Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

弦の止め方いろいろ  

思えば指板を持つ弦楽器って多種ありますが、ブリッジ、あるいはテールピースへの弦の止め方には様々方式があるようです。m
まず、我がリュート、及びクラシックギターは同じ止め方で、弦の端には何も施さず、このようにブリッジの穴に通して絡めるだけ、まず安心な止め方ですv
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まあ、ケースバイケースでいろんな変則法も使いますが^^;

しかし、19世紀ギターになると何故か多くがこの方法を取らず、弦の端に緒止め(止め玉)を自分で施し、楽器内部に通し、ピンを指して止めるという方法です。
19c g
001b_2017030812102070f.jpg002b_20170308121039614.jpg
(2タイプあり、弦を通す溝が①はピンの穴、②はピン自体に付けられている)
この方法は緒止めが上手く効いていないと、弦がすっぽ抜けて、ピンもどこかへ飛んで、探すのにエライ目にあいます;また緒止めが溝に挟まり込んでピンが抜けなくなったり^^;具合よく止まっているか、楽器内部なので見えないし、どうも苦手でした;
フォークギターもこのピン止めを継承していますが、弦には後述するボールエンドが施されていて心配ないです。

現代のヴァイオリンでは弦の端が止められるよう施工されていて、ボールエンドのほかにループエンドと2種類あり、
string2b.jpgvn 2
ボールエンドは、弦の先端部分に丸い金属が付いていて、テールピースの穴に通し、溝に掛けるんですね、ループエンドは、弦の端が輪っかになっていて、チューニングアジャスターを使う場合の仕様です。
たしか、エレキギターの弦もボールエンドで止める方式でした。

昔のバロック・ヴァイオリンの弦にこういう施工はないだろうと思い、調べたところ、緒止めの作り方が動画で紹介されていました、
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動画→ Gut E String Tieing
なんと!自分が考え付いた19世紀ギターの緒止めと同じでした、これは具合良かったです。
ただしE線だけは細いので緒止めを作り、さらにテールピースに絡めるようです。
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PS.糸巻き側でも楽器によって工夫があるようです、三味線の三の糸(一番高い弦)は細いので糸巻きの穴に2度通ししています、参考→ 三味線のしおり、いろいろ参考になります^^

ご覧いただき、ありがとうございました。

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マルチ・リブ ≪追記あり≫  

リュートのボディの裏面は柳の葉状に切った薄板(リブ)を継ぎ合わせて球面にしてあります、内側には継ぎ合わせの補強のため、境目に布や紙のテープが貼られています、製作家によってやり方も違ってくるかもしれませんが、 te
11c l
リブ材はハカランダで内側も黒っぽい(修理時に開いた写真)
この楽器は一枚の布を裂いて利用してあります、リブ数は11枚なので少ないほうです。

マルチ・リブというリブ数の多い楽器もみな同じようにテーピングしてあるのか?気にしたこともなかったですが;うちにある最もリブの多い(21枚)楽器を響孔から覗いてみると、
al 02
tape.jpg
追加写真:この楽器は響孔が3つあるので、1つから照らし、別孔から撮れました
一応1箇所ずつ貼ってあります、ただし薄い和紙のような細いテープです、ツヤがあるので塗装もしてあるように見えます、テープ面も堅仕上げが良さそう。

もっとリブ数の多いテオルボもそうだとすると、これも相当な手間です、
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参考:L.ニスカネン作、テオルボ
数本跨いで貼ったほうが早いような?;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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優れ物:折り畳みテオルボ  

奇士さんのブログで紹介されていますが、興味深いのでこちらでも取り上げます。
昨日のチューナーと違い、かなり高価なものですが;te

リュート属にはテオルボという人の身長ほどもある、ド長い楽器があり、通奏低音で使われることが多いので、お仕事で移動も頻繁な楽器でしょう、何とか移動時にはコンパクトにできないか、というのは誰もが考えたと思いますが、ネックをジョイント式にしてしまうと、収納のたびに弦を外さないといけない、近年、調弦を保ったまま折り畳む、というアイデアの楽器が北欧から出てきました。今回はフィンランドのLauri Niskanen 作のテオルボ、
te.jpg
説明動画→Foldable Theorbo

この楽器の上手いところは、ペグに見える1本がじつは伸ばしたときのストッパー・ネジになっているところ、
te2.jpg
専用のケース
製作家サイト→Lauri Niskanen, Luthier

