Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

シュパンツィヒSQ:ハイドン 弦楽四重奏曲集 vol.3  

シュパンツィヒ・クヮルテットによる第3集、わずか3枚で完結とのことだが、80曲以上の中から彼らが選んだ9曲は傑作中の傑作、という聴き応えは十分感じる。1枚の中に作曲時期を隔てた作品をまとめるのも効果的で、普通、売れそうな有名曲だけをカップリングするケースが多いところ、シュパンツィヒSQの選曲には好感が湧く。また古楽器の微弱音まで透明に響く繊細さ、彼らの適正な表現法で作品本来の魅力が純度高く聴こえてくる。なお当盤からメンバーが替りvcはWerner Matzkeです。

Schppanzigh Quartet
Anton Stezk :vl
Franc Polman :vl
Christian Goosses :va
Werner Matzke :vc
2011年録音 ACCENT

sch hay sq 54etc

第58番ト長調op.54-1 (1778)
第一楽章、アレグロ・コン・ブリオ、1st vlのテーマに伴奏が異様なほど活発にリズムを付けて始まる、しかし流麗な味わいも十分もつ、各パートが細やかなパッセージを掛け合う、提示部の終わり、1st vlと2nd vlが逆進行してクロスするのはちょっと不思議な響き、展開部は、さすが、といえば済む、再現部~終結も展開部の続きのようだ。
第二楽章、アレグレット、特に特長的ではないがリズミカルでハイドンらしい優美な楽章。
メヌエット、鋭角的にリズムを刻むのが印象的、付点やスタッカート奏法で一段と強調される、そんな中に流麗なパッセージが織り込まれる。トリオはvcパートがバス旋律を休まず弾く上でテーマが弾かれる。ありふれていない魅力のメヌエットだ。
終楽章、プレスト、ロンド風の楽章だが、ロンド主題に斬新な変化をつけて進める、カプリチォ的内容の楽章ともされる。シュパンツィヒSQのリズムに適切に伸縮をつけて進める表現はぴたりはまる。最後はコーダらしく収めるが、弱音で途切れるように終わる。やはり全体に一味抜きん出た曲だ。

第32番ハ長調op.20-2 (1772)
第一楽章、モデラート、柔和な感覚の主題で始まる、1st vlと2nd vlがコレッリの作品でも聴くかのような美しい和声を聴かせる、提示部から非常に緻密な内容をじっくりと織り込む、弱奏部分でシュパンツィヒSQは一段と引き付ける、次はいかにも展開部らしい入り、1st vlとvcの掛け合いに始まり、各部によるポリフォニーも聴かせるが瞑想的で味わい深い展開部。
第二楽章、アダージョ、カプリチォの楽章とされる、ユニゾンによる短調でインパクトの強いテーマで始まる、レガートのピアニッシモから切り立った強奏、リズムの伸縮、独奏曲的な気合いの入った変化を目いっぱい聴かせ、息の合ったSQの腕のみせどころ、後半は優美で穏やかな安堵感に転じる、再び短調に戻り緊迫、休みを置かず次のメヌエットに入る。
メヌエット、第二楽章の続きかと錯覚する、このメヌエットにも奇想曲的な雰囲気を持たせている、特にトリオは第二楽章が戻ってきたようだ。そして終楽章にも間を置かず入る。
終楽章、4つの主題をもつフーガ、ジーグ風のリズムで複雑なフーガをさらりと始める、耳で聴いただけでは解析できないような緻密な書法でぜひスコアも見てみたい、無限に続けられそうなフーガがメゾピアノくらいで続く、コーダもフーガ風に締めくくる、これはちょっと過呼吸ぎみに魅了される、こんな曲はバッハかハイドンか・・クラウスか、知能の高い人にしか書けないのではないだろうか。

第74番ト短調op.74-3 (1793)
これは「騎士」というニックネームのついた有名曲、作品の充実度はあらためて書くまでもないでしょう、シュパンツィヒSQの演奏で1.5倍、魅力アップ。
すばらしい完結盤です。
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category: F.J.ハイドン

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