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W.サヴァリッシュ:ブラームス交響曲第3番(VSO盤&LPO盤)  

先般、ウォルフガング・サヴァリッシュの古い録音、ブラームスsym第1番(VSO)のLPが思いのほか良かったので、他の曲も新、旧と聴きたくなりました。そこで今日は第3番、VSOとの旧盤とLPOとの新盤の聴き比べです。

交響曲第3番ヘ長調
まずは1961年、ウィーン交響楽団との演奏
bra sym 3a
time 9:05/8:56/5:55/8:21
全般に演奏時間からして、サヴァリッシュはやや速めのテンポを取る、
第一楽章は豪快に始まり、きりっと直線的に描く基調だ、ブラームスらしく、内声部がデリケートに絡んだ室内楽的な要素が多分にあり、大抵細やかな味わいの演奏になるところ、サヴァリッシュはそこもキッパリと折り目をつけ各声部を明確にする、いかにも"外科医"のイメージが湧いてくる。録音もそうしたところを詳細に捉えている。展開部も終結部もルバートは控え目で爽快に進む。
第二楽章、わりと速めで切れ目をつけ、表情は"淡々"と言うに近いが、この楽章の構成を丹念に聴かせるようだ。
第三楽章、第二楽章と同様、VSOの美音を聴かせながら表情付けは最小限に控え、それがブラームスの名旋律にふさわしい。
終楽章、速めのテンポでキビキビした感覚で通す、わずかにアッチェルランドも使い、<ff、あるいはいきなりffとなる箇所を切り立てる、ファンファーレ的にエネルギーを放つ167小節からのffはまさに思い切りよく炸裂、
bra sym 3 sc01
また167小節に至るまでの目まぐるしい"蓄積"がこたえられない。鋭角的に畳み込む痛快な終楽章として終わる。

続いて1991年録音、ロンドン・フィルハーモニーOとの演奏、
bra sym 3b
time 13:45/9:18/6:31/9:05 (第一楽章提示部は反復あり)
全楽章、VSO盤よりゆっくり(標準的くらい)となっている、VSO盤になかった熟年の練られた味わいの中に情熱が籠る。
第一楽章の冒頭2小節はあまり豪奏にせず、3小節からぐっと力感を入れる、この最初の懐深い手法が全体に活かされる、まさに奥行きの深い楽章だ。36小節からの穏やかな主題、clがpで入り、さらにppとなるところは微かなほどに押さえられる、
bra sym 3 sc03
また気づかないほどのアッチェルランドで展開部へ入り、内向的な気分と発散の対比を存分に聴かせる。
第二楽章、VSOとの演奏よりずっと柔和になり、息づかい、間の深さと微かな弱奏でぐっと引き込む。
第三楽章、思いのほか弱奏でじわっと開始する、ここも柔和だがしつこい粘りはなく、そういう意味で淡々とした味もあるが、思い切った弱奏で一際夢想感に引き込む。
終楽章、弦楽とfgによる開始はぐっと弱奏、そして28小節目、金管が<fで鋭く立ち上がり、強奏へ導入する、サヴァリッシュのエネルギッシュな演奏を予感させる、そして期待どおり、起伏の深い演奏で進む、167小節からのファンファーレは極めつけの炸裂、終結部は穏やかになり、最後には第一楽章の主題が静かに再現され、眠りにつくように長くritして終わる、
この終結でのtimpの弱奏も大切な音として聴かせる、
bra sym 3 sc02
このtimpは何を意味するのか、第一楽章の主題の入りでも連打されるが、静かな回想か・・

ちょうど30年の時を経た、サヴァリッシュ2つの演奏、いずれも外面的には強い個性は出さない究極の模範演奏かと思っていたが、VSO盤の気迫、LPO盤の熟練味、それぞれに究極の魅力を持っている。
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category: ブラームス

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コメント

旧盤も聴いてみたいです

どうも初めまして。
かねてから、michaelさんの丁寧な記事には敬服しておりましたが、今回初めてコメントさせていただきます。

私はサヴァリッシュのブラームス3番では、下のほう、ロンドン・フィルの演奏を愛聴してきました。
第2~第3楽章の間がほぼアタッカで、これにより、第2楽章の間こらえていた涙が、第3楽章でさめざめと流れ出すような風情が生まれるからです。

しかしこちらの記事を拝読し、1991年盤もぜひ聴いてみたくなりました。
サヴァリッシュはかつては、速いテンポで気迫あふれる演奏をしていたのですね。
中堅のイメージがあったので、意外です。
フィナーレも爽快そうですし、またウィーン・フィルに関しても、60年代ごろまでの音色が好きなので、この盤にはより惹かれます。

では、これからも興味深い記事、楽しみにしております。

烏中零子 #sLNaKkR2 | URL
2015/05/25 03:42 | edit

烏中さん はじめまして、こんばんは
ご丁寧なコメント、ありがとうございます。
拙い文面をお読みいただき恐縮です;

本当に楽章間の"間"の置き方も心理を掴む要素となりますね、前楽章の息づかいが残るうちに次楽章に入る、というのも効果的だし、曲によっては十分間を置いて、入魂の楽章前の静けさ、というのも良かったりしますね。
サヴァリッシュはウィーン響とロンドン・フィル、両方聴く価値があると思います。ウィーン響は録音状態も遜色ないです。
烏中さんのブログ記事も楽しみに拝読していきます。

michael #xNtCea2Y | URL
2015/05/25 22:47 | edit

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