Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話など

アルマが捉えたベテルギウス  

冬の星座の代表であるオリオン座、左上の赤く明るい星ベテルギウス(脇の下の意味)は640光年にあり、太陽系に最も近い晩年を迎えた赤色超巨星の1つである、質量は太陽の20倍、ベテルギウスを太陽の位置に置くと、木星軌道(半径5.2au)に迫る大きさである。
参考:星の大きさ比較(Wikipedia)
少し昔まで恒星は望遠鏡でいくら拡大しても点にしか見えないものだったが、HSTが初めて超巨星のベテルギウスを実像で捉えた。恒星はガス体と言えるので、はっきりした表面の境界は捉えられないだろう。m
Orion_Head_to_Toe.jpgbetelgeuse hst
右画像:HST(NASA)
また、ESOのVLTによる観測で、周囲の広範囲にガスを放出した様子が捉えられている、
1024px-Nebula_around_Betelgeuse.jpg
ESO
ベテルギウスは脈動変光することが古くから知られており、2009年の観測で、15年前より15%小さくなっている、2010年のNASAの観測で表面温度が不均一で、整った球形ではなく、瘤状の膨らみをもった形らしいことがわかった。

2017年6月30日の情報で、アイルランド・ダブリン高等研究所のE. O'Gorman氏らがアルマ望遠鏡でベテルギウスを高解像度で捉えた、アルマとしては初めての恒星表面の観測となる。
betelgeuse alma
ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/E. O'Gorman/P. Kervella)
電波観測により、内層の高温部分を捉えているが、ここでも不均一な形状が鮮明に見られる。

将来、ベテルギウスが超新星爆発を起こすと、その自転軸の方向へガンマ線が放たれ、もし地球に向いていたら、被害をもたらすとされる、HSTの観測でベテルギウスの自転軸が太陽系に対し20°傾いているとわかったが、不安定な状態で、自転軸はそのままとは限らない?また爆発後は中性子星が出来ると予想されるが、爆発力の偏りで弾き出され、超高速で移動する例もあり、行先で接近を受けた惑星系は壊滅する;
過去記事:ベテルギウス

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銀河系の立体地図作り  

地球の平均公転直径は0.00003162光年(1.496億km)である、一方、リギル・ケンタウルスの距離は4.39光年、地球の公転直径を底辺として二等辺三角形を描いたら、m
001_20170622020653216.jpg
(*二等辺三角形になるとは限らないが、わかりやすくこうした)
A-C-Bの角度は0.0004127°になる、A点とB点の観測角度は半分ずつの0.0002063°の傾きとなる。最も近い星でたったこれだけ^^;
しかし、先日話題にした天文衛星「ガイア」は角度を36億分の1°まで測れると聞いた。
とは言っても「36億分の1°」なんてピンとくる数字じゃない;
gaia_20170622020905c55.jpg
天文衛星「ガイア」 
ガイアと同じ精度の測量機があるとして、地上の距離の測定に縮小して置き換えてみる、例として東京都心から富士山頂上まで約100kmだが、これを測るとする、
fuji map
限界精度にして、三角測量の底辺は最低どれだけあれば測定可能か、計算してみる、
半径100kmの円を描いたとして、円周は628km、
円弧の角度1°分は、÷360°で、1744mである、
さらに1°の36億分の1なので、
1744m÷3600000000=0.000000484444m
で、0.00048444mm となる、
測定場所は2点あるので、これの2倍取って、0.0009688889mmで、
東京都心から富士山頂までの距離を三角測量するのに、底辺は約0.001mmあれば測定可能ということになる!?
002b 04
地球の公転直径なんて、地上の測量に置き換えればこんなもん!ちょっと信じがたいが、3万光年まで測れるとは、こういうことで天文学的測量か・・
計算法や捉え方間違ってないかな^^;

なお、日本でもJasmine計画で、天文衛星を打ち上げる、初号機として、小型のnano-jasmineを2017年12月に打ち上げ予定、
Nano-JASMINE.jpg
天文衛星「nano-jasmine」
精度は過去のヒッパルコス衛星並みだが、ガイアは機能上明るい星は観測できないらしいので、nano-jasmineがこれを観測、星の立体地図作りを補い合うそうだ。

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esa動画:45万年の星の動き  

1718年、英国の天文学者エドモンド・ハレーは恒星も長い間に位置が変わる、固有運動を発見した、これは古代ギリシャの天文学者ピッパルコスが約1850年前に残した正確な星の位置表とハレーの時代の位置と比較してわかった。m
固有運動:あくまで地球から見た、相対的な天球上の位置変化)

