Micha クラシック&リュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

バロックギターの魅力  

弦をはじく楽器をいろいろ経験した中で、自分の手に合うのは、「複弦のバロック楽器」ということに行き着いたようです。
あれだけ、やれ「押え辛い」とか言いながら^^;細い弦がダブルに張ってあるのが弾弦感覚としては手に馴染みます。m
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フェルメール「ギターを弾く女」

リュート属が低域を伸ばそうとコースを増やしていって身軽ではなくなったのに対し、ギター属はコースを増やさず、バロックギターは5コースに留めている、調弦法は上から①~⑤コースがE,B,G,D,A というのは今のギターと同じですが、④や⑤コースに低音弦を含めたり、オクターヴ上げちゃったり、そこは奏者(作曲者)の流儀によって様々です。
Baroque guitar
調弦例
②や③の調弦が多いようだが、実質、狭い音域の中で、④、⑤コースは暗示的にバス弦の役割だったり、高音弦の一部だったりする、近接音程の和音が響き、万華鏡のように音楽を作っていきます、"身軽"ながら奥の深い楽器です。

b g 1
you tube:Canarios - Gaspar Sanz - Baroque Guitar
you tube:Miguel Rincon | Santiago de Murcia & Gaspar Sanz
you tube:Santiago de Murcia "Prelude por la E"
b g 3
掻き鳴らし奏法の解説
tou tube:Stephen Gordon on strumming techniques for Baroque Guitar.
バロックギターでも掻き鳴らし(ラスゲアート)が行われますが、フラメンコギターのそれとはまったく別世界の感覚です。

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category: 楽器について

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やっと切れた!【Loaded Nylgut】  

9月3日午前11時頃、リュートケースの中から"パンッ"という余韻を伴った音がして、
「おっ、ついに!」と思って開けたら、13コースluteの⑪コースが切れていました^^
13c lute cd
Aquilaのローデド・ナイルガットで、赤みが濃い色なので、2016年製造のものです、切れた箇所は指板上の位置で、断面はこのようにプッツリ破断した様子です、
a l ngl ng
こういう太い弦が切れるというのは歴史上初めてでしょう!^^;

代りの弦を注文するにも、また10日ほどかかるし、同時期の在庫品でまた切れるのが届いても困るし、ひとまず、もとのKF弦(フロロカーボン)に全部戻しました、
13c lute kf
もし再注文するなら、期間を置いて新しく入荷したものにしたいです、Aquila社は材料を替え、改良品を出すと言っているそうで。
ついでに2つの11コースluteもKFに戻しました、
11c lute kf
しばらくぶりにKF弦で鳴らすと、懐深い低音が出て、こちらも捨て難い良さがあります、
このままでいくかもしれません?
筆者個人の見解です

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category: リュート

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シャントレル  

リュートの①コースはシャントレル(Chanterelle:歌う弦)と呼ばれ、例外もあるがシングルで弦を張ります、バロックluteでは②コースも大抵シングルです。このあたりの弦は楽器の顔ともいえる、特徴の出るところで、美しいほど良いです^^ギターの①弦もそうですが、m

良い楽器は弱音でも"よく通る"と言われ、これは基音のしっかりした純度の高い音が出ているためかと思います、基音がよく出れば和音も鮮やかに響き音楽的です。

木は良材でも個々に質が違う、製作家さんはこの質を確かめ、良い方向を狙って調整しながら製作していると思います。
昔は国産にも形だけの量産品があり、たぶん基音以外の雑味成分が多すぎるのでしょう、本当につまらん音でした;これでカルカッシ教則本で黙々と練習、なんて憂鬱になります^^;
c guitar e
リュートにもまるで使用に耐えないものが始めの頃、出ました;
情報、物資ともに不足していた時代です、

以下、近年のことですが、
リュートの購入としては唯一、店頭にあったのを気に入って買ったのがこれで、
7c lute
J.Matuo 7c lute
まず①コースの開放弦、独奏曲でよく使うポジションが鳴ってくれること、音色が華やぐこと、これらを満たしていた、

うちで一番、華のあるシャントレルがこの13コースバロックluteです。
13c lute
7ポジションの"C"がとても明るく、鳴りが特に凹んで困るところもないです、

もう一つ、古い11コースluteの①コースは、とくに華やかという音ではないですが、
11c lute
芯があり、ポジションによる鳴りに差がなく、均されているようです、響板はやや厚めかな?

