Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

渡邊順生:バッハ ラウテンヴェルクのための音楽  

ラウテンヴェルク(リュート・チェンバロ)によるバッハの録音は結構古くからあるが、新しいところではNAXOS盤のエリザベス・ファーによる演奏、今回取り寄せたALM盤、渡邊順生の演奏があり、両CDの表紙には響孔周囲の写真が載っていて、そっくり、

watanabe bach01
ALM RECORDS 2011年録音
それもそのはず、アメリカの製作家、ケイス・ヒル(keith hill)による同一の楽器のようだ。
lautenwerk by keith hill
同じ楽器を異なる奏者と録音スタッフで聴くのも面白い。
watanabe bach02

見た目は普通のチェンバロだが、ガット弦を張っている、写真から察するに、一部ナイルガットに見える弦もある、しかしこれでリュートによく似た音が出るわけではない。そしてダンパー(消音機構)が無いそうだ。確かに金属弦より音の余韻は短いのでダンパーは要らないかも、むしろ適度に音が重なっていくところがリュート的な魅力となり、バッハもこれに惹かれたのではないか?幻想的な"残響音"を楽器自身が発している。よってあまりに急速な演奏は避け、余韻を味あわせる弾き方が望ましい。

渡邊氏の録音で興味深いのは選曲、ラウテンヴェルクに相応しい曲を1枚にまとめている。タブラチュアが残され、リュートでの演奏も多いBWV995や1000は除き、鍵盤向きな996、998、997、999を演奏、さらにソナタ ニ短調BWV964がいい、この原曲は無伴奏vlソナタNo.2 イ短調BWV1003をバッハ自ら鍵盤に編曲したと思われ、5度低く移調した響きもラウテンヴェルクに相応しい、原曲のvlソロと比べると、特に第二楽章フーガでは、決して"後付け"に聴こえない声部の補充がある、元々原曲が持っていた遺伝子が湧きだすようだ、バッハ以外にこんな編曲ができるだろうか?と思わせる。
なお、996、998の演奏は渡邊氏の師であるG.レオンハルトを彷彿させる。998の締めくくり、アレグロの足取りがじつに心地よい、左手は鍵盤的だが、通常の鍵盤作品よりはずっとシンプルである。バッハのいわゆる"リュート作品"は鍵盤曲ほど複雑に入り組んでいない分、明快な美しさが浮かんでくるのかもしれない。
関連記事

category: J.S.バッハ

tb: 0   cm: 2

コメント

こんにちは。

あ、このCDを取り寄せられたのですね。
私も、当初、リュート奏者にも聴いてほしい盤、という何かの記事を読んで早速に買ったのですが、リュートチェンバロっていいなあと思ったものです。それ以降、鍵盤習ってみようかな、スピネット買っちゃおうかな、とかその気になってしまいました。
その後今は、クールダウンも済み、本来のリュートの腕前をも上がっていないのに、他へ手を出してもしょうがないと決心して、リュートだけをぼちぼち練習をしている状況です。
 でも、チェンバロも弾けたらいいなあと思うのです(汗)。

白くま #qHatOTUA | URL
2015/06/23 09:45 | edit

白くまさん こんばんは

私もクラヴィコードあたり、危うく触手が伸びそうになったのですが、生楽器は保守に手間取るので、クールダウンしました(笑)調律要らずの電子楽器で我慢します;
でも目の前で実物の弦が鳴る感触はいいでしょうね^^;

michael #xNtCea2Y | URL
2015/06/23 18:44 | edit

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://micha072.blog.fc2.com/tb.php/835-70adb1ba
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

最新記事

最新コメント

カテゴリ

最新トラックバック