1838年、ドイツの天文学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセルは固有運動が大きい星は距離が近いと予測して、はくちょう座61番星の距離を年周視差により初めて測定した。ただ地上からの測定は大気の影響で角度に誤差が生じやすい。
年周視差:地球の公転直径を底辺とし、対象の星との間にできる三角形の角度)

こうした先人の観測手法を高精度に集約した観測衛星が、銀河系の立体地図を作りつつある、
1989年、esaが打ち上げた、天文衛星「ピッパルコス」に続いて、2013年、同じくesa打ち上げの天文衛星「ガイア」が恒星の距離、等級および固有運動の計測を行っている、
gaia.jpg
年周視差による距離測定イメージ
イメージ図に対し、実際の角度は極めて僅かだが、ガイアは36億分の1度まで計測できる。
20等級以下の10億個以上の恒星の測定を行う、半径約3万光年の範囲、銀河系の中心まで測定できる。ただし、個々の星の固有運動を含めた計測結果を得るために恒星1つに対し、平均70回の計測を要する、途方もないデータ量だ。

さて、今回、ガイアの観測成果の一部として、固有運動に基づき、現在から45万年後までの、オリオン座付近の星々の動きを表す動画が公開された。
you tube esa
you tube:The future of the Orion constellation
シアターモードで見ると、画面内の小さな星まで全て動いているのがわかる、遠い星はゆっくりで、手前を高速で横切っていく星も見られる。なお、この動画には星の"誕生と死"は表されていない、ベテルギウスは画面の外に出て行くが、その前に超新星爆発で消えるだろう。
今までも、こうしたシミュレーション動画はあったが、画面内の小さな星まで全てが観測に基づいた動きであるのは凄い。

PS:銀河系最大の球状星団、ω星団(ケンタウルス座)の星達の動きをHSTを用いた8年間の観測で捉え、この先1万年をシミュレーションしたもの、動画になるのは最後のほうである、
Omega Centauri
you tube:Zooming in on Omega Centauri Stellar Motion
固有運動が真っ直ぐ持続する動きだが、実際は星同士で重力が影響し合い、進路は複雑に変化すると思われる。

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EHT:ブラックホール直接撮影に挑戦  

一昨日の続きです。m
数年前から計画されていたことだが、2017年4月4日から10日間でブラックホールの直接撮影の試みが国際チームにより実施された、結果がわかるのは数か月後になるそうだ;
できれば可視光で見たいところだが、途中にガスや塵など視界を遮るものが多くて無理、そこで障害物を掻い潜ってくる電波で見る、しかし、電波は波長が長いので、解像度を上げるには極めて大きな電波望遠鏡を必要とする、そこで考えられたのが、離れた場所の既存の電波望遠鏡を干渉計として連動させ、データを合成すると、超大口径に匹敵する解像度を得られるという方法だ。これを地球サイズに展開したのが、超長基線干渉計:VLBI(Very Long Baseline Interferometry)である、
vlbi2.jpg
VLBI説明資料:国立天文台
VLBIはリアルタイムでの合成処理が出来ないので、各地のデータをレコーダーで持ち寄って合成作業がされる、この方法で行ったのが今回の事象の地平線望遠鏡:EHT(Event Horizon Telescope)計画だ。
EHT map
事象の地平線望遠鏡:EHT(Event Horizon Telescope)map
alma.jpg
EHTの一員、アルマ望遠鏡
使われる電波はサブミリ波で、水蒸気の妨げを受けるため、全地点の天候が良いことが条件で観測上の難点、また各地から持ち寄ったレコーダーのデータが膨大で、観測時刻を正確に相関させて合成しないと画像にならないので、あとの作業が大変なようだ。数か月後、合成により価値ある結果が出なければネットワークを拡大して再観測も予定されている。観測対象は以前から狙っていた、銀河系中心のいて座Aスターと活動銀河M87の超大質量BHである、
X-RayFlare-BlackHole-MilkyWay.jpg
いて座Aスター(銀河系中心 27100光年)
M87.jpg
M87(おとめ座 6000万光年)
いずれも実視径が大きく観測しやすいと見込まれる。はたして今回、満足のいく結果が得られるだろうか?理論に基づいた多くの想像図があるが、
BH06.jpgBH05.jpg
想像図:(左)国立天文台ほか
これらのどれに近いだろうか、あるいはまったく予想外?^^;自転に対する見る角度でも違うと思われるが、どの図も高速自転等によるドップラー効果は共通のようだ。
BH 02
一般相対性理論によれば、上図中央のように円形に見える予測だが、左のように縦に引き伸ばされて見えたり、右のように横長に見えるかもしれない、この見え方でBHの物理法則がわかるかもしれない。BHは高速で自転しているらしいが、それは銀河の自転軸と一致するのか?そうであれば銀河系のいて座Aスターは自転の側面(赤道)から見ることになる、M87はジェットの噴き出すところが自転軸だろう。