こういう楽器になると、お気に入りの愛器、というより、よく鳴って便利だと助かる、という業務用感覚かな^^

ご覧いただき、ありがとうございました。

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優れ物:小型チューナー  

師の愛用でお薦めの小型・軽量チューナーを取り寄せた、お値打ち価格なので2個注文v
D'Addarioの PW-CT-12
pw cd 12f
仕様は以下のとおりだが、
pw ct 12e
リュートにも具合よく装着でき、調弦の邪魔にならず見やすい角度にできる、重さは無視できるほどで付けたまま弾いても支障ない。音を感知して表示が起動し、電池の節約機能もある。
PW CT 12c
表示の右下には現在のピッチ設定が常に表示される
pw cd 12b
クリップ部は高さ調節ができ、リュート、ギターにはこれで十分、クリップの接触面はソフトで傷をつけない
サンプリングが高速で、平均値を示すようで状態が掴みやすい、従来の製品より手早く調弦し易くなっている。周囲がうるさい場所でも信用して合わせられる。
高速処理技術といえば「補償光学」を思いつくが;市販品もそれなりに進んでいるようだ。
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表示が「緑」で安定すれば、概ね問題ない程度になる
A=410~480hzの設定ができるので、バロックピッチはOK、発信音は出ないが、メトロノーム機能も付いている。電源を切っても、直前の設定が保持される。

なお、様々な楽器に装着できるよう、クリップ部分は別仕様が用意されている。
pw cd 12 vn

ご覧いただき、ありがとうございました。

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フレット楽器の弦高  

フレット楽器の宿命というか、リュートをケースから取り出すたびに気にしてしまうのが弦高です、適正だったつもりでもいつの間にか高くなっていることがあります。m
指板の起伏が良く調整されているのが肝心で、理想は中ポジションからローポジションにかけて少し前のめりで(こうでないと、ローポジションがビリやすい)ハイポジションはほぼ真っ直ぐでいい、強調するとこんな感じ、
002b.jpg
この状態で演奏性としては可能な限り低いのが望ましい、
gennko.jpg

弦高の測定は指板上の9ポジションの指板から弦の下部までを目安にしている、(12ポジションは響板上にあり、起伏の状態により差があるので目安にしにくい)
001_201702151020152d4.jpg
sasijaku.jpg

因みにうちにある楽器では13コースlute(弦長69.5cm)が3.2㎜で絶好の高さ、これは昨年、製作者M.オッティガー氏に調整してもらった。
13c lute

もう一つ11コースlute(弦長66cm)は3.5㎜の状態、これは自分でできる範囲で調整したが、ひとまず弾きやすい状態、いずれ指板を少し削って下げたいと思っている。
11c lute

ご覧いただき、ありがとうございました。

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短めの弦長  

またちょっと楽器の話です;

音程が同じだとして、リュートの弦長は長いほど、くっきり、クリアになって、余韻、共鳴音とも豊かになります、指の都合で限界はありますが;一方、短めの楽器は手の小さい人に都合よいだけでなく、11コースluteのオリジナル作品ではあえてその響きが良いと思います。
このリュートは弦長66cmですが、
m o 11c
長い楽器より、ややくぐもった音色になり、私的な語り口、このために書かれた曲も本当に内面的で、ゴーティエ父子、F.デュフォー、J.ガロ、C.ムートンなど、広いホールで演奏する感じではありません。バロック後期のヴァイスなど13コースluteやジャーマンテオルボを使う作品とか、バッハの編曲作品になると、力感をもって響かせたい趣きを持っています。
このジャーマンテオルボは70cm(バス部は96cm)、これでも短めです、
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ギターの経験でもありますが、不思議なもんで、同じ弦長(テンション)なのに、楽器によって張りが強く感じたり、緩く感じたりします、強く感じる楽器は力を要求してきて、それなりに音量が出て、緩い感じの楽器は強く弾くことを拒否してきます。
もう一つの11コースluteは弦長67cmですが、
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緩い感触で、上記の66cmほうがやや強く感じます。こちら67cmのほうはさらりと軽く、強く弾く意味がない感じ、また楽器によって響きやすい調が違うので、曲に応じて使い分ける、そこが複数持つ利点かな。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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使用弦:部分比較  

注文したローデド・ナイルガットはまだ届きません;

使わずにしまってあった、ローデド・ガットを11コースluteの10、11コースだけ張ってみました、オクターヴ弦もガットです。
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順に鳴らすと9コースまでのPVF&NGと響きの違いがわかり易いです、鳴らす力やサスティーンに大きな違いはないので、このまま曲を弾いても支障はないですが、音質、味わいの上ではさすがガットは天然素材、程良く混濁感があり、PVF&NGが白砂糖なら、ガットの組合せは黒砂糖みたい?オクターヴ弦だけガットにしてもかなり雰囲気は近づくようです。
この雰囲気を作るガット弦もメーカーによって変わります、キルシュナー社のガットは硬質に仕上がっていて自分の求めるガットらしさとは違い、オクターヴ弦に使うだけでも他のメーカー弦と混合すると異質になります。

笛で言うと、金属のモダンフルートより木のflトラヴェルソ、あるいは邦楽の横笛など、天然材の音が好きです、それと同じ拘りですね。
ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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リュート低音弦の選択肢  

