Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

アーノンクール:シューマン交響曲第4番(初稿)  

シューマンの交響曲第4番、アーノンクールも初稿版による演奏だった。アーノンクールはベートーヴェンと同じく、ヨーロッパ室内Oで小編成の響きを起用しているが、当然狙いがあってのことだろう。サウンドに物足りなさはなく、今まで聴こえて来なかった新発見をもたらす。この演奏の視点から見れば、多くの巨匠達がフル編成オケを振った演奏は個性は聴かせるものの所詮、似たり寄ったりとなってしまう。

harnon sch sym4
ニコラウス・アーノンクール指揮
ヨーロッパ室内管弦楽団
1994年 TELDEC


ヴィヴラートを押さえた涼しげな弦楽、厚い響きを使わずきりっとした合奏で序奏から十分なダイナミズムを感じさせる、弦に対し木管が対等、ブラスも豪奏の必要なく透明感を保ち、全体が良いバランスであることがわかる。展開部ではブラスの輝きが効く。楽譜に書かれた内容が詳細に伝わってくる、やたらレガートに引きずらず、程よく切るのが心地よい。
第二楽章も涼やかな表現、スケルツォは速めに、切り立てた演奏、しかし荒っぽくはなく、爽快にまとめている。
終楽章はファンファーレを伴った導入があり、アレグロ・ヴィヴァーチェに入る、緩、急が交互にあらわれ、切迫感に引き込んでいく、室内オケであることを忘れる壮大さで閉じる。
確かに初めて聴いたときは絶対的量感として物足りなさを感じたが今は違う、表現法に聴き手が同調できれば、オケの物量は求めなくてもよい、というのを実証した演奏で価値が高い。
アーノンクールを"鬼才"とか"荒々しい"とかいう声をよく聞いた。旧来の名演が絶対、という視点からはそうかもしれないが、白紙から研究し直したアーノンクールに"粗雑"という意味での荒っぽさはひとつもない。
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