Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

M.ジークハルト:J.M.クラウス 葬送交響曲ほか  

これも購入後あまり聴かずにしまってあったCDです。1990年録音で、クラウスの録音としては早い時期です。お馴染み交響曲ハ短調VB142とヴァイオリン協奏曲、葬送交響曲ハ短調VB148のカップリング。vl協奏曲はNAXOSの西崎崇子が世界初録音との振れ込みでしたが当盤が先です。
あらためて聴くとけっこう好演です。M.ジークハルト指揮シュトゥットガルト室内Oはピリオド系ではないが、すっきりとしたサウンドで現代的です。作品の魅力を伝えているとともに、ピリオド系に親しみがない人にも聴きやすいものでしょう。

kraus vl con
ヨーゼフ・マルティン・クラウス
交響曲ハ短調
ヴァイオリン協奏曲
葬送交響曲
マルティン・ジークハルト指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団
エディト・パイネマン(vn)  1990年 ORFEO


交響曲ハ短調VB142、
序奏は弱音でゆっくり始め、それなりに奥行きのある演奏、主部は程よいテンポ、切れ味で聴かせるより、流麗なタッチ、音節一つずつに丹念なデュナーミクを込め端正な演奏、強弱を深くとって味わいをつける。第二楽章も自然体で心地よい。終楽章、速すぎず快調、しなやかな弦、木管やホルンがバランスよく浮かび、楽章全体を丹念に聴かされる感覚が心地よい。

ヴァイオリン協奏曲ニ長調
演奏に際だった特徴はないが、とても自然に、オケの前奏が美しい、オケのフルートが上品に浮かぶ。エディト・パイネマンのvlも一流の手腕で安心して聴ける。古楽器と違ったふくよかなモダンvlで聴くのもなかなか良い。あまり力まず透明感のある美音はクラウスにふさわしい。クラウスは旋律の弁舌は素朴というか控え目なほうだが、展開部における重音奏法の情熱を帯びた楽相はモーツァルトを凌ぐ味わいと言えよう。
第二楽章、アダージョ、パイネマンは一際美音を放つ、ベートーヴェンの作品にも迫る神聖さと感情の深さで引き込む。
終楽章、ロンド、アレグレット、前奏がじつに爽やか、この楽章ではvlのテクニカルな面も聴かせるが、バックと室内楽的結びつきもあり、聴きどころ。

葬送交響曲ハ短調VB148
全楽章が暗いムードの緩抒楽章であまり聴こうとしなかった曲だが、ジークハルトの当演奏を聴いて好きになってきた。和声の使い方がクラウスらしい深みを聴かせる。
第一楽章は葬送行進の太鼓(timp)が弱音から驚く強打まで迫る、弦楽もぐっと深く強弱を表現、クラリネットはこういうほの暗いムードに合う、深く心を抉る楽章はまさにレクイエム。
第二楽章、ラルゲット、ゾクっとくるような悲痛な楽章。
第三楽章、コラール、弦楽で奏でる合唱曲で短い。
終楽章、前半はアダージョ、暗く悲痛であるがこれもある意味怖いもの見たさ?の心理を引き付ける、クラウスらしい手腕、ホルンのソロが見事、教会旋法メロディーも入る。後半アンダンテ・メストに入ると初めて明るいフーガとなる、最後は第一楽章の始めを再現、葬送行進の太鼓を聴かせて終わる。最後の葬送交響曲はジークハルトの懐深い演奏が効いている。
関連記事

category: J.M.クラウス

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/688-965da88a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター