Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

C.アバド VPO:ブラームス交響曲 第1番  

もう1枚、アバドのLPを聴きます。これは数ヵ月前、中古を購入して置きっぱなしでした;
アバドは40歳前のレコーディングで4曲のブラームス・シンフォニーをBPO、VPO、SKD、LSOと4つのオケを振り分けて話題になりました。過去にLSOとの第4番のLPを持っていましたが、なぜかデッドな音質で残念でした。今日はVPOと録音した第1番、期待半分に購入したところ、こちらは打って変って好録音です。バランス・エンジニアはD.GのG.ヘルマンス、いくつも名録音をしているが、これは非常に良い。アバドのブラームス・シンフォニーは80年代のBPOとの録音は聴いたが、第1番はいまいちピンと来なかったがVPOの当盤はいい。

アバド ブラームスsym1
クラウディオ・アバド指揮、ウィーン・フィルハーモニーO
1972年 D.グラモフォン


第一楽章、序奏の開始は力強く感じるがサウンドはあくまで清涼、これを最後まで通す。主部への入りはスパっと短く打つ、そして主部も清涼に起伏に富んだ演奏、弦楽をガシガシ滾らせる場面はない。程よく鳴るvl群に管と内声、バス部がバランスよく響く。
楽章全体にこの「運命の動機」のリズムが組み込まれ、
譜例1
じっくりとした進行の中に切迫感を絶やさない。
展開部のクライマックス、293小節からコントラ・ファゴットに始まる地の底から這い上るような上行の末、頂点の321小節から弦楽がなだれ下る、
譜例2
ここでvl部とva&vc部が掛け合っていくが、埋もれがちなva&vc部が対等に聴こえ、見事に決まる、この後もさらに凄いが、アバドは熱気に走ることなく、冷静にコントロールして整った音楽に仕立てているようだ。常に感傷的な表現をしないブラームスにふさわしい。
第二楽章、VPOのしなやかな弦で極弱奏も含めた深い起伏と静謐さで極上の第二楽章にしている、vlソロもその味わいを象徴する。第三楽章、前楽章と同じく美音で整い、弦のしなやかさに管も見事同調する。
終楽章、ダイナミズムは程よく押さえ、やはり清涼な響きを壊さない、それで十分な高潮感に引き込む。61小節からのお馴染みの歌も心地よくさらりと行く、しかしコーダはキレたようにぐっと加速して、さすが十分欲求を満たして終わる。
感傷味あらわな曲は一度聴けばたくさんだが、ブラームスはメロディックであってもどこか間接的に訴えてくる、謎があるからこそ不変の魅力がある。
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category: ブラームス

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