Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

トルナボス  

ギター、リュート、ヴァイオリン属など、空気を囲ったボディの一部に穴の空いた楽器には必ずヘルムホルツの共鳴箱の効果が発生します。ボディの内容積、開口面積、および開口の奥行きで決まる周波数をピークに内部の空気が共振する現象で、このような計算式になります。

数式b

これはスピーカーの箱に使われるバスレフ・ポートとまったく同じ計算で、しっかり出したい低域の周波数に照準を合わせ、増強させる仕組みです。普通に響孔の空いたギターでも響板の厚さ分の浅いポート(筒)があるものとして計算します。ヴァイオリン属は2つのf字孔面積の合算で計算できますが、開口が円以外の場合、逆算で円にした場合の半径:rを求めます。

響孔の周りにある空気の質量(動き難さ)が抵抗となって、共振の値が決りますが、ポートで奥行きをつけてやると、抵抗となる空気量が増えて、より低域に共振するようになります。

箱

この効果を利用したのがギターの響孔に付けられるトルナボスというもので、低域を増強します。楽器に仕込んであるものもありますが、普通のギターにボール紙等で作った筒をはめ込んで簡単に試すこともできます。効果が良いか否かはやってみての判断ですね^^;
ギターなら採寸でおよその共振値を計算できるでしょう、ただしボディ内の空気が隅々まで共振するわけではなく、③図のような動きが自由なあたりだけで、見当をつけて差引いた実効内容積で計算する必要があります。19世紀ギターは⑤、⑥弦の低音に笛鳴りが加わったような遠達性のある鳴り方をします、ちょうどこのあたりの音域に空気共振が働く内容積と響孔面積になっているようです。
リュートの場合、ロゼッタの隙間が開口面積ですが正確にはわからないし、ボディ容積を計るのも難しい、すべて目分量ですね; トルナボスは外からはめられません;;
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category: 楽器について

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コメント

難解な高等学校の物理学の授業を思い出しました(笑)。

最近の製作家でトルナボスを装着させる人はめっきりいなくなりました。
1930年代の古いギターで昔よく見ました。
内部に小細工を施すよりも、表面版に対してとか、格子状構造とか、化学的変化をさせたものとか、そういった面での工夫が多いですかね。
 オランダのリュート製作家が製作したような、300年前の古材を使用したギターやリュートが欲しいですね。

サイモン #ZXalNXKs | URL
2015/08/11 19:23 | edit

サイモンさん こんばんは

>300年前の古材を使用
喉から手が出るほど欲しいですが;お値段も相当になりそうですね;

新材に何らかの処理を施して、古材と同じ材質にする技術が実現すると、楽器に限らず革命的ですが・・
300年と行かずとも、長くストックして枯らし込んだ良材の楽器はやはり良いですよね。

michael #xNtCea2Y | URL
2015/08/11 21:00 | edit

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