Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

ラルキブデッリ:ハイドン弦楽四重奏曲No.81,82  

中古盤セールではLP盤探しがメインでしたが、このところCDもまめに探します。出ていたのも知らなかった掘り出し物があったりします。出品の多い外販セールで目ぼしいものがなかったり、通常の営業日に以前から欲しかったものが複数見つかったり、わからないもんです;
これもその1枚、今日はハイドンの最後の弦楽四重奏No.81~83を集めた一枚、演奏がラルキブデッリ、古楽の錚々たるメンバーによるSQです。SONYらしく古楽器の透明感のある美しいサウンドが味わえる。端正なクイケンSQに対し、こちらはスリリングな魅力も聴かせる。

ラルキブデッリ
ヴェラ・ベス:vlⅠ
ルシー・ファン・ダール:vlⅡ
ユルゲン・クスマウル:va
アンナー・ビルスマ:vc
1996年録音

hay sq 81 82

作品はハイドン最後のSQでロプコヴィッツ四重奏曲として6曲セットで書かれる予定が高齢と持病のため衰えたハイドンは2曲を完成し、3曲目の一部を書いて絶筆となった。これほどの曲を6曲も書くとなるとさぞ大変だろうと思わせる作品、2曲だけでも完成させてくれて幸いだったと言えるでしょう。ハイドンは従来の作品と変らず演奏時間は長くしない範囲で圧縮した内容に仕上げている。この時期、ベートーヴェンも同時に依頼を受けた"ロプコヴィッツ四重奏曲"を6曲書いていて、効き比べるのも興味深い。

81番から個性あふれる開始、楽しくリズミカルな主題の第一楽章、1st:vlが主導して小刻みな旋律を奏で他のパートにも緻密に組み込まれる、展開部の内容の深さは文句なし。
第二楽章、ユニゾンで開始して引き付ける、三部形式はじつに楽想豊かで半音進行も使われる、1st:vlの装飾的変奏も魅力。
メヌエットは従来の作品とは明らかに違う斬新なもの、後輩ベートーヴェンの影響もあるでしょう、スケルツォに近いがハイドンらしい味わいもある、しかしvcとvaの鋭いトレモロで始まるトリオはスケルツォそのもの。
圧巻は終楽章、ハイドン最高の終楽章とも言えそう、ラルキブデッリはプレストらしい快速で緻密な内容をもつ楽章をさらに圧縮した充実感で聴かせる。ビルスマのvcが交響曲の強奏部を思わせる圧力で迫る、まさに4人が一瞬の隙もなく一体、室内アンサンブルの醍醐味を聴かせる。

82番「雲が行くまで待とう」、第一楽章はもはや、あれこれ書ききれないほどの内容の高さ、ラルキブデッリは響きの清涼さと彫の深さを両立、フレーズの終わりを繊細な弱音で治める、シンフォニックなダイナミズム、展開部の深さも極めつけ。
第二楽章がメヌエットだが、これはもう実質スケルツォ、この斬新さは決して古臭い作曲家にならず、老いてなお前進するハイドンらしい。トリオは穏やかで対比を付ける、メヌエット再現に入るところも凝っている。
第三楽章がアンダンテの変奏曲、4つのパートが絶妙に紡ぎ合うポリフォニックな要素をもった変奏が魅力。
終楽章、これまた見事な楽章、総奏音を鳴らしたあと、軽快なテーマに入る、民族音楽的なリズムの魅力を下地に楽しい外殻と緻密な内部構造をもつ、81番と同じく素晴らしい終曲、聴き手も演奏者も大いに満足の作品であろう。1st:vlが最高音域の美音を聴かせて終わる。
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category: F.J.ハイドン

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