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category: 楽器について

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弦の止め方  

また楽器のメンテの話です、次は別の話にします;

低音弦のローデド・ナイルガットはさらに切れたという知らせを聞く、購入した時期からみて、同じ生産ラインだったと思われるが、うちの楽器ではまだ1本も切れていない?
l ng
糸倉が後ろに折れたリュートでは、弦がナットに強く押しつくので、調弦を上げた場合、糸倉のほうがテンションが高くなっている、ここも切れやすいところかもしれない、
この13コースluteでは、
13c lute
・弦のナットと摩擦する部分には固形石鹸を塗った、
・ペグが遠い弦はアラミド糸で繋いだ

という対策で糸倉内では少しは持ちこたえているかもしれない、しかし、張ってある中間でも切れるそうなので、もろいことは確かなようだ。

もう一点、細いナイルガットだが、①コースがブリッジでよく切れると聞く、これもなぜか自分の楽器では1度も切れたことがない? 1、2年張りっぱなしのもあったような;
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NG40
切れるとしたら、この交差した所だろう、
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ブリッジの穴に弦を2回通して絡めたりするが、こうすると思い通りの弦高で止めやすい、
弦の細い③コースくらいまでなら可能、
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2回通したあと、普通に絡める
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普通は①のように止まるが、2回通しすると滑りが止まり、②、③のような止め方がしやすい
2回通しの場合、交差した所の圧力を軽減しているかもしれない?いずれも推測だが^^;

"弦高調整"のついでに、バロックギターのブリッジを見ると、「下駄式」と呼んでいるが、こんな様子、開口を▼形にして接着部を広くしたものもある、
b gutar01
ダブル弦の間隔を調整でき、①コースはダブル、シングル、どちらも対応できる、
さらに、このようにブロックを挟み込んで、弦高調整も可能なようだ。
b guitar02
はじめからブロック使用タイプと思われる

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category: リュート

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ローポジションのフレット  

前にも書きましたが、自分の指は低反発でフニャっとしています、m
「撫で撫で」するにはいいかも(笑)
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リュートの弦を、指先で押さえるにも、セーハするにも、弦が指の方に沈み込み、押えが弱くなるのが悩み;特にローポジションはフレット間が開いているので、
11c lute o
指の態勢によっては、フレットの傍を押え難い場合もある、ローポジションのフレット径が0.7㎜くらいだと、かなり辛い;最低でも0.9mmはほしい、
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先日、11コースluteのナットを補修した際、思い切って太いフレットガットを巻いたら、結構押えが効くのがわかりました、
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これなら指に沈み込んでも、なお押え込める、⑤コース以下なら弦自体が太いので押えやすくなるけど;①~④コースあたりが助かる、
1フレットで1.0mm以上、5フレットで0.8mm切らないくらいが良い、
f gut
フレットガット:1.15mm
ちょっとだけナットを高くすれば太いのが巻けるし、ハイポジションも順じて調整すれば弦高にも影響はない、ブリッジ側の高さからして、限度はあるけど、押え辛い楽器はこのように設定し直してみようと思います。
ローポジションから順に決めていきますが、もし次に巻いたのが太過ぎてビリった場合、外すのももったいないので、サンドペーパーで適度に削ります、
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指板を削らないよう両サイドにテープを貼って・・;

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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ナットの底上げ  

