Micha クラシックとリュートの楽しみ

クラシック音楽とリュート、自然・科学の話題など

星が誕生する冷たい場所  

宇宙や科学に関して、記事をまとめている最中にも次々新発見の情報があって、追いつかない; 2、3年も前だったら、まるで見当もつかなかったことが明らかになってきている。

今日は新発見の先導役、アルマ望遠鏡のサイトより、
ほうおう座の方向、57億光年の距離にある「ほうおう座銀河団」の中心にある、活動銀河の銀河核周辺のガス分布を捉えたところ、中心の超巨大BHから噴き出される双極ジェットが上下方向に超高温の希薄なガスの泡構造を作っているのがわかった、またこの超高温のジェットの根元付近を取り囲む低音のガスの分布があることもわかった。
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ほうおう座銀河団の合成画像:青はチャンドラX線宇宙望遠鏡が捉えた高温ガスの分布、上下の暗い部分が特に高温で希薄となった泡構造、オレンジがアルマ望遠鏡が捉えた低温ガスの分布、背景はHSTによる画像。

ガスというのは高温になるほど分子の動きが活発化して膨張し、低音になると収縮する、高温のところではガスが拡散するので星は生れにくい、星が生れるには低温でガスが集まる場所が必要だ、強い熱源のある活動銀河に多くの星があることと矛盾していたが、今回、星を形成しやすい低温ガスの分布域が見つかった。
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この低温ガスは星形成の材料となり、超巨大BHのエネルギー源にもなる、
研究者であるブライアン・マクナマラ氏(カナダ・ウォータールー大学)は、「今回観測した超巨大ブラックホールは確かにガスを噴き上げて泡状構造を作りだし、周囲のガスを加熱しています。しかし同時に、十分なガスを冷やしてもいたのです。」と語ったそうだ。
どのように冷やされるのか、以下は推測だが"冷やす"といえばこれしか思いつかない;
ガスを圧縮したスプレー缶から噴射を続けると、缶が冷たくなってくる、圧縮ガスが放出されると熱を奪っていくからで、冷蔵庫やエアコンも同じ原理だが、これと同じことが中心の巨大BH付近で起きている、ということかも・・

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category: 宇宙・天体

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「TRAPPIST-1」に7つの地球サイズ惑星発見  

系外惑星といえば、先日書いた恒星「HR 8799」を周る惑星のように直接観測可能なものもあるが、これらは明るく見える木星サイズ以上で、仮にこの恒星に地球サイズの惑星があったとしても、暗過ぎて掻き消されてしまう、よって、地球サイズの惑星探しは中心星が暗い赤色矮星で、今のところトランジット法の観測が中心となり、惑星が横切る減光の度合いから大きさ、減光の周期で公転周期がわかる。
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2月22日のニュースで、NASAがみずがめ座39光年にある極めて小さい赤色矮星TRAPPIST-1に地球サイズの惑星を7つ発見したと発表、昨年の5月に3つは確認されていたが、今回、ヨーロッパ南天天文台VLTとNASAのスピッツァー宇宙望遠鏡で新たに観測された、すでにWikipediaの記事も更新されている。赤色矮星TRAPPIST-1は直径が木星より僅かに大きいだけの恒星としては最小クラスで、7つの惑星は全て、太陽系の水星よりずっと内側にあたる軌道を周っている、ミニチュアのような惑星系だ。
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太陽系との軌道比較図(NASA/JPL/Caltech)
内側からTRAPPIST-1 b~hと符番される、このうち、e、f、g、の3つはハビタブルゾーンになるそうだ。
*面白いのはNASAが作成した、各惑星の多様な想像図、いつもながら具体化された想像図だが、根拠をもつ可能性の1つとして受け止めればよいだろう、
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拡大→NASA想像図(NASA/JPL/Caltech)
(符号のaは中心星に与えられるので惑星はbから始まる)
bは中心星に最も近く、軌道がいくらか楕円であったら木星のイオに似た火山惑星かもしれない、ハビタブルゾーンにあるのはe~gだが、eとfは水を湛えている、
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TRAPPIST-1 f
fはまさにアイボールアースで大きさは地球とほぼ同じ、hは氷に亀裂の入ったエウロパ、又はカロンに似ているといったところか、今は想像するのが楽しい^^
太陽系と違うのは中心星が極めて長寿であることと、惑星は潮汐ロックがかかった状態と見込まれる点だが、やがてJWSTほか次世代望遠鏡で、解明されてくるかもしれない、
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TRAPPIST-1 fからの『日の出も日没もない』眺め、想像図(NASA/JPL/Caltech)
太陽系の惑星や衛星も個性豊かだが、想像もつかない変な惑星の存在も期待したい(笑)
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category: 宇宙・天体

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球状星団の中心に"中間質量BH"  

宇宙・天体に関する記事も少しずつ準備していますが、その間にもNASAやESO、国立天文台などから、次々新情報が入ってきて、今日の記事も少々古いもの?となります;

13400光年にある球状星団、きょしちょう座47(NGC 104)は星団の中心部に非常に明るく高密度の中心核を持つことで知られている。この中心部には太陽質量の100倍~1万倍の中間質量ブラックホールがあると予測されていたが、その証拠は見つからなかった。
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きょしちょう座47(撮影HST) 拡大 (このフルサイズ画像は圧巻)
BHの存在を確認する方法として、一つはBHに落ち込むガス雲の摩擦が放つX線を捉えることだが、球状星団には星の材料のガスも殆ど残っていないのでこれは期待できない。
もう一つは、銀河系中心の「いて座A」のように、何も見えない箇所を中心にいくつもの恒星が公転しているのを捉えれば、そこに大質量BHがあることが証明できるが、球状星団の中心部は星が密集し過ぎて、個々の星が運動する様子を見分けるのは不可能である。

米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究チームはまずこの球状星団全体で観測できる星の動きを捉えた、多くの星が複雑に動き回っている中でも、質量の大きい星ほど星団の中心部へ集まるはずだが、それが外部にも移動しているのがわかった、これは大きな星が中心のBHに接近した結果、強い重力で高速度星のように放り出されたと考えられる、もう一つとして、この球状星団にあるパルサーも中心から離れた位置にあることが観測され、これも同様にBHの仕業と見られる、
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以上の間接証拠から、太陽2200個分と見積もられる中間質量BHが中心にあり、星々を掻き回していると推測されている。

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category: 宇宙・天体

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系外惑星の直接撮影と動画  

系外惑星といえば、惑星の重力で中心の恒星が揺れる様子を捉えるドップラー法や、惑星が恒星を横切る際の減光を捉えるトランジット法で、存在や大きさを間接的に知るという方法がメインだったが、コロナグラフの技術で中心星の光を遮る方法と分光観測により、これまでもいくつかの大型望遠鏡が直接捉えていた。
2月1日、ケプラーの法則どおり、系外惑星が公転する様子を直接捉えた動画が公開された。
カナダ、ヘルツベルク宇宙物理学研究所のクリスチャン・マロワ氏が撮影した7年間の画像を系外惑星の研究団体NEXSSのジェイソン・ワン氏がつなぎ合わせて動画にした。
HR 8799 a
HR 8799と4つの惑星
動画:Direct imaging of four exoplanets orbiting the star HR 8799
ペガスス座129光年にある恒星HR 8799の周りを4つの惑星が回っている様子、いずれも木星より大きな惑星で中心星から離れた軌道にあるのだが、それでも非常に難しい観測だという貴重な動画である。

続いて2月16日の情報だが、国立天文台のすばる望遠鏡が新装置の「カリス」を用いて、同じくHR 8799の惑星を観測した。
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赤いケースが「カリス」、すばる望遠鏡のナスミス焦点に設置した補償光学システムに接続される
米・プリンストン大学、国立天文台の研究チームは昨年7月、すばる望遠鏡に新しい観測装置「カリス」(CHARIS: 高コントラスト近赤外線面分光装置)を搭載し、その試験観測に成功、カリスは明るい恒星の周囲を回る暗い惑星を見分けて分光観測を行うことで、惑星表面の状態・温度・大気の様子などを明らかにすることができるそうだ。
hr8799 b
HR 8799:すばる望遠鏡撮影、中心に近い3つの惑星が映っている
すばる望遠鏡にはすでに大気による像の揺らぎを抑える超高コントラスト補償光学システム「SCEXAO」が搭載されており、この高分解能にカリスの機能が組み合わされ、様々な惑星系の起源や進化の理解につながる観測がされ、系外惑星の研究が飛躍的に進むと期待される。
情報:すばる望遠鏡(国立天文台)

HR 8799b
最も外側を公転している惑星(HR 8799b)の想像図
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「惑星系円盤誕生の謎」解明の糸口?  

原始惑星系円盤など、強い重力を持った天体の中心部には降着円盤のガスが落下していき、吸収しきれなかった分が上下にジェットとして噴き出す?みたいな大まかなイメージで見ていたが、力学的な詳細はどうなのか、知らなかった。
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2月8日、理化学研究所、国立天文台、東京大学がアルマ望遠鏡を用いた詳細な観測で、この惑星系円盤の中心近くにおける、惑星系円盤誕生における角運動量問題と言われる謎解明の糸口をつかんだと発表した。回転しながら中心部へ落下していくガスは原始星に近づくと回転速度による遠心力が勝るようになり、ガスの*角運動量の一部が外へ放出されないと、円盤が安定しないという問題だった。今回、おうし座450光年にある「L1527分子雲コア」の観測により、中心部の詳細がわかってきた。
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図の南北方向に伸びた原始惑星系円盤を真横から見た様子、CCH分子の分布から遠心力バリアの手前で厚みが変化しているのがわかる(資料:理化学研究所)
周囲を取り巻いて流れ込むガス中の塵、CCH分子の分布を調べたところ、円盤が遠心力バリア(ガスが中心星に最も近づける位置)の手前で厚く膨らんでいた、ここで落下してきたガスが滞留し、衝突し合い、温度が外部より160°高音になっていた、
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(資料:理化学研究所)
これで角運動量のエネルギーの一部が円盤の垂直方向へ分子流となって放出されている、ここでのエネルギー流出により、ガスは内側へ落下できるようになり、太陽系など惑星系が形成されるプロセス解明の糸口とされている。

*角運動量については過去記事:「月が離れて行く理由」でも概略を書いた。

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category: 宇宙・天体

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カメレオン超新星  

宇宙の物質は始めは水素とヘリウムだけだったが、恒星内部での核融合や超新星爆発、さらには中性子星合体などによって、多くの重元素が作られ、多様で豊かな物質宇宙へと進化してきた。超新星爆発も、恒星が持っていた元素によって種類が分けられる。
Ⅰ型とされる超新星はそのスペクトルに水素の吸収線が見られないⅡ型では水素の吸収線が見られる、というので大別される。しかし2014年、ペガスス座にある渦巻銀河NGC7331(距離3600万~4600万光年)に現れた超新星SN2014Cの場合、爆発から1年間観測を続けたところ、はじめ水素の吸収線がなかったが、その後現れ、Ⅰ型からⅡ型へと変身?したそうだ、
"Chameleon Supernova"とあだ名されている。
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ペガスス座 銀河NGC7331と超新星SN2014C
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X線による撮影
資料:NASA JPL画像
爆発を起こした星からはそれ以前に大量の水素を含む物質が放出され球殻状に取り囲んでいた、そこに爆発の衝撃波が到達して水素が検出され、Ⅱ型の特徴に変わったと考えられている。
なぜ大量の水素が放出されていたのか、大質量星内部での核融合が起こす現象に知られない部分があるかもしれない、あるいはこの超新星の傍にあった伴星の影響かもしれないとのことだ。

超新星爆発が間近とされる超巨星で、イータ・カリーナ星は今まで前兆的小爆発が観測され、伴星も存在するそうだ、ベテルギウスも不安定で周囲にガスを放出している様子を直接観測されている、これらも超新星爆発の際に何らかの特徴を現わすのだろうか。
なお1987年、大マゼラン雲に現れた1987Aでわかったように、超新星爆発は光で観測される数時間前にニュートリノが観測され、スーパー・カミオカンデなど観測機関ではニュートリノを検知した際、世界中の天文台に通報する体制が布かれている。

因みにⅠ型の一種Ⅰa型超新星は宇宙の距離を測る指標としてお馴染みだが、スペクトルに珪素の吸収線が見られるのが特徴だそうだ、連星系の白色矮星がもう一方の恒星からガスを取り込み、一定の質量に達した時(チャンドラセカール限界)爆発を起こすため、Ⅰa型の明るさはどれもほぼ同じとされる。

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宇宙膨張は予想より速いらしい  

宇宙の距離を測る、という話は度々取り上げているがまた興味深い情報があった。m
ドイツのマックス・プランク物理学研究所等に所属する国際研究チームがHSTやすばる望遠鏡など複数の観測機関と共同で、強い重力レンズ効果をもつ5つの銀河とその背後にある*クエーサーを観測し、宇宙の膨張率を表す*ハッブル定数を独自に測定した。
結果は従来のセファイド変光星やIa型超新星に基づく数値とはよく一致し、M.プランク衛星による宇宙背景放射から求めた数値とは一致しなかったそうだ。
今回、国際研究チームは強い重力レンズとなる銀河の後方に短期間に変光を起こすクエーサーが重なって見える箇所を5つ観測した、
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複数の撮影による合成画像
複数の光点や弧が見えているのは同一のクエーサーの光が異なる経路を通ってきたためである、それぞれの経路は空間の歪みによって長さに差があり、同じクエーサーの変光の様子が時間差をおいて観測される、この時間差で高精度にハッブル定数が導き出されるそうだ、
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esa動画:
Strong Gravitational lensing
Flickering quasar images
具体的な測定結果からの計算法は示されていないが、現在の標準的な宇宙論モデルから期待される値より速く膨張していることを予測した、と報告されている。
(情報:東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構)

*クエーサー
100億光年前後の極めて遠方にあるにも関わらず明るく観測される活動銀河、この銀河核には大質量BHがあるとみられ、初期宇宙の豊富なガスや塵を取り込み、狭い領域から強い電磁波を発していて、数日~数週間、あるいは数年の短い期間に明るさを変えるものがある。天の川銀河や近傍(現在)の銀河も宇宙初期にはクエーサーの段階を経ていると考えられている。

ULAS J1120_0641
現在知られる最も遠いクエーサー、ULAS J1120+0641のイメージ
赤方偏移z=7.085で、後退速度は光の約97%、距離129億光年と思われる


*ハッブル定数
2012年-スピッツァーSTの観測から求められた値は、74.3±2.1km/秒/Mpcで、2013年のM.プランク衛星の宇宙背景放射の観測に基づく値が67.15±1.2km/秒/Mpc
2016年-HSTとハワイのケック望遠鏡による観測で、セファイド変光星とIa型超新星の両方が存在する銀河から求めた値が73.2 km/秒/Mpc

関連過去記事:赤方偏移で距離計算

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系外惑星探査  

また、おさらい的な話です;

科学番組でもよく、系外惑星まで行く方法が紹介されるが、大規模なものではスペースコロニー並みの宇宙船を作って百年前後かけて、近い系外惑星へ移動するというものだ、遠い惑星には人工冬眠で長期飛行をカバーする構想もされている、いずれにせよ光の何%かに加速して星間移動し、目的地に近づいたら同じように減速して、上手く惑星の周回軌道に入る必要がある、そこまで詳しく描いた番組は見たことがない。

今のところ実現可能とみて計画中なのは無人のブレイクスルー・スターショット計画だが、これはその名の通り、通り過ぎながらの観測でデータを送ってくるというもの、探査機本体はマイクロチップのようなもので、これに光学カメラも搭載するらしいが、せいぜい昆虫の眼のようなレンズになってしまいそう、小さくても高解像度、高速撮影する技術が成り立つのだろうか?これが出来なければ行く意味が殆どない。目的地は当初、リギル・ケンタウルスBの惑星とされていたが、プロキシマbが良いかもしれない。
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プロキシマb(ケンタウルス座 4.22光年)地球よりわずかに大きいと見られる

今、科学者の間では、系外惑星探査と地球外生命探しに本気で力が注がれているとのことだが、大きくわけて、
①太陽系の地球以外に単純な微生物、若しくは痕跡を直接発見する
②系外惑星の地表の色彩や大気の観測で生命の証拠を検出する
③系外惑星を直接探査する(スターショット計画)
④知的生命を発見する(彼らの発信する電波や何らかの証拠を捉える)

になるようだ、
①は太陽系内の惑星や衛星の探査となる、
②はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡や地上に計画されている超大型望遠鏡(TMTやE-ELT)による観測が期待される、
④についてはだいぶSFっぽくなるが、まったく可能性ゼロではない、ただ地球人も電波を使うようになって、わずか100年ちょっとである、宇宙時間の同じ時期に高い文明を築いた生命が、電波到達可能な範囲に居なければならない、電磁気以外のテクノロジーを使っているかもしれない?

