Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

ガリー・クーパー:ハイドン交響曲 第41、49、44番  

以前から気になっていたCDだが、運よく中古ショップでみつけた。ガリー・クーパー指揮、アリオン・バロックOのハイドン交響曲41、49、44番。音響豊かな会場で録られたもので、じつに詳細な録音だが、当盤は通常のボリュームで聴くとロックコンサート並みの過大な音場になってしまい驚く(笑)、適度に下げると自然な古楽オケらしい音場に変わるが、各パートが近くに寄って聴くような明快さ。
若手、腕利き奏者達による抜群のアンサンブルだが、決して過激な部類ではない、冴え渡った技で各曲の美質を詳細に聴かせている。

ari hay sym 44 etc
ヨーゼフ・ハイドン
1. 交響曲 第41番 ハ長調 Hob.I-41
2. 交響曲 第49番 ヘ短調 Hob.I-49「受難」
3. 交響曲 第44番 ホ短調 Hob.I-44「哀悼」
ガリー・クーパー:指揮、アリオン・バロック・オーケストラ
2008年 ケベック(カナダ)サントーギュスタン・ド・ミラベル教会


41番、tpとtimpの入らない版で演奏、活気を帯びた適正なテンポで始まる、録音のおかげで管楽器もぐっと近寄ったように聴こえ響きの色彩が鮮やかでいい、第二主題が爽快、ホルンが突き抜けて高らかに鳴る。展開部は弱奏の短調で入るが第一主題動機で一旦区切り、そのあとが本番、ホルンの高域が決める。再現部のひと捻りもいい。
第二楽章、お馴染み、弦が弱音器を付けた緩抒楽章、アンダンテでややリズミカル、この楽章だけflのソロが入るが殆どアルペッジョを吹く、しかし静謐な味わいの楽章。
メヌエット、ここでも2つのホルンの聴かせどころ、高域を見事柔らかに吹く。
終楽章、小刻みな主題を速めのテンポできっちりと決める、ここもホルンの上手さが際立つ。
49番「受難」、アダージョの第一楽章、滑らかな弱音の弦が常に美音で強弱の深いフレージングは申し分なし。後半はぐっと引き込む。
第二楽章、急速に演奏するがコントロールしきった完璧な合奏で、本当に急速の価値を聴かせる。弱音もくっきり粒立ち、37小節からのカノンがじつに軽妙で心地よい(譜例)。
hay sym 49a
メヌエット、短調の撫でやかなテーマの旋律にバスが対位的に動くのが味わい。休まず終楽章に入るが確かにそれが相応しい感じだ。
終楽章、急速だが極端ではない、ぴしっと決めた合奏、深い強弱でエネルギー感を痛快に表現。
44番「哀悼」、第一楽章、テンポは標準的、何度も出る動機はわりと柔らかく表現し、聴き疲れしない、その後の切れのある表現と対比させる、28小節からの2本のobによるハーモニーは2小節単位でツーンと cresc.<  >dim. のパターン、ピリオド奏法の常套で、これもじっくり聴かせる。再現部117小節からのobハーモニーも神秘的でいいところ。
第二楽章、カノンで貫いたメヌエット、軽やかにリズムを取り、強弱で奥行きを出す。
第三楽章、アダージョ、遅くし過ぎず、さらりとした感覚でしつこくないのが良い、この名楽章も申し分ない。
終楽章、まさにプレスト、急速に演奏、これも「受難」の第二楽章と同じく見事。後半の展開部、スコアは79小節からフォルテとなっているが、気分としては96小節のクライマックスに向けて幾分かcresc.していきたいところ、クーパーは4小節進んで少し弱奏にして再度cresc.するやり方で聴き手をじりじりと引き付け、これは上手い。
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category: F.J.ハイドン

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