょう。低音で始まる序奏も正攻法、期待するのは主部に入ってからです、期待どおり溌剌とした楽しさ、総奏は武骨なほど鋭く聴かせ切れが良い、展開部の弱奏の緻密な美しさ、アーノンクール風のレガート奏法も上手く使う。終結前のtimpソロも特に凝ったことはしない。第二楽章、快調にリズムを感じるテンポ、弦楽の緻密な表現を味あわせる、vlのソロは十分美しいが装飾は行わない、これも作戦か、短調の強奏は鋭い。メヌエットはおっとりとした始まりながら短調に入ると深刻な面持ち、このわざとらしいほどの対比もユーモアに感じる、ゆっくりめのテンポでそこはじっくり聴かせる。ファイはメヌエット楽章の最後で初めて奇襲に出る、忘れた頃にやるのが有効(笑)、ハイドンの狙いを真に汲み取っていると言えよう。終楽章、快速で師匠アーノンクール譲りのレガート奏法で心地よく通し、痛快な強奏が隣り合わせに響く、これは何度も聴きたくなる快演。あらためて良く練られた演奏だと思った。
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category: F.J.ハイドン

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