Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

S.クイケン:ハイドン 交響曲第101番「時計」  

「時計」はもう何百回?聴いたかわからない、ちょっと頭が麻痺ぎみだが、リセットしたつもりで聴いてみると、本当にハイドンのような熟練の交響曲作曲家がはじめて書けるような内容を持っていて、全楽章小刻みな音階の上下行で満たされた個性的な曲、ハイドンにも他に類似した作品は無いようだ。今日もクイケン、プティットバンドの過不足ない演奏で聴く。

kuij hay 101
シギスヴァルト・クイケン指揮
ラ・プティット・バンド


第一楽章、序奏はいつもどおり、プティットバンドの極上の古楽サウンドで一際神聖に始まる、主部はちょうど良い快速、第一主題動機はキビキビとした切れ味に、しなやかさを絡めて始まり、総奏の量感もぐっと押し出す。第一主題部の最後、
譜例1
73小節からをクイケンは明確にスタッカートして、この瞬発力が心地よい、同様に演奏しているのはほかにブリュッヘン、アバド、グッドマンが思い当たる。スタッカートしない演奏が多いが楽譜の違い(ランドン版以外)のせいだろうか?
続いて82小節から第二主題が出てくるが、
譜例2
相変わらず小刻みで第一主題と大きく性格は変わらない、両主題ともきわめて器楽的。展開部は第二主題でポリフォニックに始まるが、主題が変幻自在に織り込まれた緻密な切迫感に引き込む、以後、終結まで引き付けて行く。
第二楽章、ほっとするような時計のリズム、プティットバンドの弦楽によるテーマの美しさは格別、木管も同化したように溶け合う。美音で引き付けた後、短調部分をかなり衝撃的に開始、緊迫感で包む。次にバス部が沈黙した清涼感を聴かせ、全休符を置いたあと、調を変えて後半に入る、再びじりじりと力感を重ねて行くような変奏は素晴らしい。
メヌエット、アレグレットらしいテンポで重くならず、快活に聴かせる。トリオのフルート・ソロと次の総奏と大きく対比をつける。強弱の懐深さ、しつこいようなレガートを排した表現も良い。
終楽章、急速ではないが適度に快速、この楽章の動機は
譜例3
先述の第一楽章、73小節からの音形と類似して聴こえる。弱奏で始まり、力感たっぷりの総奏に入るが、騒音的でないのが耳疲れなくて良い。展開部に替るフガートはあまり弱奏にはせず、緻密な内容をくっきりと聴かせる。
関連記事

category: F.J.ハイドン

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/745-8ae69f83
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック