Micha: Classic音楽とLuteの楽しみ

クラシック音楽とリュート、宇宙・科学の話など

惑星系のでき方 2  

たびたび取り上げている話で、先日も珍しい「赤色矮星を周る巨大惑星」について書いたところです。原始惑星系円盤でどのように惑星ができていくのか、多くの謎があったようです。m

原始惑星系を廻る微小な塵やガスはやがて中心の原始星に呑み込まれるか、恒星風で吹き飛ばされるかで無くなってしまう、そうなる前に、質量を持った塊にならないと、惑星のような天体は残らない。
001c_20171110105157da8.jpg

先ごろ、アルマ望遠鏡が1000光年の距離にある「オリオン座V1247星」の二重になった塵の環を捉えた、
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アルマ望遠鏡が撮影したオリオン座V1247星
中心には若い星があり、環の明るい部分ほど塵の密度が高い、二重の環の間の暗い隙間にはすでに惑星ができている可能性があり、惑星が通るとその両脇に塵が掃き寄せられる、これが長く続くと塵が密集した状態に保たれ、合体成長しやすくなる、この現象をダストトラップ(塵を長く集めて置ける場所)と言い、惑星の材料の集まる所である。オリオン座V1247星は環の中でも密集した(画像では明るい)部分があり、このダストトラップが詳細に捉えられ、惑星形成シミュレーションとの整合性が確かめやすくなったとのことだ。
同様にダストトラップの見られる原始惑星系として2013年にもアルマ望遠鏡が「HD142527」を捉えている、
hd142527.jpg
HD142527:おおかみ座800光年

なお、これまで発見された系外惑星は巨大な惑星が中心星のすぐ近くを廻るホットジュピターが多い、もし太陽系の木星がそんな位置にあったら、地球などの小さな内惑星は存在できない、あるシナリオでは、木星が太陽に近づいていった頃、もう一つの巨大惑星、土星ができて、その重力が木星を引き止め、外縁部に移動させた、両者は軌道共鳴を起こし、現在の位置に安定している、太陽近くには、木星に吸収された残りの少ない材料で地球などの小さい惑星がちょうど良い位置にできた、ということだ。
そうだとすれば、地球と似た条件の惑星はそうざらにはない気がする;別の条件でも地球に似た環境が作られれば別だが。
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赤色矮星を周る巨大惑星  

これまで、惑星系が作られるときは、その質量の大部分を中心星が占め、残りのわずかな物質で惑星が作られるとされ、中心星が小さな惑星系では惑星もそれなりに小さなものしか出来ないと考えられてきた。m
10月31日、英ウォーリック大学はこの考えに反する巨大な惑星を発見したと発表した。
中心星は「NGTS-1」巨大惑星は「NGTS-1b」と名づけられ、以下のとおり、

中心星(NGTS-1):質量は太陽の0.617倍、半径は0.573倍
HR.jpg
HR図では主系列星のこのあたり、赤色矮星(M型星)となる
巨大惑星(NGTS-1b):質量は木星の0.812倍、半径は1.33倍、公転周期は2.6473日で中心星から450万kmの距離(太陽と水星の距離の約13分の1)を周回するホットジュピター
距離:はと座、約600光年


これを明らかにしたのはチリのアタカマ砂漠にある太陽系外惑星探査プロジェクト「次世代トランジットサーベイ(NGTS)」による観測で、12台の望遠鏡を連動させる干渉計を用いた走査観測により、惑星が横切る際の恒星の減光を調べた結果である。
NGTS-1b.jpg
想像図:英ウォーリック大学
この巨大惑星NGTS-1bは木星のようなガス惑星で半径は中心星NGTS-1に対し、4分の1ほどの大きさがある、謎なのは大きさに差がないところでどんな経緯をもつのか?他にも例があるのかが注目される。

過去記事で1つ目についたのに、「L1448 IRS3B」という連星系が誕生しようとしている原始星円盤があった、
L1448 IRS3B01L1448 IRS3B02
アルマ望遠鏡:撮影、右は詳細想像図
これは中心部に2つ、外側に1つ、大きな塊があり、3つの連星になると予測されている、原始星円盤の重力不安定性による結果だとされるが、こんな質量の分割は考えられないだろうか。

関連過去記事: 「惑星系のでき方」
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太陽系外から来た小天体  

また、観測史上初めて、というニュースが入った。m
国際天文学連合(IAU)の小惑星センターは10月25日、太陽系外から飛来したと思われる小天体「A 2017 U1」を見つけたと発表、
これまで見つかった、太陽に近づく彗星、小惑星はどれも太陽系起源のもので、カイパーベルトやオールトの雲からやってくるものと考えられる、これらは軌道のとり方によって、周期的にやってくるもの、あるいは惑星の重力で軌道が変わってしまい、太陽に近づくのは1回きり、というものがある、木星に捕えられ衝突した彗星もあった、
cavalie_et_al.jpg
シュメーカー・レヴィ第9彗星の衝突痕
周期的なものは長い楕円軌道をとるが、1回きりのものは放物線状の軌道をとる、
しかし、10月19日に2017年10月19日、ハワイのハレアカラ天文台にある「パンスターズ」システムが見つけた彗星のような小天体が異例の軌道をとることに気付き、さらにカナリア諸島テネリフェ島の欧州宇宙機関(ESA)の望遠鏡で小天体を撮影、軌道を分析したところ、離心率の非常に高い双曲線軌道をとっていて、太陽系起源の天体ではあり得ない動きをしていた、
2017 u1
方向は太陽系の惑星公転面に対し、ほぼ真上(こと座ヴェガの方角)から秒速25.5kmでやってきて、9月9日に太陽に最接近し、この時は秒速44kmで通過、10月14日に地球から2400万kmの位置(地球と月の距離の約60倍)を通り過ぎた、
2017 u1 you tube
you tube:A2017U1 animation
これは1回きりの訪問で、あとは遠ざかるだけ、10月30日の時点ではうお座の方向約8500万~9000万kmのところににあり、この天体が「星間天体」である可能性が高いそうだ。大きさは直径160~400mの間と見積もられる(天体の密度で大きさが変わってくる)。

恒星間には浮遊惑星など大きなものは見つかっていて、このような小天体も数多あると予測されていたが、それが接近により初めて見つかったことになる、小さいけど特別なお客だ。
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浮遊惑星:想像画

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金やプラチナの生れる所  

先般の記事「中性子星合体による重力波」の中で、赤外線の変化などの観測で、金など重元素が作られたらしい、ということに触れたが、さらに東北大学の研究チームがこの中性子星合体(GW 170817)の際の光の振動方向の偏りを測定していた、
press.jpg
中性子星合体のグラフィック画像(ESO:想像図)
結果、その光は振動方向の偏りが少なく、0.5%以下、ということで、この結果も中性子星合体で金やプラチナが作られたことを示唆しているそうだ。
もし、金やプラチナなどの重い元素が作られていなければ、電子の散乱が卓越して偏りが検出されるはずだが、重い元素が多量にあるとそれらの吸収によって偏りは小さくなるらしい。

報道の内容は以上だが、光の振動方向の偏りとは先日も記事にした偏光のことと思われる、
henko.jpg
特定の振動方向に絞られる
高速で自転する重い天体からは偏光の生じた光が出てくるが、重元素が多量に作られると偏光の度合が低くなり、多くの振動方向が混ざった光になる、という意味と思われる。
宇宙のどこで生まれたか謎だった貴金属の起源にまた一歩迫ったようだ。

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月の地下空洞  

自然の空洞のような所を見つけると、中を覗いてみたくなるのは本能で、人間も猫ちゃん達も同じようだ。月探査機「かぐや」が月の表側のマリウス丘という場所に直径、深さ、いずれも50mほどの縦孔を発見し、ただの縦孔じゃなさそうだ、というのは予測されていた。m
kaguya01.jpg
縦孔の位置を通る、やや陥没した道筋のような地形も見られる、
kaguya02.jpg
もともと地下に空洞があり、落盤でできた入口のように見える。
その後、NASAの月探査機「ルナー・リコナサンス・オービター」のカメラで縦孔の底に数十m以上の空間が広がっていることが確認された。東海大学およびJAXA宇宙科学研究所の郭哲也さんらの研究チームは「かぐや」の機器「月レーダサウンダー(LRS)」によって得られた、マリウス丘の縦孔付近の反射波データを詳しく調べた、
marius hills01
LRSは地下からの反射波も受信していたため、そのデータから月の地下構造まで調べることができた、この反射波が月面より深い位置で減少する部分(空洞を示す)、また再び強くなる部分(天井か床を示す)、といったパターンが見られ、横孔の地下空洞が予測される。
この結果はさらにNASAの月探査機「グレイル」の重力場観測で発見された、マリウス丘の縦孔を東端として、西に数十kmに及ぶ低密度地域と一致していた。
marius hills02
縦孔から西へ約50km延びる未崩壊の地下空洞の位置。T1~T4に沿って地下に同規模の未崩壊の空洞があることが示唆されている(資料:JAXA/SELENE)
この空洞は月が過去に溶岩に覆われた時代、地下の溶岩の流れが終息し、流れ道だけが残った(溶岩チューブ)と考えられる、

マリウス丘以外にも縦孔はいくつも見つかっている、
Lunar_caves_1.jpg
拡大→Lunar caves

地下空洞があれば月面基地として有力、内部の地形はどうなのか、また鉱物資源や水の存在は?考えると、すぐにでも中の詳しい様子が知りたくなる;
SELENE.jpg
探査車など送って覗いてみたいところ、縦孔の外に台座を置いて、ケーブルで降ろすとか^^

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中性子星合体による重力波  

初めての重力波観測の功績にノーベル物理学賞が贈られたところだが、また初の貴重な観測結果が発表された。
これまでに観測された重力波はブラックホール同士の合体によるものだったが、今度は中性子星同士の合体によるもので、観測されたのは8月17日、米のLIGOと欧州のVirgo(ともに重力波研究所)が捉えたそうだ、発表されたのは10月16日、うみへび座の方向1億3000万光年の距離で起きた、2つの中性子星は太陽質量の1.1倍と1.6倍と見積もられ、互いに高速で廻り合った末、壊れながら合体したとみられる。
20171016ngravi.jpg
重力波とガンマ線バースト:想像図(資料:米カリフォルニア州立ソノマ大学)
8月17日の観測通報で、国際チームが各種の追観測を行った、日本の重力波追跡観測チーム「J-GEM」はすばる望遠鏡などを用い、重力波天体の出す光の初観測に成功した(重力波の伝播は光速と同じ)、重力波天体は「GW 170817」と名付けられている。
爆発の規模はキロノヴァ級で、鉄より重い元素を合成するrプロセスを伴うキロノヴァ放射の理論予測と一致したそうだ、(キロノヴァ:高密度の天体が融合する際に起こる大規模な爆発現象で超新星と比べると10分の1から100分の1程度の明るさ)
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GW 170817の光による観測、8月18-19日は可視光が強く、24-25日は赤外線が強くなった(国立天文台)
J-GEMでは赤外線の変化などから、中性子星合体で、金、プラチナ、レアアースなどの重元素が作られたと推定、今回もこれまでの理論予測が実際の観測で確かめられたことになる。
nhk news
you tube:「中性子星」合体の現象 重力波で初観測(NHK)

先日のIa型超新星もそうだが、宇宙のどの方角で起きるかわからない天体現象を重力波、あるいは高性能広視野カメラ等でいち早く検知し、国際チームが各種の追観測を行う体制を作った成果でもある、発見ラッシュが続きそうな予感。

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Ia型超新星の爆発メカニズム  

太陽の8倍以上の大質量星が一生を終えると単独で超新星爆発をおこすが、爆発の規模(明るさ)はその質量によって違ってくる、超巨星なら極超新星という規模になる。一方、太陽のような星が寿命を終えると白色矮星となるが、宇宙の大半の星は連星を成しており、先に寿命がきた白色矮星は相方の星からガスを引き寄せて質量を増していく(質量転移)、その質量がある一定量(チャンドラセカール限界:太陽の1.26倍)に達したとき爆発するのがIa型超新星で、その明るさは全てがほぼ同じになる。
eso1028a.jpg
esa想像図:大きな星ほど寿命が短かいので、かつては白色矮星のほうが大きな星だった
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ケプラーの超新星(SN1604)の残骸、これもIa型だったらしい
Ia型超新星が現れるのは1つの銀河で100年に1度の確率だが、広い視野で多くの銀河を観測し続ければ短期間にいくつも発見できる、東京大学の姜継安氏らチームは、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ:HSCを用い、2016年4月にIa型超新星の爆発を初期時点で発見し、各地の望遠鏡も爆発の経緯を詳細に追観測した。研究チームは白色矮星の表層にあるヘリウムが核融合反応を起こした結果であると考え、超新星爆発の明るさと色の変化を天文学用スーパーコンピューター「アテルイ」でシミュレーションしたところ、すばる望遠鏡で観測された爆発最初期の急激な増光と色が説明できることが確かめられた。
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すばる望遠鏡が撮影した銀河のはずれで爆発した直後のIa型超新星(矢印)、(左)2016年4月4日、(右)2016年4月5日、(資料:東京大学/国立天文台)
ヘリウム層での核融合反応ではカルシウムやチタンが作られると予測されるが、この超新星が最大光度に達したときに観測したスペクトルにカルシウムやチタンによる吸収線が強く見られたのも、初期の増光がヘリウム核融合反応によることを裏付ける。(超新星が"Ia型"である、とわかるのも、このスペクトル分析による)
初期増光の後、この超新星はIa型超新星としては平均的な明るさの時間変化を示した。これはヘリウムの核融合反応が起爆となり衝撃波が白色矮星の中心に伝わり、中心部で炭素の核融合反応が生じて星全体が爆発したと考えて説明できる。ヘリウム層の爆発がどのように観測に現れるのかを理論で示し、観測で実証したのはこれが初めてとなる。
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白色矮星の表層にあるヘリウム層で核融合反応が起こり、中心に衝撃波が伝わって炭素の核融合反応が始まった直後を描いた想像図(資料:東京大学)

Ia型超新星は遠方天体までの距離を測定する距離梯子の重要な1つだが、爆発メカニズムの解明によって距離測定の精度が高まることが期待される。
hasigo03.jpg
距離梯子:各測定法の線が重なった部分で梯子が繋がる、年周視差が全ての土台となる

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宇宙の氷は液体  

冷凍庫で作る氷は水分子が規則正しく並んだ結晶で、まさしく氷と言えるものだが、水を急速冷却すると、分子が並ぶ暇もなく凍り、分子がランダムに集まった非結晶氷(アモルファス氷)になるそうだ、きちんと並んだ結晶氷に対し、非結晶氷は熱の伝導性が非常に低い、彗星があれだけ太陽に接近しても溶けて無くならないのは非結晶氷で出来ているためらしい。m
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太陽に12万km(太陽直径の約10分の1)まで接近して生き残ったラブジョイ彗星

極低温の宇宙を漂う水(星間氷)もこのような非結晶氷だと考えられる、この非結晶氷は密度の違う2種類があり、高密度アモルファス氷、低密度アモルファス氷と呼ばれる。
じつはアモルファス氷は温度域によって、固体ではなく、粘性の高い液体となることがわかってきた。この性質は惑星形成の始まりである塵の集積の働きをしている可能性もある。

北海道大学の実験室では、-263℃~-258℃まで冷やした基板に水・メタノール・アンモニアの混合ガスを蒸着させ、紫外線をあてて星間氷を模擬的に作ったそうだ、いくつかのステップを踏んだ実験で、詳細は省略するが、結果として、この氷は-210℃~-120℃の間で液体が沸騰したようになり、水素ガスが放出された、これは紫外線照射により、メタノール、アンモニアの分子が分解され、発生した水素ガスと考えられる。
こうした現象から、星間氷の中で、高分子有機物や糖、アミノ酸といった生命の素が化学反応で出来る可能性を示している。これには十分な紫外線照射が必要とされる。
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低温透過型電子顕微鏡で観察された紫外線照射非晶質水氷の変形(温度上昇中、-248℃, -203℃, -177℃, -153℃で撮影)。島状に分布する非晶質氷(写真中で暗く見える部分)が変形し、液体が濡れるように基板上に広がっている(像がぼやけていく)。(下)非晶質氷の変形(濡れ)の模式図 資料:北海道大学

原始惑星系円盤が周囲の恒星から照らされるような環境では円盤中の氷が短時間に十分な紫外線照射を受け、液体状の氷が現れる可能性がある。
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オリオン大星雲に多く見つかっている原始惑星系円盤、これらも先に生れた明るい星々が星間氷に十分な紫外線を照射しているのではないか。

