Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

L.ギエルミ:ハイドン オルガン協奏曲No.2ほか  

あまり知られていない古典派作曲家を取り上げるのも、ハイドンの有名曲ではない部類を演奏するのも同じことが言えるかもしれませんが、演奏しだいで有名曲となんら引けをとらない魅力を放ちます。今日はロレンツォ・ギエルミ率いるラ・ディヴィナ・アルモニアによるオルガンとヴァイオリンのための協奏曲集で、よく演奏されるorg協奏曲No.1やvl協奏曲No.1は入らないアルバムです。ハイドン好きには聴きどころでしょうが、一般にはマニアックと思われがちかも?しかし聴けばたちまち魅力に包まれる。
ロレンツォ・ギエルミは解説文の言葉を借りれば「古楽の牙城」バーゼル・スコラ・カントルムの教授でもあり、ここではorgのソロも務める。vlはイル・ジャルディーノ・アルモニコの音楽監督も務めるステファーノ・バルネスキ、演奏者のゆるぎない実力が基盤となった名演、絶対的自信がないと出せないであろう逸品のアルバムです。

hay org vl con
1. オルガン協奏曲 ニ長調 Hob.XVIII:2
2. ヴァイオリン協奏曲第4番 ト長調 Hob.IIIa:4
3. ヴァイオリン、オルガンと弦楽合奏のための二重協奏曲 ヘ長調 Hob.XVIII:6
4. オルガン協奏曲 ハ長調 Hob.XVIII:10
ロレンツォ・ギエルミ(org・指揮)
ラ・ディヴィナ・アルモニア(古楽器)
ステーファノ・バルネスキ(vn)


1曲目、オルガン協奏曲第2番の第一楽章開始からひじょうに活き活きと個々の音符に表情があり、数小節聴いただけで引き込まれる、弦楽もすばらしい、わりと長大で内容の高い第2番を最後までじっくり味わえる。オルガンは新設されたばかりのものだが、音は古式ゆかしく機構音を伴う、フルート管の音は気品があり、鳴る前の一瞬、フッと空気の入る音はいつもの味わい、発音でいえば子音のように音を粒立て、第二楽章のパッセージなども明快に聴こえる。
2曲のヴァイオリン協奏曲第4番も傑作だ、前古典派らしい魅力に包まれる、バルネスキのvlは長い音は芳醇、素早い技巧にもしなやかさを感じる美しさ、終楽章の切れ味、まさにC.P.E.バッハの急楽章を彷彿させる。
3曲目はvlとorgの為の二重協奏曲、始まりの主題はorg協奏曲No.1の姉妹作品のうような雰囲気、vlとorgのソロという組み合わせは聴き慣れないだけに面白いが美しく溶け合い、ダブル・コンチェルトらしい聴かせどころも流石ハイドン、演奏は爽快な中にも切り立ったインパクトを置いて引き付ける。
最後はやや小規模なオルガン協奏曲第10番、これはオルガンのみが完全にソロを取る通常の協奏曲ではないようで、鍵盤を含む室内楽のような書き方らしい。
まったく演奏の良しあしで音楽の価値は桁が変ると思える。古典派の演奏で求めたいのは、一にも二にも作品そのものの真価が聴けること(当り前だが)、そこに演奏者の美質が共鳴してさらに魅力が加わるのは大いに結構だが、これは大変デリケートなこと、言わばとてもプレーンな音楽で変な料理をすると台無しになる。
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category: F.J.ハイドン

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