Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

J.リンドベルイ:S.L.ヴァイス ソナタ集  

リュートのCDをもう1枚、今日はN.ノースとともに長く活躍しているスウェーデンのlute奏者、ヤコブ・リンドベルイの演奏、注目は1590年頃に製作されたオリジナル楽器、シクストゥス・ラウヴォルフ作の11コースリュートを用いているところ。
リンドベルイは2度ほど生演奏を聴きましたが、じつに端正な音づくりで荒っぽさは皆無、昔から変りません。この貴重な楽器でシルヴィウス・レオポルド・ヴァイスのお馴染みの曲を取り入れて録音しています。BISの録音もさすが、奏者の意向も取り入れているかもしれない自然な音響。11コースで演奏可能なロンドン写本の作品から、写本中、本来別個の作品をリンドベルイは適宜組み合わせて弾いています。

リンドベルイlute01
シルヴィウス・レオポルド・ヴァイス
1) 前奏曲 変ホ長調
2) チャコーナ 変ホ長調
3) ソナタ ハ短調
4) ソナタ 変ロ長調
5) 前奏曲 ニ短調
6) フーガ ニ短調 
7) ソナタ イ短調 ‘L'Infidele
ヤコブ・リンドベルイ :リュート


1)の前奏曲 変ホ長調は転調の味わい深い曲、続けて2)は同調のチャコーナ、これはお馴染みの曲。3)ソナタハ短調では冒頭にあのお馴染みファンタジアc-mollを置く、N.ノースの演奏と比べるとサラリとした感覚、続くソナタも味わい深く、最後のジーグでこの楽器の低音の鳴りをよく味わえる。4)のソナタ変ロ長調にはフランス風序曲が含まれ聴き応えあり、最後に置かれたプレストはもう少しスピードを上げると痛快だが、リンドベルイは程々に安定感で聴かせる。5)の前奏曲ニ短調はアルペッジョで始まるお馴染みのソナタ ニ短調の最初の曲、続いて6)フーガニ短調は数少ないフーガ作品、最後の7)で魅力的なソナタ‘L'Infidele を聴かせて閉じる、目下、小生の課題曲につき参考にしたい(汗)

ところで使用楽器、シクストゥス・ラウヴォルフ作、1590年頃は420年ほど前、ガリレオ・ガリレイの若い頃あたり、当然ルネサンス期でこの楽器は最初8コースくらいに作られたものでしょう、その後バロック期に対応した11コースに作り変えられるというよくあるケースです。楽器としての最盛期は過ぎているでしょうが、直に当時の楽器の性質を感じるうえでは貴重でしょう。録音を聴いてどうのこうの言ってもしかたないので、現物を手にしてみたいものです;
こういう楽器を弾くからにはナイロン弦など張っちゃ意味がないので当然ガット弦を張りますが、現代作られているガット弦がどの程度信頼できるものかも問題となります。1~5コースに使う普通のプレーンなガットはほぼ問題ないでしょう、ただ低音に使う弦は不明な要素が多い、
ガット低音
①はガットを縄状にして太さを得たもの、これは6、7コースくらいに向いている。②はガットに銅線を螺旋状に巻いて食い入らせたもの、銅線で重さを加えているが、しなやかさが足りず弦長の短い楽器では最低音には太過ぎて使い辛い。③はガットに金属物を含ませ、細くしなやかに出来たもので、10、11コースの最低音に向いている。いずれも現代の弦メーカーが工夫して作ったもので正確な歴史的再現ではないことも承知しておく必要がある。いずれも大量生産できる物ではないので高価である;リンドベルイはこれらを適宜使っていると思われるが、当録音では味わいのある鳴りっぷりが聴かれる。

最近はもっぱら、低音弦に大型魚用のPVF(フロロカーボン)釣り糸を使っているが、
pvf.jpg
13c lute

ガットのように狂わず、程よい硬度で音の出方も劣ることはない、実質十分代役を果たすというか、それ以上と思う。
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category: リュート作品

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コメント

こんばんは。それから、お久しぶりです。

リンドベルイの演奏は以前から聴いていましたが、この録音が一番好きです。
お馴染みの曲が11コースのオリジナルで聴けるというのも、私にとって嬉しい事でした。

低音弦はまだまだいろいろな可能性がありますね。自分はオープンワウンドを使っていますが、キャットラインに変えてみようか考え中です。

それでは、どうかよいお年を!

黒羊 #FynsjLCE | URL
2014/12/31 19:47 | edit

黒羊さん こんばんは

低音弦はいろいろ試しましたが、一長一短でどれが一番とは決められませんね、できれば1つの楽器では性質を揃えたいです、多種の弦を張ると狂い方が違ってすごい面倒ですし;
リュートは形も多様で合う弦も様々、標準化されない面白さがあると思います。
良いお年をお迎えください。

michael #xNtCea2Y | URL
2014/12/31 21:21 | edit

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