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サンプルリターン  

2016年9月にNASAが打ち上げた小惑星探査機「オシリス・レックス」は地球でのスイングバイを終え、目的の小惑星:ベンヌ(直径560m)に向け飛行中だが、
OSIRIS-REx.jpg
オシリス・レックス
その後、地球や月を振り向いて撮影した画像が公開された、
aeth.jpg
17万kmから捉えた地球
arth moon
地球と月:これは地球から130万km、月から120万kmの位置から撮影、よってほぼ、地球と月の大きさ比較と離れ具合が実感できる実写画像となる。拡大
オシリス・レックスの計画は炭素質の小惑星であるベンヌ本体の観測とサンプルリターン、それにヤルコフスキー効果の観測が主なところだ。
関連過去記事:小惑星を塗装?
サンプルは円盤形状の装置を小惑星の表面に押し付け、窒素ガスで表面物質を吹き飛ばして採取する方法をとる。ベンヌへの到着は2018年、地球への帰還は2023年の予定。ヤルコフスキー効果は地上からの観測でも検出されているが、詳細なプロセスがわかるのを期待したい。
*小惑星ベンヌは1999年、カナダの宇宙望遠鏡:NEOSSatが捉えた動画が公開されている、
bennu.jpg
you tube:Alien Pyramid Structure found on asteroid 101955 Bennu
「Alien Pyramid」? ちょっと意外なものが映っていると、オカルト系がネタにしだすのが困りもんだ^^;まあ、この黒いものが何なのかも探査でわかるだろう、ヤルコフスキー効果のプラスになっていたり?^^

一方、JAXAが2014年12月に打ち上げた「はやぶさ2」も2018年に目的の小惑星:リュウグウ(直径700m)に到達し、サンプルを採取し、2020年末頃に帰還する予定。
hayabusa2.jpg
はやぶさ2
リュウグウも炭素質の小惑星だ、サンプル採取は先代と同じ「タッチダウン」方式だが、改良を加え、今回は事前に衝突体を撃ち込み、直径数mのクレーターを作って、深部の試料を採取する方法だ。(*衝突体は重さ2kgの純銅製衝突体を爆圧によって変形させつつ小惑星に衝突させ、クレーターを作る、この様子も撮影される予定)

このような太陽系内の探査は近未来の宇宙開発の基盤となるだけに結果は楽しみだが、どこも予算の獲得が難しいようだ、
両プロジェクトは互いのサンプルを共同利益とする協定を結んでいる、異なる採取法でトライすれば有効性を探ることにもなるだろう。

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晩年の星を囲む泡  

太陽の8倍以下の恒星は超新星爆発は起こさないが、一生の終りが近づくと赤色巨星となり、星の"中心の周囲"にあるヘリウム原子核の層が周期的に激しい核融合反応を起こすことがある、この爆発的な反応で大量の物質が放出され、星を包むガスと塵の殻のような構造が作られる。
9月21日、アルマ望遠鏡が捉えた、2700光年にある、ポンプ座U星に拡がるガスの様子が公開された、これもアルマだからこそ可能な高解像度である。m
u-pump-2017.jpg
ポンプ座U星
ガスの泡の半径は太陽-地球間の距離の1万倍だそうで、きれいな球状に拡がっているのは周囲でぶつかる星間物質が均一なためだろう。
ポンプ座U星は炭素星に分類され、HR図でいう漸近巨星分枝星になる、
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漸近巨星分枝:右下から左上に繋がる黒線が示す主系列星が年老いてくると、右上に向かって分枝した線の方に向かい低温で明るい赤色巨星となる。
ガスの放出を繰り返して質量を喪失し、元の質量の50~70%を失い、最後は白色矮星となる。

同じくアルマ望遠鏡が以前に捉えた、ちょうこくしつ座R星(距離1500光年)には拡がるガスに渦巻き構造が見られる、
2012sciencealma.jpg
ちょうこくしつ座R星
これは中心星を見えない惑星か褐色矮星が公転していて、放出したガスを横切って疎密の渦を作ったと考えられる。

なお、過去に取り上げたバブル星雲:NGC7635(11000光年)もよく似た形だが、
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NGC7635:HST撮影
こちらは晩年の星ではなく、まだ若い大質量星から出た恒星風が周囲に元々あったガス雲を掃き寄せて濃縮させ、泡状の構造を作っている様子。

なお人間の文明に不可欠な"鉄"は太陽の8倍以上の星で作られ、超新星爆発で次世代の惑星系に供給される。

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