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アンサンブル・コルディア:P.ヴラニツキー 弦楽三重奏曲集  

古楽研究から模索が始まって、近年は作品の真価が聴ける演奏法が常識化してきた。おそらくバッハやモーツァルトには時代や奏法が変っても味わえる強い要素があって親しまれてきたと思うが、'50~'60年代の奏法でコレッリやテレマンを演奏されても今となっては聴けない、ハイドンでさえ真価は聴き辛い。
一時代前、知られていなかった作曲家はたまにマイナーレーベルから出たが、とりあえず普通に演奏してみた程度のもの、結果、いまいち冴えない作品としか聴けなかった。近年は優れた演奏家が本腰入れて録音したものが出るようになり、NAXOSやcpo、BRILLANT CLASSICSからも次々手に入ってありがたい。
今日はP.ヴラニツキーの続きで室内楽。弦楽三重奏を集めたアルバムでピリオド楽器のアンサンブル・コルディアのメンバーによる演奏、作品の美質を目いっぱい聴かせてくれる。因みに固定メンバーの三重奏団というのは殆どないそうで、ソリストあるいはオケのメンバーが臨時に組む場合が多いとのこと。
当盤は残響を多く取り入れた録音で距離を置いた響き、ボリュームはそれなりに絞らないと、音像が異様に肥大してしまう。

wrani st
パウル・ヴラニツキー
弦楽三重奏曲
変ホ長調Op.17-2
ヘ長調Op.3-1
ト長調Op.3-3
アンサンブル・コルディア


さてヴラニツキーの当作品は、先日の交響曲と同様、ひじょうに良い。今回室内楽ではっと気づいたのが、J.M.クラウスの旋律趣味と共通したものが聴かれる、師弟関係というより友人同士の共通語のような気がする。
変ホ長調Op.17-2は典型的な4つの楽章、第一楽章は流麗な感覚でクラウス風の旋律廻しが実にいい、ぐっと立体的に繰り出す室内楽の醍醐味も聴かせる、3つのソロの掛け合いのようで各楽器のテクニックも聴き応えあり、展開部も胴にいったもの。
第二楽章、とても優美だが、それだけじゃない、聴衆が眠りそうな頃に突如強奏が入る。
メヌエット、このテーマもまた気品があり、嫌味のないセンス。トリオは(まさしくトリオだが)優美な中に切り立った感覚を持たせ引き締める。
終楽章、ロンド形式、ロンドとか変奏曲とかには退屈だったり、クドさを感じる曲がよくあるがヴラニツキーはそういう事態に陥らない、最後まで冴えた感覚で終わる。
ヘ長調Op.3-1は3つの楽章で初めは作曲家のセンスが現れる変奏曲、3つの楽器が交替でソロを取り、各変奏はバロックの装飾を思わせる細やかなお洒落感覚がいい。
第二楽章がメヌエットで、ポリフォニックな聴きどころを置く、トリオは短調で静謐な感覚。
終楽章、ロンド風ソナタ、vlやvcが最高音を聴かせ、爽快さと切れ味がある、展開部の技も巧みで聴きどころ。
ト長調Op.3-3は4楽章、快調な第一楽章はまさにクラウス風、これはもうお気に入りの音楽だ。展開部の踏み込んだ内容はこの曲が一番、気の効いた終結部があって終わる、いつの間にか3つの楽器だけというのを忘れる。
第二楽章、vcがメインにソロを取り、残りが伴奏、一流コンチェルトの緩抒楽章を見事にやってのける。
メヌエット、主題に際立った印象はないが優美、トリオでまたコンチェルト風に聴かせる。
終楽章、ロンド、元気のよいテーマ、短調の間奏になると、ポリフォニックでバロック風になる、気の効いた導入を置いてロンド主題に戻る。
弦楽三重奏なんて軽そうだ・・とあまり期待しなかったがこの充実感には恐れ入る。
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category: その他・古典派

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