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BH「事象の地平線」を検証  

様々な観測でブラックホールの存在は確実と見られるが、BHには光が逃げ出す速度と引き込まれる速度が釣り合う面があり、そこを「事象の地平線(地平面)」という、
BH tokei
地平面はシュヴァルツシルト半径とも呼ばれ、BHの質量で大きさは変わる。
よく落下物が落ち込むと、離れた場所の観測者には、地平面に貼り付いて止まったように見えると言われる、これはシミュレーション等で可視化した場合で、実際は真っ暗で見えない。
BH-swallow_2017061309421569a.jpg
事象の地平線を横切る星(Mark A. Garlick/CfA)
事象の地平線はA.アインシュタインの一般相対性理論から導かれるが、今のところ理論上のもので、実在は確認されていない、そこで、米・テキサス大学オースティン校のPawan Kumar氏らのチームは、銀河の中心にあるのが大質量BHではなく、大質量だが硬い表面を持った天体であると仮定、もしそうなら、そこに星が引き寄せられれば、消滅ではなく、衝突の様子が観測されるはず、ぶつかった星は破壊され、大質量天体を取り巻くガスとして、数ヵ月~数年くらい輝くはず、と推測できる。そんな様子を捉える観測をパンスターズ望遠鏡によるサーベイ観測(空の広い範囲の観測)で行った、
PS1dome.jpg
パンスターズ望遠鏡
しかし「硬い表面」を示す観測結果は一つもなかった、これが事象の地平線の実在を示す、逆説的な証拠になる、とのことだ。

ところで、今までの観測はBHを示す間接証拠だったが、直接、実写画像で見ようとする挑戦が続いている、見るとは言っても本体は真っ暗と思われるので、周囲の光の中央に事象の地平面が暗く浮かぶ「ブラックホール・シャドウ」を見ることになる、ズバリ見えれば、検証もへったくれもなくなる!^^ 過去記事:ブラックホール・シャドウ
世界の電波望遠鏡のネットワークで地球サイズ口径の解像度で見ようというものだ、アルマ望遠鏡も参加して、一応4月に観測は済んでいる
BH04.jpg
見える様子の予想図
≪続く≫

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「極移動」が起きた エンケラドゥス  

AstroArtsからの情報によると、「米・コーネル大学のRadwan Tajeddineさんたちの研究チームはカッシーニの観測から、エンケラドスの地表に帯状に連なる低地を発見し、この地形がかつての赤道と両極の名残りだと考えた。そして、タイガーストライプは過去にはもっと赤道近くに位置していたが、何らかの理由によって衛星の自転軸が元の状態から55度以上ずれてしまったらしいことを示した。」m
Enceladuss_20170607134521ce3.jpg
土星の衛星 エンケラドゥス: 探査機カッシーニ撮影
とあるが、上記の下線の記述がどこなのか説明不足でよくわからない、元の情報もこの程度しか書いていないようだ。しかし、4月14日のNASAの「重大発表」よりは興味深いv
Enceladuss05.jpg
もし、エンケラドゥスの誕生時から現在まで自転軸が変わっていないとすれば、その自転の影響を今に留め、北極と南極の地形は似ているはず、しかし現状はタイガーストライプという領域が南極側に来ている、元は赤道付近にあったのが、小天体の衝突で極移動が起きてしまった、とすれば現状を説明できる、ということだ。言われてみれば・・という感じだが、
タイガーストライプの領域にはくっきり境界が見えるようだ、この範囲で1つの流動域になっているようにも見える、
Enceladuss02.jpgEnceladus_and_shadows_20170607131114c43.jpg
ここの内部は他の所より氷の層が深く、潮汐力の摩擦で液体となった水があり、ストライプ状の亀裂から噴き出していると思われる、小さな衛星(直径:約504km)で重力は弱いので、内部の岩石部分は滑らかな球体にならず、高低差が大きいようだ、岩石層の窪んだ領域に海が重なるだろう、逆に北半球にはクレーターが残る領域があり、変動が少ないことがわかるが、亀裂のような筋もいくらか見られる。タイガーストライプが何時の時点であったのか、元々の地形か、天体衝突に起因するのか、まではわかりそうにない。

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超新星爆発なしで"BH"  

