Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

ロゼッタ ウォッチングⅡ  

リュートの飾りを施した響孔をローズ、又はロゼッタ(rosette)と言いますが、これも手にする楽しみの一つです。
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現在作られる図柄は歴史的楽器のコピーが多いけど、製作家のオリジナルもあるようです。
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右は歴史的オリジナル
画像検索するとじつに様々見られて飽きません^^
画像→lute rosette
作業は響板に下図を貼りつけ、先細のカッターナイフ、平刃のノミや彫刻刀、いろいろ使い分けて彫っていくようですが、
rose00a.jpgrose00b.jpg
必ず中心部から始めるらしいです、近頃は切り抜き部分をレーザーカッターで行う製作家もあるようですが、
下は最も手の込んだクラスの例です、
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これを彫る手間賃だけで、ウクレレ1個分くらい軽く行きそうです^^;
大型の楽器になると、トリプルにするものがあります。
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これらの図柄しだいで、開口面積が変わるので、鳴り方にも影響するはずです。
また、バロックギターなどではパーチメントで別に作った飾りを内側に貼る例が多いです、
rose pa
これは立体に作られたタイプで、マチ針の頭みたいなのは「薔薇の朝露」かな?
こういうの一つくらい欲しいですね(弾けなくても^^;)
パーチメント製作家のサイト→Elena Dal Cortivo

彫り仕事は精巧なほど良いですが、結構大まかに仕上げてある楽器もあります;手持ちの楽器では松尾さん、オッティガーさんなどは完璧です。(ヤンソン氏のも良かった)
matuo 7c
matuo 7c.lute
ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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リュートの鳴らし方、様々  

一言にリュートといっても、時代やお国柄によって趣味趣向が変わってくる。m
まず手持ちの6コース(alto)luteは④c.からoctave調弦にしているが、明るい響きになり、フランチェスコ・ダ・ミラノなどルネサンス期イタリアの作品に対応する。
6c lute
7コースluteのほうは⑥c.までユニゾン、⑦c.のoct.弦も控え目に鳴るようにして、内向的な響きに揃えた:画像

ピッチニーニなど初期バロックのイタリア作品も多コース楽器の高音弦からバス弦まで駆使して鳴らす、華々しい作品が多い。
一方、フランスのバロックluteになると、ルネ・メサンジョーが11コースでd-mollの調弦、いわゆるバロックlute調弦を確立し、ゴーティエ一族らが続き、パリ楽派とも言われる、幽玄で内向的な趣きのリュート音楽が栄えた、①c.をまったく使わず、中低音のみで渋く和音を聴かせるような曲もある。
下の11c.luteは⑥c.の万鮪が不調だったので、KF101Aに張り替え、具合よくなった。あとはナイルガットと*万鮪で構成、
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*「万鮪」:呉羽の大型魚用フロロカーボン(KF)釣糸

後期バロック期でお馴染みシルヴィウス・レオポルト・ヴァイスはバロックluteを集大成する位置で、イタリアで学んだ時期もあり、作品はフランス、イタリアの趣味を併せ持ち、自国ドイツの趣味もあるだろう、よってヴァイスには幽玄さに加え力感と輝かしさも出る楽器が欲しい、ここで、バスライダー式の13c.luteとジャーマンTheorboの選択がでてくる、
両者13コースで調弦はまったく同じ、
13c lute
バスライダーは指板部より8cm長い
gt 02
写真のジャーマンTheorboでは指板内の⑧c.までが弦長70cm、指板外の⑨c.からが弦長96cmと突然長くなり、当然響きが変わる、特にoct.弦が極端に細長くなるのが大きな要因かと--。
しかし、実際に曲を弾くと、この差は不思議と気にならない。この楽器は⑥、⑨c.にちょうど良い万鮪がなかったので、サバレスのKF弦に替えてやっと整った;
バスライダー式の13c.luteが11c.luteからの改造型であるのに対し、ジャーマンTheorboは完成型かもしれないが、バスライダー式の短い低音弦の響きもわるくない。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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KF弦(Savarez) を張る  

長くリュートをやっていて、始めの頃はギター弦と同じ作りのナイロン弦と巻弦しかなかった、それが普通だと思い、巻弦がボケてくると張り替えたりしていた。m
その後、J.M.モレーノ、パウル・ベイエルなどガット弦を用い、その特徴を捉えた録音が出るようになって、ふくよかで深々とした低音に魅力を感じた。
j m mo weiss
動画:S.L.Weiss - Fantasia in c minor(Jose Miguel Moreno)
そして近年、N.ノースがKF弦を用いて録音、
N N weiss sar
動画:S.L.Weiss -Sarabande from Partita in G minor(N.North)
リュートのバス弦がオクターヴにしてあるのは、太い弦はもっぱら低音成分を担い、オクターヴ弦が倍音をのせて音のラインを明確にするという役割分担だと実感した。
SPで言うと、巻弦はフルレンジ的鳴り方で、ガットやKF弦はウーファー的だ、ウォームで力感のある低音が短く鳴る。
004e.jpg
"低音成分"のイメージ
以下、そんな鳴り方が好み、という前提の話になる・・

昨日届いたSavarezのKF弦(フロロカーボン)だが、いずれも⑤コース以下の低音に使うものばかり。パッケージから出すと、Φ0.74㎜あたりの細いのは無色半透明で呉羽のシーガーエースそっくり、Φ0.95㎜になるとやや黄色の半透明で、万鮪かキルシュナーのガット弦みたい、
kf74a.jpgkf95a.jpg
Φ1.01㎜以上になると黄色で、研磨によるツヤ無し状態、太いのはまさにガット風の外見。
kf 108akeiryo KF
まず弦の重さと長さを計測した、いずれもフロロカーボンの比重と確認。製品番は実径に基くもので、* KF095A=Φ0.95㎜ガット換算Φ1.12㎜のように選定する必要がある。
原材料は日本製だそうで、質的には呉羽のシーガー、万鮪と同じと言える、混合で張っても区別つかない。無研磨の細い弦は原材料の良い部分を使っているようだし、研磨弦も特に振動状態に問題はない。さらにゲージのラインアップが細かいので適切なものが選べるのが利点だ。
参考:music-strings onlineshop
ガットやKFを活かすも殺すも楽器の性質しだいで、張るならこれらの弦の特性を音に変換できる楽器だ。手元の楽器ではM.オッティガーの13コースと11コース、もう一つ英国製11コース、松尾7コース、の4つで好ましい結果が出る。
今回特に気に入ったのが、13コースluteの⑪コース"C"に張ったKF160Aだ、万鮪よりさらにソフトで深い感じが良い、これはちょっと材質が違うかも?
m o 13clute
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*太い弦はブリッジやペグに巻く部分を細く削ると巻きやすい
7c.luteの⑤コースもKF095Aに替えてみた、⑥コースは万鮪だが質感は同じ、
ma 7c lute
振動が良く、ふくよかな低音ユニゾンにハマる^^vヴィウェラもこの鳴り方は合うだろう。

PS.以前から万鮪のラインナップが釣糸としてはやけに細かく揃っていると思ったが、
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KFはハープ、ギター、ウクレレ、リュートなどの弦、さらにテニスラケットほか原材料として多方面の需要が関係しているかもしれない?

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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真似しっ子;  

久しぶりに7cルネサンスlute(松尾 作)を手入れした。
今までは⑥、⑦コースをオクターヴにしていたが、⑥コースもKFのユニゾンにしてみた、
というのも、N.ノース氏の7コースluteもそうしてあるので^^;
7c lute005_20170503085620337.jpg
*⑤コースは万鮪を削って細くしたもの(0.95㎜)
とりあえずKF(万鮪)1.28mmでユニゾンにした、もちろん明快ではない、深くどんよりした内向的響き。しかし、ダウランドにはこれが合う^^;楽器は松尾さんの新作(2010年)のほうで、旧作とはだいぶ違い、ガットやKFの"単線弦"にも良く反応するようだ。

13c luteには一時、ヴェニスガットを張ったが、
13c gut
KF(万鮪)に戻した、さらに昨日、⑬コースのoct弦もKFに替えてみた、
kf ng
これもノース氏にならって^^、NGよりずっしり良い感じに思える。

なお、松尾 作ジャーマンテオルボ(2001年作)にも万鮪を張っていて、一応わるくはないが、巻弦に対し、好ましくなったという印象は少ない?

さて、注文したサバレスのKF弦は国内には到着したので間もなく届く、「万鮪」と違いがあるか、試してみたい。
sa kfmanyu_2017050309160079c.jpg
いずれも材質はKF(フロロカーボン)

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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11コースLuteの調整  

もう1つの11コースLute(M.オッティガー作)ですが、これも少し弦高を低くしたかったので、今回、松尾さんにお願いしました。指板を少し下げての調整です、
m o 11c01
m o 11c02
下が調整後で0.5mmくらい下がり、写真比較では殆どわかりませんが^^;ちょっとのことで違うんです。今までも大きな問題はなかったのですが、譜例のように---
menuet.jpg
---ハイポジションの押弦と開放弦が交錯するところ、開放弦に触れずに押え、滑らかに行くにはギリギリまで低いと助かります、ひじょうに微妙な調整をしてもらいました。(まず自分じゃ出来なかった;)

じつはこの楽器、ブリッジの下あたりに、うっかり引っ掻き傷をつけていたのですが---
m o 11c03
---それが消えています^^依頼してなかったけど、ここも上手く均して目立たなくしてもらえてました、いつも細かな気配りで綺麗な状態で戻ってきて、本当に有り難いですm^^m

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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Lars Jönsson作:バロックリュート  

師が注文されたリュートが完成し、昨日は届いたばかりの楽器をチョット試奏させてもらいました。今回はスウェーデンの製作家、
ラルス・ヤンソン(Lars Jönsson)作、13コース バロックリュート 弦長:71cm
セバスチャン・シェレ=モデル

L Jon 13c
Lars Jönssonのサイト
ボディの形状はクリスティアン・ホフマンに似ていますが、ひと周り大きめの感じです、使用材は極めて上質で精巧な作り、ハーゼが入っていますが、携帯のカメラなので綺麗に写っていません;製作家自身も「今度のは良い出来だ」とのこと。
音立ちは、モーリス・オッティガーのバロックリュートがクッキリした感じなのに対し、こちらは程良くソフトな感じ、ひじょうに豊かで懐深い鳴り、ちょっと弾いただけで"問答無用"のハイエンド器、とわかります^^
円に対し、クローナはお値打ちですが、頼んで約4年待ちだそうです、いくらであろうと、買い替えの必要のない楽器を選ぶのが一番のお得ですね、やる気も湧いてきそう(笑)

出荷時の弦はナイルガットと、低音にはSavarezのAllianceというKF弦(フロロカーボン)が張ってあるそうで、むこうでは定着しつつあるのかな、
kf.jpg
ラルスのリュートはナイジェル・ノースが近年のレコーディングにも使っていて、低音もKF弦だそうです。いつの間にかプロも巻弦を使う人が減ってきたみたい?

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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嫁がせた楽器達  

PCに残った過去の楽器写真を見ると懐かしくなります。m
いずれも気に入って購入したものですが、体一つでは使いこなせず、迷った末嫁がせました、これも一部ですが;;
kodaira g
① Kodaira ラミレス・モデル(杉材)
isii 19c
② S.Isii ラコート・モデル
7c d l
③ D.Larson 7c Lute ヴェネーレ・モデル
ma 11c
④ J.Matuo 11c Lute (S.ムートンの絵画に基づく復元)
19c m
⑤ K.Tanaka ミルクール・タイプ  

①のクラギ以外、特に②、④、⑤は、今持っていればまた弾いてみたい楽器です^^;
ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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やる気が出ないとき  

とにかく楽器を弾くのが楽しくて、やる気が出ない日なんてない!
という方は良いのですが^^

べつに体が疲れていなくても、何だかやる気が出てこず、
「練習しなきゃ」と考えるだけで憂鬱になったりします;

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そんなとき、
・まずは楽器ケースと楽譜を用意する、
・調弦だけきちんと合わせる、

・和音をちょっと鳴らしてみる、
・軽く曲を弾いてみる、

(思いのほか良く感じたら)
・もうちょっと弾いてみる

・のってきたら、さらに弾く
・いつの間にか楽しくなっているv

進める段階まで行って終りにします^^;
きれいに和音が鳴るというのも、やる気の第一歩です。

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数日、まったく楽器から離れるのも良いかも、頭が煮詰まって、今やってる事が良いのか悪いのか、感覚が麻痺状態になるので、クールダウンすると客観的にわかることがあります。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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ガット弦:フレット用と奏音用  

先般、注文を入れたAquilaのローデド・ナイルガットは未だに発送されません、どうやらまた諸事情で作れなくなったと思われ?幻の弦で終りそうです^^;アテにしていたのに・・;f gut
L ng

さて、ジャーマンテオルボの6コース低音弦があまりに振動不良だったので、代りになる手持ちの弦を探し出し、片っぱしから替えてみました、(*振動不良=弦の質量が端から端まで均一でなく、脈動して振動し、音程もふらつく)
6コース低音にはガットの1.12㎜相当を使いますが、見つけたのはどれも、もっとダメな弦ばかり、開放弦がフレットに当ってしまうような;;諦めかけて気付いたのが、フレット用のガット1.10㎜(キルシュナー)です、ダメモトで張ってみたら、これが良い!v
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前にも書きましたが、キルシュナーの奏音用のガット弦は硬質な仕上げで、6コースの1.12には使いにくいですが、フレット用なら硬すぎずちょうど良い、鳴り具合もこちらのほうが気に入ってしまった。
gt 6c gut
因みにガットのフレット弦と奏音弦は仕上げの違いだけで、元々の作りは同じらしく、良質でない部分をフレット用にまわすと聞きましたが、張ってみるまでわからないですね、フレット用は長くてお値打ちだし、ダメだったらほんとにフレットに使えばよいしv

しかし、ガット弦は部屋に加湿器をかけて、40%→44%になるだけで大幅に下がる、たぶん敏感な湿度計が作れるんじゃないかと^^;
situdokei_20170324092909ba3.jpg situdo.jpg
昨夜はあまりに乾燥していたのに驚きました、ここで加湿器をかけるのがよいのかどうか?・・極端な変動になってしまう;
このタイプは湿度が低いほうでは精密ではないようで、低いほうは昔ながらの温度計が2本立った気化熱差で見る方式が正確にわかるかもしれない。

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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弦の止め方いろいろ  

思えば指板を持つ弦楽器って多種ありますが、ブリッジ、あるいはテールピースへの弦の止め方には様々方式があるようです。m
まず、我がリュート、及びクラシックギターは同じ止め方で、弦の端には何も施さず、このようにブリッジの穴に通して絡めるだけ、まず安心な止め方ですv
lute_201703081006224db.jpgguitar.jpg
まあ、ケースバイケースでいろんな変則法も使いますが^^;

しかし、19世紀ギターになると何故か多くがこの方法を取らず、弦の端に緒止め(止め玉)を自分で施し、楽器内部に通し、ピンを指して止めるという方法です。
19c g
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(2タイプあり、弦を通す溝が①はピンの穴、②はピン自体に付けられている)
この方法は緒止めが上手く効いていないと、弦がすっぽ抜けて、ピンもどこかへ飛んで、探すのにエライ目にあいます;また緒止めが溝に挟まり込んでピンが抜けなくなったり^^;具合よく止まっているか、楽器内部なので見えないし、どうも苦手でした;
フォークギターもこのピン止めを継承していますが、弦には後述するボールエンドが施されていて心配ないです。

現代のヴァイオリンでは弦の端が止められるよう施工されていて、ボールエンドのほかにループエンドと2種類あり、
string2b.jpgvn 2
ボールエンドは、弦の先端部分に丸い金属が付いていて、テールピースの穴に通し、溝に掛けるんですね、ループエンドは、弦の端が輪っかになっていて、チューニングアジャスターを使う場合の仕様です。
たしか、エレキギターの弦もボールエンドで止める方式でした。

昔のバロック・ヴァイオリンの弦にこういう施工はないだろうと思い、調べたところ、緒止めの作り方が動画で紹介されていました、
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動画→ Gut E String Tieing
なんと!自分が考え付いた19世紀ギターの緒止めと同じでした、これは具合良かったです。
ただしE線だけは細いので緒止めを作り、さらにテールピースに絡めるようです。
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PS.糸巻き側でも楽器によって工夫があるようです、三味線の三の糸(一番高い弦)は細いので糸巻きの穴に2度通ししています、参考→ 三味線のしおり、いろいろ参考になります^^

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: 楽器について

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