生きている間に③スターショット計画の結果はまず見られないが、①と②は何らかの結果を知ることが出来るかもしれないので、もうちょっと生きることにしよう^^;

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未来の宇宙観測  

今日もおさらい的な話です;

人類の宇宙への興味は肉眼で星が見えることから始まったが、地球には呼吸できる大気があり、しかも澄んでいる、というだけで幸運かもしれない、地球人は宇宙を知るために絶好の時間に居ると言える。138億歳と見られる現在の宇宙はまだ若いとされ、宇宙最初期の情報は赤外線や電波でどうにか観測できる、また地球は観測に適した場所にあるのも好条件、銀河系の星も疎らな郊外で星雲にも囲まれておらず見渡しが良い。
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遠方から近くまで順に観測すれば、138億年間の宇宙の推移を辿れるし、今後の予測もできる、
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すばるディープフィールド(国立天文台)

これから何百億年?も後に、どこかの星に地球人並みの知的生命が現れるかもしれない、しかし宇宙膨張が進めば、彼らに見えるのは自分達の居る銀河だけになる、銀河団の重力の結びつきより、ダークエネルギーによる膨張が勝り、隣にあった銀河の光も届かず、興味深い宇宙観測というのは殆ど出来ないかもしれない。これも宇宙年齢のある限度までで終りのようだ。

ダークエネルギーは空間を作り出して押し広げる力で、その分増えて行くとのこと、ダークエネルギー(+)が増えた副産物が空間(-)と言えるかもしれない。増えた分、次のダークエネルギーが作られるペースが指数関数的に、×2×2・・・と上がっていくのかも?現在は第2のインフレーションかもしれないという見方もある。

もし宇宙膨張が際限なく加速していくとしたら、重力を含む4つの力よりダークエネルギーの引き離す力が勝るようになり、原子構造も留められず、物質はバラバラの素粒子となって散逸していく、加速の度合が今後どうなるかで未来は決まるらしい。

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赤方偏移で距離計算  

宇宙の距離を知る、距離梯子については何度か取り上げた、梯子の最初の基盤となるのが年周視差で、これは現代では直接観測と言ってよいだろう、次がケフェイド変光星による測定、次がIa型超新星となるが、Ia型超新星はたまたま出現した不特定の銀河の距離を測るのみで、宇宙膨張の速度を調べたり、ハッブル定数や距離梯子の基礎データにはできるが、観測したい特定の銀河の距離測定には使えない、
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*次のステップへ重なる部分で、その両方が観測できる天体が必要
数十億光年という、非常に遠方の天体の距離を測るには赤方偏移とハッブル定数が用いられ、赤方偏移を求めるには、天体の出す水素原子の輝線(Hα線)を観測し、本来の波長(6563Å)より引き伸ばされた割合を求める、*1Å(オングストローム)=0.1nm(ナノメートル)
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Hα線の赤方偏移
非常に遠方にある銀河は赤外線レベルまで伸びている、仮にある銀河のHα線が9000Åと観測されたとすると、赤方偏移 Zは
Z=9000/ 6563-1=0.371
次に、光のドップラー効果の式から、
Z+1=√(1+V/C)/ √(1-V/C)
の関係がある、これにZ(赤方偏移)=0.371、C(光速度)=299790km/sを代入して、V(後退速度)を求めると、
V=91620km/s となる
また、ハッブルの法則で遠い天体ほど後退速度が速くなり、
V(後退速度)=D(天体の距離)×H(ハッブル定数)
の関係がある、2014年最新のハッブル定数は67.15km/s/Mpcとされているが、
ひとまず70km/s/Mpcで計算する、D(天体の距離)を求めると、
sekihen01.jpg
D=1308.86Mpc となる
Mpc(メガパーセク)を光年に変換するには0.0326を掛ければよい、よってこの銀河の距離は、
D=42.7億光年、となる
*以上は単純に赤方偏移による計算だけだが、このほか補正すべき要素が多々あって遠方ほど難しいようだ。
なお、ハッブル定数については、最近まで50~100という、ごく大まかな値しかわかっていなかったが、その後、ケフェイド変光星やIa型超新星などのデータを重ね、現在も正確な値が求められつつある、2012年、スピッツァーSTの観測から求められたハッブル定数は、74.3±2.1km/s/Mpc、最新の値は2014年、観測衛星プランクの観測による 67.15±1.2km/s/Mpc とされる、どの値を使うかによって結果に差が生じる。

ついでに近傍の銀河M104も計算してみた、
M104_20170103092217df2.jpg
Wikipedia公表データでは、赤方偏移 Zは0.003642で、距離約5000万光年とあるが、
sekihen02_201701030924528d8.jpg
再計算してみると5076万光年、と良い線が出た^^

関連過去記事
星に手がとどく
宇宙に手をのばす
宇宙に手をのばすⅡ
宇宙に手をのばすⅢ
ケプラーの超新星:SN 1604
ハッブル定数
星に手が届くⅡ

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