Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

N.マリナー:ハイドン交響曲「軍隊」&「太鼓連打」  

知らないレーベルのLPを買ってきたりすると、あまりにバランスの悪いお粗末な音にがっかりすることがありますが、PHILIPSはさすが、安心のブランドと言えます。特にハイドン・シンフォニーには名録音が多い。今日はじつに聴き甲斐のある1枚。
ハイドン・シンフォニーの本当の美味さを最初に聴かせてくれたのがN.マリナー&アカデミー室内Oでした。それまでは大編成のゴツゴツした演奏しか聴けなかった。CD化されなかったせいか随分ご無沙汰で聴きます。しかし下手にCD化されるより、こうしてLPで聴くのが良いです、色彩感のある音質、各パートが明瞭に聴こえる情報量、終楽章までクリアに聴くにはラインコンタクト針が望ましいですね。

n m hay sym100 103

100番「軍隊」
序奏、主部ともにごく標準的なテンポ、特に変った感覚はないが、聴き手を集中させる中身は見事、全ての音符に責任をもって表現しているような緻密さで主部は活き活きとする、甘美に飾ることなく引き締まる、引きずらず瞬発的に力感を込める、1st,vlと2nd,vlの掛け合い、高域と低域の対峙が対等で明確、ごく当たり前と言える要素がきちんと聴ける。第二楽章も飾らず端正、信号ラッパも丁寧、シンバルや太鼓が鳴っても粗野な表現をしない。メヌエットが実に心地よい、このような演奏は今でもそう多くは聴けない。終楽章、あまり速くせず、小刻みな主題を丁寧に、一音ずつに適度な量感を持たせるのが効果的であるのがわかる、この粒立ちが鳴りものが入る終結に向けてじりじり引き付けて行く。全楽章tpの響きが明るいのも良い。

103番「太鼓連打」
timp連打に強弱を付けず、間を置かず序奏に入る、このすんなりさは他に例を見ない、低音が主題を奏でたあと、vl群の弾く主題がじつに清涼。主部は「軍隊」同様、心地よい活気、舞曲風の第一主題のリズム、第二主題も同じリズムに乗る、余分な重量感が抜け、ツボで力感を入れる、聴きどころのパート音をくっきり前に出す、こういう短時間内での緻密な技は他に聴けなかったように思う。第二楽章、短調で始まるテーマはいかにも変奏の素材のような簡潔さで、長調の第二のテーマを挟んで見事な変奏楽章となる。マリナーはゆっくりめで壮大に聴かせる。メヌエットも期待通り快調、短調部分もあまり大袈裟にしないのが良い。終楽章はやはり急ぎ過ぎず、様式感を大事にする、アカデミー室内Oは名手揃いだが、弦、木管、金管が均質に整って初めて聴ける美質で固める。
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category: F.J.ハイドン

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