先日も取り上げたケフェウス座の銀河NGC6946は超新星爆発が頻発していると書いたが、何故頻発するのか、一見普通の銀河で活動銀河らしい姿ではないが?しかしこれまで、なにか活動的な様子を見せている。m
NGC6946-Subaru-Gen.jpg
NGC6946(2000万光年 すばる望遠鏡撮影)

5月31日NASA JPLによると、同じNGC6946銀河にあったN6946-BH1という大質量星(太陽の25倍)が超新星爆発を起こさず、直接BHになったらしい、と発表された。2009年にN6946-BH1が輝き始め、数か月、太陽の100万倍も明るく光り続け、(超新星爆発は起こさず)2015年には消えてしまった。確認のため、HSTとスピッツァーSTによる赤外線観測もされたが、存在は見られなかった、
ngc6946-bh1.jpg
N6946-BH1 消滅前と後
BHのでき方には理論上いくつかの道筋があり、中性子星が合体してもBHになるとか、宇宙初期には大量のガスが集まって、あまりに大質量のため星になることなく、いきなりBHになる場合とか、また恒星にはなったが、大質量のためその中心部にBHができ、自らを呑み込んでいく、という場合もあるらしい、ただこの中心部からは光速に近いジェットが噴き出し、超高エネルギーのガンマ線バーストが観測される。
今回のN6946-BH1はまた違う事例だろうか、数か月明るく光り続けたという記述しかない?
7566_illustration.jpg
経緯の想像図(NASA/ESA/P.)
拡大画像
このように超新星に至らず、真っ当な生涯をおくれない星が全体の1~3割だと推定され、超新星爆発の件数が予想されるより少ないという根拠にもなるそうだ。

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星の絶対等級  

一昨日は宇宙の距離単位について書いたが、絶対等級というのにも興味が湧く、m
ある恒星がちょうど1.0等の明るさに見えるとする、それが20光年の距離にあるとして、その星を、絶対等級を決める基準距離:10パーセク(約32.6光年)に持ってくれば、2.06等になる、また同じ1.0等に見えて1000光年の距離にある星なら、絶対等級は-6.3等と、極めて明るくなる(マイナスが付くと明るさを増す)・・同じ基準距離に置くことで、恒星の本来の明るさ(エネルギー)を知ることができる。
こんな計算が下の式でできる。べつに計算せずとも、データはいくらでも検索できるが、面白い^^観測衛星ヒッパルコス、ガイアによって、星の視等級と距離は正確にわかってきたので、この計算をするだけだ。
① M=m+5-5*log10d (*視等級と距離から計算)
② M=m+5+5*log10p (*視等級と年周視差から計算)
 M:絶対等級、d:距離pc、p:年周視差"、m:視等級(見かけの明るさ)

excel.計算表

太陽を除いて、全天で一番明るい恒星、シリウスは②の式で以下のとおり、
keisan 00
絶対等級Mは1.43となった、明るいのは近いためで、巨星というわけではない、

一番近い恒星、プロキシマ・ケンタウリは視等級m:11.13、年周視差p:0.768秒、②の式で絶対等級Mは15.56となった、暗い赤色矮星だ。
Proxima_Centauri_20170601100327395.jpg
プロキシマ・ケンタウリ(HST)

年老いた巨星アンタレスは視等級m:0.91、距離d:553.48光年で、絶対等級Mは-5.23となった、32.6光年の距離にあれば、すごく明るい。

はくちょう座のデネブも一等星に入る明るい星だが、①の式で以下のとおり、
keisan02.jpg sankou.jpg
距離dが非常に遠く、絶対等級Mは-6.93にもなる白色超巨星である。
因みに金星の視等級の最大が-4.7だが、アンタレスやデネブは32.6光年の距離にあってもそれを大きく上回る!
*絶対等級がわかっていれば、この計算で星を任意の距離に持ってきた視等級が出る、
③m=M-5+5*log10d
"1光年"くらいに近づけてみると面白い^^

絶対等級で概ね星の実際の明るさとエネルギーは掴めるが、以上は可視光の範囲での比較である、紫外線、X線など可視光以外のエネルギーも含めた、輻射絶対等級というのがあり、本当の恒星のエネルギーを表す。大マゼラン雲にある観測史上最大の質量を持つ恒星、R136a1は輻射絶対等級が-11.9になるそうだ、可視光より紫外線のエネルギーが高いらしい、
R136a1 b
R136a1.jpg
手前から、赤色矮星、太陽、B型主系列星、R136a1
R136a1は極めて大質量なため、寿命は短く、極超新星となって最後を迎えるとされる、

