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シュパンツィヒSQ:ハイドン 弦楽四重奏曲集 vol.1  

シュパンツィヒ・クヮルテットは以前レビューしたJ.M.クラウスの室内楽で非常に優れた演奏を聴かせていて、ハイドンの弦楽四重奏曲もぜひ聴きたいと期待していた。3枚のアルバムを出して一応完結しているがハイドン疾風怒涛期から後期までの選りすぐりの作品を取り上げている。古楽のクヮルテットといえば兎角、表現が鋭いと言われるが、シュパンツィヒSQはあくまで流線美のフレーズの中に音楽的切れ味を入れ子に収めている。コダーイSQの全集をオーソドックスな基準とすると速めのテンポだが、少しも速いと思わせず、ハイドンにふさわしい活気と清涼さを備えている。

hay sq no 1 schp
Schppanzigh Quartet
Anton Stezk :vl
Franc Polman :vl
Christian Goosses :va
Antje Geusen :vc
2007年録音 ACCENT


第24番ニ長調op.9-6
交響曲でいえば40番代、疾風怒涛期の作品、第三楽章以外は短く小じんまりとしているが、凝縮された魅力。
第一楽章は弾むような主題で4つのパートが小気味よく絡み、1st vlのパッセージが煌めくようだ。展開部、再現部とも定型どおり、小ざっぱりと閉じる。
メヌエット、小味の効いた洒落た主題、トリオは短調でリズムを強調せず、ゆるやか。
第三楽章、アダージョ、これがメインの楽章か、疾風怒涛期の交響曲の緩抒楽章に聴かれる静寂の世界と同系だろう、1st vlが最高域を聴かせる、シュパンツィヒSQはさすが美しくまとめる。
終楽章、スピード感あるパッセージの主題で各パートが切れ味を聴かせ痛快であるが、あまりに短いのが惜しい。

第72番ハ長調op.74-1
交響曲でいえばロンドン・セット時代、充実しきった堂々たる作品。
第一楽章、アレグロ、動機はフーガ主題に向いたもので、部分的にそのような扱いもある、4つのパートが深く緊密に織りなす書法はじつに見事で快速なテンポの中に充実感が圧縮される。シュパンツィヒSQの押しては引く対比の付け方も深い。
第二楽章、アンダンティーノ、三部形式、穏やかながら、各パートが音を順に重ねていくところが美しい、1st vlが装飾を聴かせる。
メヌエット、変化豊かで味わい深いメヌエットはこの時期らしい、トリオもあまり雰囲気を変えず落ち着いている。
終楽章、ヴィヴァーチェ、アウフタクトで始まるロンド主題はいつものハイドンらしいもの、しかし繰り返しをスタッカートにする工夫あり、急速な中に全パートがポリフォニックにパッセージを重ねるのが圧巻、低音がドローンを奏でる部分も変化を与えて面白い、展開部も一瞬の休みなく充実感渦巻く、シュパンツィヒSQの達演で曲の魅力は1.5倍は高まっていそうだ。

第49番ニ長調op.50-6「蛙」
交響曲でいえばパリ・セットを書き終えたあたり。
第一楽章、アレグロ、第一主題はボッケリーニにありそうなシンコペーションを含む流麗な感覚、パート間の快活なやり取りもじつにいい、展開部での1st vlと2nd vlの二度音程のぶつかりが印象的、シンコペーションを伴奏にvcがパッセージを弾くのも聴きどころ、展開部も非常に引き付ける魅力、流麗快活の楽章。
第二楽章、ポコ・アダージョ、簡潔なソナタ形式のようだ、テーマの上にパッセージが飾る、vcの低音のパッセージが彫の深さを与える。
メヌエット、アレグレット、付点リズムの簡潔できりっとした主題が良い、トリオは弱音で清涼に聴かせる。
終楽章、同音異弦の動機の響きが蛙を連想させるが「蛙」云々は重要でなく、やはり楽章の密度の高さが魅力、同音異弦が展開部ではぐっと効いてきて、ユーモアをシリアスに変えるハイドンの技。終結はvcのヒキガエルか?さらりとユーモアで閉じる。
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category: F.J.ハイドン

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