Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

S.クイケン:ハイドン 交響曲第26、52、53番  

しばらく音盤レビューが留守になっていました。ちょっと離れて耳をリセットするのもいいかもしれない、手始めはハイドンですね。
今日も古楽の大御所による演奏、S.クイケン指揮の当盤は先般のE.ウィルフィッシュ:ハイドン 協奏交響曲ほか、と2枚組になっているCD1のほうで、単独盤も持っているが、これでじっくりと聴き直しました。クイケン、ホグウッド、ピノック、コープマンなどは今も古くなく、ナチュラルな演奏で安心して聴ける。クイケン&プティットバンドの清涼、緻密なアンサンブルは何時もながら耳を楽しませる。

hay sym con
シギスヴァルト・クイケン指揮
ラ・プティット・バンド
1988年 ヴァージン・クラシックス


第26番ニ短調「ラメンタチオーネ」
26番という若い番号で、3つの楽章しかないが、49番「受難」と同時期の作品だったのが意外、しかし内容は納得できる。
受難劇的な第一楽章は規模は程々だが、切り立った緊迫感で無駄なく引き締まっている。
第二楽章はバスの規則的なリズムと変奏の要素を持った弦楽伴奏、そこにobがグレゴリオ聖歌を歌う、意表を突く場面なく、神聖な気分で引き付けていく。
終楽章のメヌエットも受難劇的な気分を持たせる、バスが先行するカノンを置き、ぐっと彫の深さを与える、トリオにも意外性を持たせ、最後を締めくくるメヌエットらしい。

第52番ハ短調
ハイドンの短調交響曲の中でもっとも内容の深さを感じさせる、新時代の短調交響曲の規範ともなるような傑作。
第一楽章の劇的な第一主題、安堵感のある第二主題による対比の提示部、展開部は第二主題で始め、第一主題による劇的な深い展開、ここからが良い、
sc hay sym52 1st
第二主題の展開も置き、再現部、終結部まで緊迫感を維持する。
第二楽章、例によって弱音器をつけた穏やかな弦楽の主題、静謐な気分を打ち破るような強奏も置いて対比をつけるところがこれまでの疾風怒涛の緩叙楽章と一味ちがう。
メヌエットもハ短調で典雅というより瞑想的なテーマ、カノンの手法も加わる、トリオは長調だがメヌエット主題と同形のままのテーマで短い。
終楽章、ポリフォニックに始まる第一主題、第二主題も快活ながら第一楽章同様、安堵感のあるテーマが味わい深い。
sc hay sym52 4rs
展開部は劇的な味わい、疑似再現を置いた構成も緻密で、終結も一際劇的である。

第53番ニ長調「帝国」
これはハイドンが広く出版を想定した意欲作でしょう、言うまでもなく全交響曲の中でも輝きを持つ傑作の一つ、
第一楽章、張り詰めた序奏、クイケンは切れ目を入れて引き締める。以下主部の譜例、
sc hay sym53
①主部の動機がまた主和音を上下行するだけの、ちょっと頼りない印象で始まるが、次の②で一転、スタカートを入れた総奏でぐっと立派に確立する、③でさらに活気を付け、④でさらに2nd vlが快活な切れの良さを加える、ここまで盛り上げて経過部のあと、やっと落ち着いた第二主題が入る、
01_201502062142183d0.jpg
展開部の充実度もすばらしい。
第二楽章は歌謡風テーマの変奏曲、特に意表を突く場面はないが、ハイドンのオケのための変奏のセンスは飽きさせることはない。
メヌエット、この明確で活気のあるテーマは何度聴いてもいい。timpの古楽器的なバン、とくるアクセントが効く。
終楽章、差し替えバージョンのAを演奏、快速に決めて行く、ここでも良い意味で粗野な味のあるtimpが効く。展開部は短調で開始、転調による瞑想的な部分を置き、終結部は意欲作らしい華々しさで終わる。
関連記事

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/740-15930834
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック