Micha: Classic音楽とLuteの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

ギターの裏面  

楽器の話が続きますが、これで一区切りとします;m

ギターのボディの断面は四角というのが、ほぼ定形ですが、昔は変化型もありました。
まずは裏板平面タイプですが、平面といっても、僅かに凸面にされたものが多いようです、裏板は複数枚の板が継ぎ合わされるが、接合面に僅かにカーブを付け、両端に隙間ができるようにする、それを圧力をかけて接着すると凸面になる。
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裏板の継ぎ合わせ
外からの耐圧構造となり、バロックギターなど力木を施さない楽器もあるようです。
B g vob
バロックギター(ヴォボアン・モデル)
バロックギターも多くは断面が四角で、ギター属らしい音ですが、
マテオ・セラスのように裏側が一部球面になったものもあり、今もこのタイプは人気があるようで、コピー楽器が作られます、
b g02
球面は細いリブを継ぎ合わせてあります。音色もリュート属に近づいた感じです。
B G seras
バロックギター(M.セラス・モデル)

19世紀ギターには「ラプレヴォット」という楽器もあり、背面は厚手の板を彫り抜いて、ヴァイオリンのように膨らませたタイプです。
LaPrevotte.jpg
19世紀ギター(ラプレヴォット・モデル)
以上、それぞれが、響板内側の力木の付け方も随分違っていて、鳴り方も定形化されていない多様性が楽しめます。

現代のアコギにもラウンドバックと言い、これに近い楽器がありますね、
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ラウンドバック
樹脂を型で固めて作るものもあるようです、内部での反射音がサウンドホールに集中して遠達性が出るようです。

今のクラシックギターはA.トーレス以来のスパニッシュ・タイプが標準型になっています、
オーケストラで使う楽器は標準型が必要でしょうが、ソロで弾くのが殆どの楽器は、もっと多様であれば面白いんじゃないかと思えてきます。(怪しげな楽器ではいけませんが;)

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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ペグの具合  

中古のリュートを選ぶ際、ペグがあまりに反対側へ突き出ていると、気がすすみません;
リュートは緩いテンションなので、ペグはあまり強く差し込まずに済むほうですが、適切な手入れをせず使い倒されたものは随分突き出ていて具合わるいです、特にペグボックスの先の方やシャントレルライダーは幅が狭いので、ペグの弦穴が良い位置に来なくなります、
このリュートは矢印のペグが一番突き出ていますが、購入時はもっと出ていました、
peg01_2017101608413304e.jpg
穴を掃除してから、水で濡らして幾分縮められたので、それからは強引に差し込まず、コンポジションなど補充して今の状態で維持しています。
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ペグが硬い黒壇で、ペグボックスがサクラなど柔らかい材質の場合は特に穴が広がり易いように思うので、様子を見ながら手入れが要ると思います。

このリュートは初期状態を保っています、
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ペグと2か所のペグ穴が精度高く一致しているのが廻す感触でわかります、ペグ全部の具合もムラがなく、元々の作りの良さも関係しそうです。

ペグの塗りものも、専用、転用でいろいろありますが、松ヤニなどねっちり系はやめたほうがいいですね、よく止まるけど廻し辛くてしょうがない、かといって緩めに差し込んでおくとパチンと戻ってしまう、一番厄介です^^;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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首の接合部  

リュートやバロックギターでは響板がネック部分まで延長されているのが多い、構造的な意味はなんだろう?と気になっていたのですが、
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ひょっとして、こういうことかな、
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ネックは胴に面接着で、ホゾを組むような補強はしない、接着面の角度を調整するのに確認しやすく、接着によって胴とネックの直線性の確保と連結補強にもなる、ってこと?
このあと響板の厚さに合わせ指板が付けられる合理的な手順かな、間違ってたらスミマセン;

次は視覚的なことだが、
響板と指板の接合部はリュートの場合、概ね下図のようになる、
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①は最もシンプルで響板周りにもパフリング(縁飾り)がない、これは響板の明るい膨張色のため、目の錯覚で、ネックの直線ラインが下図①’のようにやや拡がった感じに見える、
007_20171015110251353.jpgalt lute
手持ちの楽器には短く張り出したのがある
②のように響板から黒っぽいパフリングを延長してあればラインが整って見える、
③のポイント(切れ込み)を設けた場合は指板材が両脇を占め、さらに直線的に見える、襟首を整えるような効果か、
また歴史的楽器で④のように指板材が響板側に延長されたもの、⑤のようにきっちりボディとの境で区切られたものもある。
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いずれも楽器が古くなって響板との明暗差がなくなれば問題ない話かもしれない;
ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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ナットの溝幅  

リュートの糸倉はなぜ後ろに折れているのか?諸説ありますが、楽器を構えた状態で調弦するとき、ペグが近くなるのは良い、しかしナットへの圧力が強いので調弦がやや合わせ辛い、反面、調弦が合えば、その状態で食い止めている、という効果もあるようです。ちょうど折れるカドになるのがナットで、断面のカーブや弦溝の状態など、調弦の具合に影響します。
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先般、KF弦に戻したナットの補修をしました、手持ちのリュートは元々、低音弦の溝幅は巻弦の太さに対応していました、近年はガット、KF、Loaded Nylgutなど、径の太いものを使うようになり、溝がそのままでは開放弦で異音を発することがあります、
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弦が嵌り込んでいないため、ナット上で振動して、ビーンと"サワリ"みたいな音が出ます、
ぴったりでなくてもよいので、溝が弦を食い止められるように調整します、
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この細ヤスリ1本でなんとかなります、拡げ過ぎもいけないので注意してやります、ブリッジの弦穴を拡げるにも重宝です。
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*径:1.2mm

追記:あとナットの断面の形状も影響しやすいと思います、
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ナットのカーブがすぐに下がっていく形なら、弦の振動はナットの端で止まりやすいですが、平坦な部分が長くなっていると端で振動が止めにくいと思います、ギターやテオルボ型のナットはどうしても下図の状態になりますね。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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楽器の装飾 2  

似たような話が続きますが、これで一区切りとします;

楽器を隅から隅まで装飾するというのもセンスが良ければわるくないですが、
a lute
リウト・アッティオルバート(セラス・モデル)
日本人の美的感覚として、無地の中の所々に気の効いた飾りがあるっていうのも好まれるところでしょう、余白の美というやつです。
リュートなどはロゼッタの透かし彫りと、指板とブリッジのコントラスト、これだけで十分、あとは飾らないほうがスッキリ心地よい、指板に飾りは無くとも、多数の弦とフレットが装飾に見えます^^指板に直線的な飾りがあり、弦と角度がズレるのは好きじゃない。
昨日載せた写真ですが、こんな感じが一番好きなところ、
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次は13コースluteのステューデントですが、シンプルながらセンス良く正当、
みょうな"異世界感"はない^^;
13c b lute
*左利き用なので画像を左右反転させた 製作家サイト:Buying a Lute
こんなスッキリ姿で、もし音が素晴らしければ欲しいほどです;

ギター属は形状がやや平面的なので、もう少し飾ってもいいけど、やはり最小限なのが好きですね、コストを押え、良い音に精力を注いだ楽器があれば歓迎です、これも昨日の写真で、バロックギターならこれくらいがいいかな、響孔周りなど単に丸い線飾りでもいいし、
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素地の木材の美しさも重要、使われた木材を引き立て、程良く色違いで組み合わせるのもいいですが、配色がケバいと思うのもありますね;
この楽器のように良材のメープルの場合、塗装は明るめがいいでしょう、
11c b lute
暗く塗っちゃうのはもったいない;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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格安?バロックギター  

怖いもの見たさシリーズです^^;
例のパキスタン製、格安バロックギターの演奏動画がアップされていますね、
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you tube:Baroque "Sellas" Guitar by Zachary Taylor
tou tube:Baroque guitar Folkfriends - 10 strings
ラウンド・バックらしくリュート風の音だけど、いやあ、なんとも・・
現在出ている後継器はこれでしょうか、一応外観はまともかな、
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今は10万円弱です、以前は6万円くらいでしたか、
r lute
同社のルネサンスlute

このバロックギターは中古出品だが、パーチメントと周囲飾りが何だか・・?;
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国内の中古市場にも、ちょっと信じがたいバロックギターが出ていたんですね、
本体は普通のようだけど、ブリッジは改造されたのかな?もう売れたようですが;
Rakuten市場
また楽器など機材の貸出しもあるようで、中古の6コースバロックギター?(ヴィウェラかも)が3泊4日で2万円くらいになっています;

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★ここから別世界となりますが、竹内さんの「譲る求むページ」、
例の楽器が予告から出品ページに移っていいます、
フルー作:バロックギター(ロンドン、1980年)
今作れば、数百~1千万くらいだろう(もし材料があれば)という超名品のようです!
これによる演奏を聴いてみたいものです。
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一方で、タダでも欲しくない楽器に結構な値が付くもんです^^;
ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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バロック楽器の装飾  

チェンバロとか、膝の上で弾く弦楽器でも、バロック期には豪華な装飾が一杯施された楽器が多く作られました、m
たとえばこのオリジナル バロックギター、正倉院の螺鈿紫檀五絃琵琶にも負けていません;
sellasinlay a
過去記事:螺鈿とインレイ
M.セラスだそうですが、響板以外はほぼ全面、華麗な飾りで埋められています、
sellasinlay b
背面、側面、指板にある白い蔦草飾りはたぶん象牙板をこの形に切り、木地側にもぴったりの彫り込みを入れ、嵌めていったものでしょう、手間ひまはどれだけかかってもいい、という工芸の極地のような;
素地に使われているであろう、木材の美しさを見る余地がない、ってのも惜しい気がしますが、そこは目をつぶって?
現代でも稀にこういう豪華な楽器が作られた例があります、注文主あってのことでしょう;
竹内さんの予告ページに凄いバロックギターが出ています!
パーチメントも木製に見える?