昔、リュート弦にガットが使われたのは間違いないが、現代作られるガット弦で高音用はまず良好と言えるだろう、細くて切れにくいものも出てきた。ただ、低音弦をどうするのが適切か、未だ不明な事が多い。
リュートを始めた当時、実用的で入手しやすいものといえば、Pyramid社のナイロン弦と巻弦しかなかった、巻弦はギター弦と同じ作りで、サスティーンが長く、ドスっと瞬発力のある低音は出なかった、その後Aquila社からサスティーンがやや押えられた"D"の品番の巻弦が出て、始めて使用したとき、だいぶ好ましくはなったが、ガットには至らなかった。
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巻弦2種
次に試したのはGamutから出ているGimped Gut という低音弦で、ルクスラインとも呼ばれ、ガット線に金属線を螺旋に埋め込み巻きしたタイプだ、ガットの質を保ちながら質量を補充した現代考案された弦で歴史的ではない、弦質が硬く短い楽器には向かない。
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ルクスライン
もう一つはキャットラインと呼ばれるガット弦を縄状に捩った弦で、Aquila社ではヴェニスガットという品名である、質量はガットの裸線と同じで低音ほど太くなるが、弦質が柔らかく均質で、振動も良いのが利点である。
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キャットライン
Aquila社では一頃、ローデド・ガットという歴史的低音弦の再現を試みた、生のガットに銅の微粉を付着させて仕上げ、質量を持たせたものらしい、柔軟で程良く細くなり、鳴り具合も成功しているが、均質に作るのが難しいようで、振動の悪いものが大半だった。この振動の悪さは当品に限らず何らかの加工をしたガット低音弦全般に言える(しかも高価である;)
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ローデド・ガット
なお、近年使い出したのは弦素材ではなく、釣糸用のフロロカーボン(PVF)だが、PVFは19世紀ギターの高音弦としても一頃重宝されたようだ。ただリュートの高音弦にするには細すぎて音質的にも好ましくなかった。しかし、大型魚用の太い釣糸で適度な硬度のものは低音用として良い線行っている、呉羽の万鮪(赤ラベル)がちょうど良い、
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PVF釣糸
まるでリュート向けに用意したかのように、ゲージが細かく揃っているのが不思議^^釣り糸にこれほど細かく必要なのか?50mあるので振動の良い部分を切り出して使える。
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太い弦がPVF
なお、年末に注文したAquilaの新製品、ローデド・ナイルガットがまだ届かない、
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ローデド・ナイルガット(Aquila社画像)
注文が多いらしく納品が遅れているようだ。最低音のあたり、PVFでもだいぶ太いので、この製品に期待している。ガット弦の宿命は湿度変化によるピッチの狂いやすさだが、合成素材はそれから開放されるのが助かる。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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ダブルコースの間隔  

リュートは緩い弦をダブルに張る、ということで、その間隔は微妙な調整が必要、弾き手によっても具合の良さに差がでてくる。あまり間隔を開け過ぎても押え辛いし、近づけ過ぎるとぶつかりやすい、さらに各コースのスペーシングも関わってくるのでじつに悩ましい;
この13コースluteはナット側はまさにちょうど良く、自分にとっての基準にしている、ここは0.2mmの違いで具合が変わる。
11c01.jpg
しかし、ブリッジ側は当初、3、4コースがかなり離してあり、5コースは近づけ気味だった、これは5コースには巻弦を張る、という設定だったようで(巻弦は細くなるため)、ガットやナイルガットを張ると少々ぶつかりやすかった。
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調整前
そこで、弦穴を両外へ少し拡げた、
13c00_20170130162227df4.jpg
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精密ヤスリ
これで、前より少し離して止めることができた、
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調整後
ブリッジへの絡め方でも少し位置に影響するので、絡め方向も対象にした。
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ちなみにこのluteは3、4コースが自分にとっては開き過ぎで、押弦にも影響していた、ここは逆に近づけるよう過去に調整した、これで全コース申し分なしv

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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Uuibersaleのガット弦  

私としては珍しく、高音弦にガットを張りました。66cm、11コース バロックluteの1~3コース用で、前より少しテンションは強め、表現上このあたり、力がほしいと思っていたところ、
イタリア、Uuibersale社の 0.44、0.50、0.62 mm
gut uni
180cmあるので、半分に切って2本取れます、
今回、3コース用の0.62の1本が振動状態がかなり悪かった、ダメモトで逆向きに張ってみたところ、使える!こういうことはたまにありますが珍しいですv
11c gut
Uuibersaleの細いガットは切れにくいと聞きましたので、どれだけもつか試してみます。

PS:ところで、古楽器製作家の松尾淳さんが、リュートの製作を再開されたと聞きました、
2010年に作られたリュートがあるので結構早い再開かと。
matuo 7c lute
拡大→ 松尾淳:7コースlute(2010年)
世界でもトップレベルの精度の高い仕事ですし、修理でも何度かお世話になっていますが、
嬉しい知らせです。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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