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宇宙の距離単位  

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これまでも宇宙の距離に関することを書いてきたが、今日はその距離単位について。
hasigo02_201705301114360b0.jpg
距離単位はいくつかあって、スケールごとに使い分けられる、もちろん「km」も使われるが、桁数はかなり多くなる;

天文単位(AU):太陽と地球の平均距離で1天文単位=149 597 870.7kmである、太陽系内や系外惑星系内で惑星など天体間の距離を現わすのに使われる、地球-太陽間に比べ、どれくらい離れているか、という見方で実感?しやすい。因みに土星の近日点距離は9.021AUである。

光年(ly):遠くの天体の距離を現わすのには、光年(ly)がよく使われるが、
1光年=9 460 730 472 580.8kmで、太陽系より外の距離を表すのに多くの書物は光年が用いられ、各天体の距離が数値的に比較しやすい。

パーセク(pc):この単位も遠い銀河の距離に使われる、1パーセク=3.261563光年で、中途半端な数字にも見えるが、年周視差が1秒角(3600分の1度) となる距離が1パーセクである、恒星の絶対等級(MV)を表す基準にもなる単位で、恒星を地球から10pc(32.6光年)の位置にもってきたら、何等級の明るさになるかを表したのが絶対等級である、因みに太陽は5等級になるそうだ。またパーセクは赤方偏移から距離を求める、ハッブル定数にも関わってくる、現在最も正確とされるハッブル定数は宇宙背景放射から求められた67.15±1.2 (km/s)/Mpcである、これは1メガ(百万)パーセク離れるごとに、毎秒67.15kmずつ遠ざかる速度が加算されるということだ、あとは天体の赤方偏移を測定すれば天体までの距離が計算できる。
現在観測される最も遠い銀河の1つ「EGS-zs8-1」はWikipedia(英語版)によると、赤方偏移z=7.7で、距離4Gpc(131億光年)となっている、
Galaxy-EGS-zs8-1-20150505.jpg
EGS-zs8-1(HST)
実際の観測は赤外線となるが、赤方偏移を取り除いた色彩で青く表現されている、ファースト・スターの集まった銀河かもしれない。ハッブル定数を73km/s/Mpcとすると、ほぼこの距離になるが、67.15km/s/Mpcにすると142億光年で、宇宙年齢を超えてしまう?;
Z keisan
単純計算はできず、補正要素があるだろう、後退速度は光速に近い;

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隠れていた超大質量BH  

活動銀河の一種、「はくちょう座A」は1939年、電波銀河として最初に発見されたことで有名であり、その後も頻繁に観測対象とされてきた。
距離は約8億光年とされるが、赤方偏移は Z=0.057 だそうで、ハッブル定数を67.15km/s/Mpcとして計算すると、8.07億光年となった、まあ良い線か^^
英・リバプール・ジョン・ムーア大学のDaniel Perley氏らは2015年から2016年にかけて、米・国立電波天文台のVLA(超大型干渉電波望遠鏡群)で、はくちょう座Aをあらためて観測したところ、銀河中心核近くに過去にはなかった、もう1つ現れた電波源を捉えた。
nrao17df01d.jpg
動画:はくちょう座Aの中心部、 電波源の出現
これは銀河中心部に2つの超大質量ブラックホールがあり、常に輝いているほうに加え、もう1つの暗かったほうが、恒星やガスなど、吸い込む「食糧」にありつき、アウトバーストを起こしたためだと見られている。超新星の可能性も考えられたが、長期間輝いているので、その可能性はないらしい。これら2つの超大質量BHは互いに1500光年ほど離れているが、周囲の物質を吸い込む特徴は一致しているそうだ。
nrao17df01f-1170x600.jpg
2つの超大質量BH 想像図、手前が新しい方、ちょっと手抜き画像だ
銀河合体の際、それぞれの中心にあった、2つの超大質量BHが周り合っているが、いずれはこれらも合体すると予想される。

はくちょう座Aは観測法によって様々な姿に見える、
iyl_cyga_optical.jpg
可視光で捉えたはくちょう座A、楕円銀河に見える

cygnusA.jpg
電波で捉えた超大質量BHのある中心部と大規模なアウトバースト

iyl_cyga.jpg
電波画像、可視光画像、X線画像(チャンドラST撮影)を重ねたもの

ところで、以下のようにいろんな名称が使われるが、未だ明確な使い分けがわからない^^;
* アウトバースト、アウトフロー、スーパーウインド(銀河風)、ジェット
* クエーサー、活動銀河

いずれも中心に大質量BHがある、というものだが;

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