このチェンバロは現代の作で、ひじょうに美しいけど、一見、東洋の螺鈿と金箔を施した漆器を思わせます。
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黒と金の取り合わせで仏具も思いだしてしまう?^^;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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Making an EMS Lute Kit  

動画サイトに楽器製作の様子もいろいろ紹介されているようです、
もちろん良い楽器の動画もありますが、

なんか見覚えのある姿が・・
怖いもの見たさで目に付いてしまった、EMSのリュート・キット、
(*EMS:国際郵便の略号じゃありません)
Early Music Shopといえば昔から、古楽器のキットや完成品を出しているようです。

これは最近のものではなさそう?ですが、EMSからリンクされている動画です、
EMS01.jpg
you tube:Making an EMS Lute Kit

EMS02.jpg
湿気対策?・・・・・;
ems lute 03
ビニル線フレット
バックに流れているのは同楽器の演奏かな、
マイッタというか・・
パラレル・ワールドの、一見似ているようで違う世界を覗いた気分^^;
"むこう"ではこれが普通なのかもしれない・・
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最近のキット(お値段はKingham のケースより安い!)

わざわざご覧いただき、ありがとうございました;

category: リュート

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弦楽器の左手  

竿をもつ弦楽器は多種ありますが、右手については弓で弾く指頭のみではじく指頭と爪ではじくプレクトラム(ピック)又は撥ではじく、等々技法も多様です、
左手は単に弦を押えるという点では共通ですが、楽器の構え方、調弦法や技法、サイズ等で要領はかなり違ってきます、m

ギター、リュートは手のひらが弦と並行で、①:指の頭(基本は隣の弦に触れない垂直)と②:のセーハ、つまり指の柔らかい部分だけで押えます、
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*自分の場合、指先に弦が沈み込んでしまうので、爪はギリギリまで切り、さらにヤスリで角を落とします、そうしないと爪が指板に当ってしまう;
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弦の跡

ヴァイオリンはフレットがないのでわかりませんが、ちょうどソプラノ・マンドリンのフレットのようにポジションが細かく、
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ハイポジションは指の頭より間隔が狭いです、まずサイズの小さい難しさがあるようです、
ヴァイオリンの弦の押え方はどうでしょう、うまく真似できませんが、③:のような感じ?
変だったらスミマセン^^;
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まず、楽器の底部がこっちを向いて、高音弦は右側、奏者が弓を当てるのもチェロとは反対から、っていうのも大きな違いだが、指先に対する弦の角度はやや斜めになるかな、
爪が指板に当らないように、という注意は同じのようです、また次に押える指はすぐ上に待機していること、っていうのも;

チェロは左手がまったく自由なので、親指も押弦に使うのが特徴、クラシックギターでも稀にこの方法で親指を使う(ネックの反対側からじゃなく)曲があったような、もちろん弾いたことないけど;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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ヘルムホルツ共鳴  

胴体中の空気の共振周波数を変化させる原理で、低音を増強するのにも使われるのが「ヘルムホルツ共鳴」である、フルートなど管楽器の音程作りもこの原理だが、空気を囲った胴体の一部に開口を持つ弦楽器もすべてこれが働く。

①ギター用の「トルナボス」の場合、ダクトに囲われた部分の空気質量が抵抗となり、空気の共振周波数が下がり、低音を増強する。
guitarajahs.jpg
トルナボスを施したギター
*要は空気の素早い出入りを妨げてやれば同様の効果があるので、ほかに
②響孔を小さくして、抵抗を作る、
③響孔の前近くに遮蔽板を置いて抵抗を作る、
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といった方法がある、はギターやリュートでは邪魔になってしまう;

このリュートは響孔が大きめで、開放的によく鳴るが、低音は⑩コースのD音(69.24Hz)に空気共振のピークがある、
11c a
⑪コースのC音(61.69Hz)になると空気共振の後押しが足りない音になるようだ、試しに、上図③の方法になるが、左手のひらを遮蔽板として近づけて弾くと、⑪コースC音が増強されることがわかった。
リュートにトルナボスは使えないので;なにか施すとしたら、上図②の方法で響孔を狭める板でもあてがうしかなさそうだ、
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必ずしも円形に絞る必要もないので、右図の要領でもよいだろう。

もう1つのリュートは⑪コースC音がよく鳴る、響孔は小さめで、元々、上図②の効果があるのかもしれない。(リュートの場合、透かし彫りの隙間が開口面積)
11c b
しかし、トルナボスなど、策を施すと、ほかの音程で鳴り難いところが発生して、痛し痒しになりそう、なにもしないのが結局良いのかも;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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