Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

リュートの低音弦  

リュートほど弦の選択肢が多い楽器はないかもしれません、豊富というわけではなく、消去法式に妥協できるものを選ぶという方向ですが;リュートを始めた当時、国内ではPyramid社のナイロン弦と巻弦しか選ぶ余地はなく、ギター弦と同じ質のものでしたが、リュート弦はこんなものだと思って使っていました。その後ガット弦も求めやすくなり、フロロカーボンなど新種の素材も試しました。それぞれに一長一短があり、多コースの中で適材適所に使ったりしました。バロックリュートで言えば、①~⑤コースまでの弦はよりどりみどりと言えるでしょうが、いつも悩むのは低音コースの低音弦です。最も理想なのは余韻が短く、緩いテンションでも低音がよく立ち上がる、深みのある響きです。オクターヴ弦が何のためにあるのか、本当の意味がわかってきました。

まずPyramid社とaquila社の巻弦
wound st
先述のとおり、ナイロン繊維に銅線を巻いたものでギター弦と同じ作り、サスティーンが長く、新品は倍音もかなり出る、リュートの低音としては理想から遠い、ギター弦ならとっくに交換するほど古ぼけた状態からが使い時でした。やがてaquila社から倍音を押さえこんだ巻弦"D"と称する製品が出るようになり、リュートにはより好ましい性質でした、銅線にメッキをせず透明コーティングで錆を押さえてあり、アルミメッキより美観を維持します。

Gamut社の Gimped gut
gimp gut
これはガットを捩る際に金属線も一緒に巻き込んだものでしょう、均等間隔に巻けるはず、研磨をかけて目的のゲージ(質量)に仕上げてあります。歴史的には無い弦ですが、金属線が入った分、細めにでき、ガットらしい響きを維持するといったものでしょう、しかしさほど細くはならず、弦にしなやかさが無いのが難点です、これはガットと金属線が縛り合っているためでしょう。弦長の短い11コースluteでは最低音に使うのは無理があります。

aquila社のVenice gut
ve gut
Gamut社のPistoy gutも同じような作りと思いますが、ガットを縄状に依り合わせて太くしたものです。これの良さはさすが縄状でしなやかなこと、振動精度もわりと良く、ブリッジにも巻きやすい、ただし太さはプレーン・ガットと同じになるでしょう、適度な太さ範囲なら良い弦ですが短い楽器の最低音に使うには太すぎます。

aquila社のloaded gut
lo gut
aquila社が歴史的な低音弦として再現したもので、ガットそのものもに金属物を含ませた弦ですが、正確な再現という確証はないでしょう、確かに比重を上げて細くするのに成功している、弦質もしなやかで扱いやすく、良い鳴り方でこれなら最低音にもいける。これで振動精度が良く、お値段もリーズナブルなら申し分ないが、そこがイマイチ;;ワケありか製造が中断して長くなります。
総じて、これらガットによる低音弦は値段が高いうえに振動不良のものが多いというのが大きな難点。

クレハの大型魚用フロロカーボン釣り糸
購入時は表面はツヤがあり透明ですが、少し研磨してツヤ消しにしてあります。
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これは楽器用ではありませんが、選択肢の一つ、フロロカーボンといえば一時、高音弦やオクターヴ弦などに使っていましたが、音質がどうも無味で、ナイルガットなどの登場で遠ざかっていました。最近、低音用の弦として再浮上、比重はガットよりは重いので細めになり、しなやかとは行かないが程々の硬度、理想の鳴り方に近く、ピッチも安定して、調弦に手間取らない、ということで現在主に使っているという経緯です。

ところで今や殆ど使わなくなったナイロン弦ですが、たまに役に立つ箇所があります、
at 6c
アルト・リュートは④コースからオクターヴ調弦にしていますが、オクターヴ弦はかなり細いのを使うことになり、ガットなら0.38くらい、細すぎて甲高いのでここはナイロンの0.40にしました、毛羽立ちの心配なく、1本くらいいいでしょう。
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