古いほうの11コースluteはナットを作り替えた際、どうやら低音側を低くしすぎたようで、低音の開放弦がフレットに当っていました、
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また作り替えというのも大変なので、ひとまず、ナットの底に薄いプラスチック板を接着し、低音側を高めに、傾斜をつけて削りました、
nut 02
nut b
*こんな要領で削った
とりあえず、問題は解決v
ちょっと弾いてみて、微妙な弦高の具合は溝の深さで調整しました。

このリュートは弦高を低く補修済みなので、フレットは1ポジションから徐々に細くしていく加減が難しいです、スタートの1フレットは1.15mmにしてあります^^;
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しかし、①コースのⅦポジションで指板から弦の下面まで2.7mmと、ひじょうに押えやすくなっています。
このリュートにもローデドNGを⑨~⑪コースだけ張ってみました、
11c lute02
これも良いけど、今までのKF弦(フロロカーボン)もわるくない感じ、KF弦は減衰が早いので、"ボン"と低音の出が強く、フレットにビリつくことも少ないです。

余談:一昨日の記事でふと気づいたのは、
tiger.jpg
peg 13c
自分は同じ回転物がいくつも並んだ構成美が好きなんだと・・(笑)

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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低音弦が切れる!?  

待望の低音弦が出た、と喜んだばかりですが、
そのAquila、ローデド・ナイルガットが一部「切れてしまった」という報告があります、最低音の太いのでさえ・・気を揉ませますねえ^^;
l ng
切れた箇所はブリッジやペグ付近ではなく、張ってある中間だそうです、モダンギターの④,⑤弦が切れるのはよく聞きますが、巻弦ではない太い弦が切れるというのは前代未聞、
ローデドNGの鳴り方はひじょうに好ましいので発売以来、よく売れていると思うけど、一連の製造の中で起きた問題か、根本的な品質の問題か?根本的であれば世界中のユーザーのところで切れているでしょう、
Aquilaは次の製造では切れないものを出すと言っているそうですが。

ちなみに私の13コースluteには7月5日に張りましたが、
今のところ切れて・・(確認)・・いません^^;
13c lute
こんなふうに糸と連結させるとやばいのかもしれないけど;
"麺"に例えると、ツナギの成分が足りないのかな?
しかし失敗はあるものの、Aquilaほど新製品に前向きな弦メーカーはないので、今後の改良に期待したいです。

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螺鈿とインレイ  

螺鈿といえば、正倉院の「螺鈿紫檀五絃琵琶」を思い出すが、楽器にも関りの深い装飾技法である螺鈿と西洋のインレイについてざっと調べてみた、どちらも非常に手の込んだ職人技で、人間の作った着色料は殆ど使わず、天然素材の色彩、質感だけで構成される"美の壺"^^
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まず、螺鈿は中国から伝わった漆器に施す飾り(主に貝殻)であり、工法は大きくわけて嵌入法と付着法の2種がある、
①嵌入法
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漆塗りを施した表面を彫り込み、その模様に合わせて切り出した貝片をはめ込み、さらに上から漆を塗ってから研ぎ出し、ツヤが出るまで磨く。
②付着法
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木地固めをした上に貝片を漆で接着し、その貝の厚さに近い高さまでサビ(生漆に砥粉を混ぜたもの)を塗り、中塗り、上塗りを施して、貝を研ぎ出す。
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螺鈿の漆器
黒い漆器に貝殻の光沢のコントラストは古くから人々を魅了してきた。

次はインレイ、漆を使わない西洋の家具、楽器、小物類等では木地に直接飾り材を嵌めこむという手法が使われる。
楽器でいうと、バロック期までは飾り材は主に象牙や、木地に対し色違いの木材が使われ、落ち着いたコントラストだった(個人的にはこれが好みv)、
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バロックギター
インレイは飾り材を図柄の形に切り出し、木地側にもそれがぴったり嵌る彫り込みを入れて接着、最後は木地と平坦になるよう仕上げる、(技と根気、時間が要りそう;)
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ニス塗りにより、木地と飾り材の発色も鮮やかとなる。
19世紀になると、真珠母貝など光り物のインレイが多く見られる、
このギターは響板の縁と響孔周りに貝のインレイがある、
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またこのように貝の表面にケガキ針で図柄を入れ、そこに顔料を擦り込んだ、
銅版画的な装飾もある、
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歳月が経つと木地のスプルースは褐色化してくるが、インレイは色褪せずコントラストが際立ってきて、古くなった風格が出てくる。
ローコストの楽器にはインレイ風のシールが貼ってあったりする;

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category: 楽器について

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リュート譜 いろいろ  

リュート譜(タブラチュア)はルネサンス期までは愛好家人口も多く、活版印刷されて出ていた、アルファベットや音価の活字と、音がない所は"線の活字"を並べて印刷されていた、m
R Dow
ロバート・ダウランド曲集より
バロック期になると、プロ奏者や限られた愛好家の間で、もっぱら筆写して伝わり、たくさんの印刷物は必要なかったようだ、
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saizenay写本より
saizenayは当時の有名なリュート奏者の良い作品を集めた写本で貴重な一つ、
J Gallot
ジャック・ガロの曲集より
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ヤコブ・ビュットナーの曲集より
J.ビュットナーの曲集は非常にきれいに書かれた例だ、いずれも曲の終りに"減衰波線"が大抵書かれている、

*そういえば、羽ペンを作って書いてみたことがある、
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拡大画
ボールペンのように筆圧がかけられないので、丁寧に書く習慣がつく;

そして、バロックリュートで欠かせない作曲家、シルヴィウス・レオポルト・ヴァイス、その作品の多くを占めるドレスデン手稿譜は、ヴァイスの活躍したドレスデンの図書館に保管されていた、これらは複数人の筆跡が混ざっていて、
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①~④ S.L.ヴァイス、ドレスデン手稿譜より
ヴァイス自身の筆もあるかもしれない、書き方の流儀は様々で、一曲の最後には"減衰波線(または螺旋)"の印が付いたり、無かったり、組曲の終曲に"Fine"と書いてあったり、
この図書館は戦時中も空襲を免れ、消失せずに残ったのは幸運だった、バッハなら写しや出版譜があちこちにあっただろうが、ヴァイスはここがやられたらおしまいだった;

地味な譜面が続いたので、ちょっと絵画を(勝手にセリフを付けてみた^^)
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Gerard van Honthorst 画
ヘラルト・ファン・ホントホルスト(1592-1656)は、バロック期オランダの画家、リュート奏者を描いた作品もけっこうある、燭光の室内をリアルに描いた作品が多い、
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上:オリジナル画、下:絵を再現した写真

ご覧いただき、ありがとうございました。

category: リュート

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リュート用小物  

趣味の工作も含め、こまごまとした、リュート用の小道具を用意しています^^

まずこれは自作のペグ廻し、
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突起飾りのついたペグが多いので、それが嵌る穴を奥に設けています、あくまで手がくたびれたときの補助で、ペグは直接、感触を確かめながら廻すのが良いです。

ナットの具合が悪ければいつでも作り替えるよう、材料は用意しています、
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象牙は無理なので、獣骨か黒壇です、外形だけ作って溝を彫らずに忘れていたのがあった;

これは製作家さんが作ったもので、ギターの夏用エッジカバー、
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楽器の右腕が当る角に取り付けると、角が丸くなり、腕の汗から楽器を守り、一石二鳥v この吸盤はリュートでも9枚リブでニスのツヤありなら取り付きますが、小さめの吸盤に替えればもっと使いやすいでしょう、内側のスポンジもフェルト布に替えると良いかな。

最後はメーカー品で、小型のチューナー、D'Addarioの PW-CT-12
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反応速度、表示の捉え易さ、今までのチューナーで一番で、合わせやすいですv
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表示が「緑」で安定すれば、概ね問題ない程度になる、A=410~480hzの設定ができ、発信音は出ないが、メトロノーム機能も付いている、自動電源OFF機能、直前の設定が保持される、安くて優れ物です。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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